気の向くままに

形而上学・倫理学・法哲学・社会学・自然学・美学・その他諸々について書いてみたい幼稚園児のブログです。まあ、しかし焦らずにゆっくりと、気の向くままにいきましょう。

私たち

大盛りねぎだくギョク 繋がりの社会性

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(18) 第4章 仮面の集団アニニマス の続きである。塚越は、ゲームフィケーション*1とスラックティビズム*2について述べているが、詳細は省略し(必要があれば、後で参照する)、次の要約のみ引用しておく。 ゲームフィ…

あなたは自分の親が寝たきりで、一人でものを食べられなくなったら、放置して死なせますか?

経産省 次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家」(5) 1歳11カ月の男児を乗用車内に放置し、熱中症で死なせたとして父親(パチンコをしていたという)が逮捕された、というニュースがあった。では、自分の親が寝たきりになり、一人で食事を…

理性的議論の条件 - 理想的発話状況、原理整合性、普遍化可能性

平野・亀本・服部『法哲学』(37) 今回は、第4章 法と正義の基本問題 第6節 議論 である。 ものごとを決めるにあたり、話し合い(議論)が重要だということは誰もが知っているだろう。しかし、この話し合い(議論)がどうあるべきか、ということを、ま…

「損害保険組合としての国家には責任はない」とは、どういう意味か?

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(22) 今回も、第4章 国家論の禁じ手を破る 第2節 国家の存在理由 の続きである。 稲葉 ところで、不平等とか格差という現象の主要な発生原因の一つは当然、搾取・収奪、持っていたものを奪われる、横取りさ…

アノニマス ガイ・フォークスの仮面 オキュパイ運動

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(17) 今回より、第4章 仮面の集団アニニマス である。アノニマスとはどういう集団であるか、ここでは次の解説を参照しよう。 インターネット上の匿名性や情報発信の自由を守ることを旗印に掲げ、これに制限や規制を加…

なぜ「生命を尊び、豊かで安心して暮らすことのできる社会」が実現できないのか?

経産省 次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家」(4) まず、次の文章を読んでみて下さい。 父が、実家のリビングで母と私にこう言った。「あと1年持つかな……。たぶん、死んじゃっているよ。とにかく歩くのが容易じゃない。このごろ、トイ…

「地球温暖化」のウソ?ホント?

伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』(19) 今回から、第5章 みんなで考え合う技術 である。 合意に達しようとみんなで考えあう際には、少ない情報で判断を下さねばならないことが多い。さらに、事実についてのCT(クリティカルシンキング)と価値につ…

自由主義、共同体主義、民主主義

平野・亀本・服部『法哲学』(36) 第4章 法と正義の基本問題 第5節 共同体と関係性 の続きである。 前回は、「自由主義と共同体主義の主張のまとめ」のその1.「秩序原理」についてみた。今回は、2.人格概念~4.思想基盤についてみてみよう。 自由…

民主主義を抑制する?

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(21) 今回は、第4章 国家論の禁じ手を破る 第2節 国家の存在理由 の続きである。 稲葉は、相変わらず(学識を示したいのかどうか知らないが)ルーマンやらケルゼンやらシュミットやらの名前を出して何か話…

科学と人間 見るものすべてが花であり、思うところすべてが月のように美しい

加藤尚武『現代倫理学入門』(33) 今回は、第15章 科学の発達に限界を定めることができるか の続きである。 科学は中立的か これに対する反論は、「科学・技術は、善悪どちらにでも使えるもので価値中立的であるから、巨大技術を含めて科学研究・技術開…

Zマシンは核実験装置か? 科学批判の思想

加藤尚武『現代倫理学入門』(32) 今回は、第15章 科学の発達に限界を定めることができるか である。 ながらく人間の文化には、科学や技術の目的の倫理性と道程の安全性についてチェックするシステムが存在しなかった。科学技術から生まれた自然破壊な…

安倍内閣の支持率 55か月連続100%で推移の快挙(内閣府調査)

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(16) ウィキリークスとハクティビズム ウィキリークスが情報技術を用いて可能にしたこと、それは、世界中に不正の「潜在的暴露可能性」を叩きつけたことであり、リークによって社会を「ハック」したことである。不正…

「不安な個人、立ちすくむ国家」…総会議事概要を読む。総会は何をするところなのか?

経産省 次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家」(3) 経産省 次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家」の審議がされた第20回産業構造審議会総会(2017/5/18)の「議事要旨」が、2017/8/15にアップされた*1。総会開催後のお…

各人は自由に自らの幸福を追求できる ???

平野・亀本・服部『法哲学』(35) いま読んでいる箇所は、第4章 法と正義の基本問題 第5節 共同体と関係性 である。 平野は、共同体論者の言う「自由社会の病弊」を紹介した後、次のように書いていた。 このような自由社会の病弊は、共同体論によれば、…

「国家」を主語にするということは…… (軍事大国への道)

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(20) 今回は、第4章 国家論の禁じ手を破る 第2節 国家の存在理由 である。 なぜ国家があるのか 例の如く、稲葉の話はわけが分からないので、省略しようかとも思ったのだが、「わけの分からなさ」を書きとめ…

相対主義

加藤尚武『現代倫理学入門』(31) 今回は、第14章 正義は時代によって変わるか である。加藤は、価値基準が場所や時代によって変わるとして、ヘロドトス等から色々な例を簡単に紹介しているが、あまり面白くないので、これは省略する。 加藤は、相対主…

ウィキリークス(3) 内部告発は、情報漏洩の犯罪なのか?

