気の向くままに

形而上学・倫理学・法哲学・社会学・自然学・美学・その他諸々について書いてみたい幼稚園児のブログです。まあ、しかし焦らずにゆっくりと、気の向くままにいきましょう。

私たち

福井中2自殺 パワハラ教師と教育委員会の責任は? 調査報告書の「再発防止の提言」を読む

ハラスメント(2) https://picapickup.click/wp-content/uploads/2017/10/yakusokusoukan.jpg テレビドラマ「明日の約束」は、低視聴率*1らしいがなかなか面白い。「いじめ」をスクールカウンセラーの目からみた社会派ドラマ(というふれこみ)。私は、「…

「独裁」と「結論を出せない民主主義」をどう調停すればよいのか?

伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』(22) 今回は、第5章 みんなで考え合う技術 第4節 クリティカルシンキングの倫理性 である。 地球温暖化に関して、次のような三段論法がある。 [式5-4] (大前提)温暖化への取り組みが遅れるのは望ましくないこと…

政治家・議員・公務員は、恣意的に権力を行使してはならない

平野・亀本・服部『法哲学』(39) 今回より、第5章 法的思考に入る。第1節は、法的思考とは何か である。 私は、「法」を「私たちが共によりよく生きていくためのルール」だと考えている。したがって、本章の「法的思考」もそのようなルールに関係する話…

貧富の差 成長か分配か?

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(25) 前回で対談は終わりなのだが、補論がある。一つは稲葉の「経済成長の必要性について」であり、もう一つは立岩の「分配>成長? 稲葉「経済成長の必要性について」の後に」である。ここでは、稲葉の補論…

心の理論 あなたは相手の気持ちが理解できますか?

長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(3) 他者の心の状態を推測する 他者の心の状態(信念や欲求)を推測し、他者の行動を予測したり解釈したりする能力は「心の理論」と呼ばれる。(長谷川、本書) このような心の機能の有無を調べる実験の一…

オキュパイ・ラブ 人類の危機をラブ・ストーリーに変える

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(19) 塚越は本章 仮面の集団アノニマス で、オキュパイ・ウォールストリートをとりあげているが、一部のアノニマスもこの運動に参加したという程度のようだ。しかし、このオキュパイ運動*1というのは興味深い。アノニ…

福井中2自殺 教師による「教育(指導)」と言う名の「虐待」

ハラスメント(1) https://www.ktv.jp/yakusoku/index.html (空にいる息子へ) :如月 2017年05月17日 あなたの誕生日に、ロックがかかって開けれなかったスマホが開けられました。 4千回以上のパスワードを入れ続け、やっと見れたスマホには 未送信のメー…

相互了解と合意の形成

平野・亀本・服部『法哲学』(38) 今回は、第4章 法と正義の基本問題 第6節 議論 の続きである。議論の理論は、民主主義を考える場合の最重要なテーマである。なお、今次衆院選により改憲勢力(自民党、公明党、希望の党、日本維新の会)が、国会発議に…

国家の責任

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(24)*1 稲葉は、「国家には、社会的に不利な状況に落ちた人、社会的弱者に対する責任はない」という。 本当に国家に責任はないのか 立岩 例えば、誰かが脚を折ったとか、