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(14) ウィキリークス関連で、内部告発と公益通報についてみておこう。ウィキリークスは、内部告発や公益通報とどう違うのかを認識しておく必要がある。(私は前回、ウィキリークスとは「不正告発サイト」であるとした…

シルバー民主主義 老人駆除法(少子高齢化の抜本的解決)

経産省 次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家」(2) 本資料は、「シルバー民主主義」について、次のように述べている。 「シルバー民主主義」を背景に、大胆な改革は困難と思い込み、誰もが本質的な課題から逃げているのではないか。(P49)…

無知のヴェール 負荷なき自我

平野・亀本・服部『法哲学』(34) いま読んでいる箇所は、第4章 法と正義の基本問題 第5節 共同性と関係性 である。今回は、そのうち「負荷なき自我」をとりあげよう。平野は次のように書いている。 共同体論によれば、自由主義的な正義の理論は、何も…

ビッグブラザーがあなたを監視している 1984年より、2+2=5 である

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(19) 第4章 国家論の禁じ手を破る の続きである。 立岩は、「フーコーは、近代社会がどういう仕掛けでできているのか、どういうふうに仕組まれているかをよく記述している、権力と主体の関係についても、こ…

世代間倫理 恩返し 核廃棄物

加藤尚武『現代倫理学入門』(30) 第13章 現在の人間には未来の人間に対する義務があるか の続きである。 だから世代間倫理が成り立つための困難は、共通の価値観が不在だという点にあるのではない。利害関係があって、共通の価値観もあるはずである。…

ウィキリークス(2) ジュリアン・アサンジという男 ハニートラップ?

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(14) 前回、ウィキリークスとは「不正に関する情報を公開するウェブサイト」とするのが、最も簡潔な定義だとした。もっと端的に言えば、「不正告発サイト」となろう。 世間の賞賛と批判を同時に浴びながら躍進してき…

何かが変わるのか? 「不安な個人、立ちすくむ国家」(経産省 次官・若手プロジェクト)

経産省 次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家」(1) 経産省若手が炎上ペーパーの批判に答える -シルバー民主主義って、選挙したら若いほうが負ける- (庄司容子、日経BP)http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/051000049/0…

表現の自由 二枚舌 角を矯めて牛を殺す

平野・亀本・服部『法哲学』(33) いま問題にしているのは、「表現の自由」と「ヘイトスピーチ」である。前回はこの関連で、「憎悪のピラミッドとマイクロアグレッション」を紹介した。 マイクロアグレッション(microaggression)とは、「悪意なき差別」…

権力とは 支配と服従

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(18) 第4章 国家論の禁じ手を破る の続きである。 フーコー権力論の衝撃 私はフーコーを読んでいない*1ので、いい加減なコメントになるかもしれないが、気にしないで読みすすめよう。 稲葉 フーコーの議論は…

世代間の対立?

加藤尚武『現代倫理学入門』(29) 今回は、第13章 現在の人間には未来の人間に対する義務があるか である。 現在の人の未来の人への犯罪 現在の世代が未来の世代の生存のために、環境と資源の保護という義務を負うとしよう。現在の地球人と未来の地球人…

ウィキリークス(1) 忖度まんじゅう 法では解決困難な問題にどのように踏み込むか

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(13) 塚越は、ウィキリークス*1について、次のように説明している。 不正に関する情報の公開という、法では解決困難な問題に踏み込むことで、法や政策の無能さを示すと同時に社会貢献を目指す集団がある。ハクティビ…

憎悪のピラミッドとマイクロアグレッション(悪意なき差別)

平野・亀本・服部『法哲学』(32) 今回は、「表現の自由」と「ヘイトスピーチ」の話の関連で、(本書を離れるが)「憎悪のピラミッド」(Pyramid of Hate)と「マイクロアグレッション」(microaggression)についてみていこう。 テキストは、金友子「マ…

国家論の禁じ手? なぜ、「なぜ?」と問わないのか? 仕事しかしてないよ……

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(17) 今回から、第4章 国家論の禁じ手を破る に入る。 立岩は、国家を論ずるのに2通りの考え方があると言う 立岩 一つは、今ある国家の現状なり成り立ちの説明(事態の説明)。どういう力関係で今の政策決…

「義務」とは何か 労働基準法とお茶汲み

加藤尚武『現代倫理学入門』(28) 今回は、第12章 貧しい人を助けるのは豊かな人の義務であるか である。しかし、本章で取り上げられるのは、「義務論」であって、「貧困問題」ではない。貧困問題は別途、ということで本書の義務論をみていこう。 加藤…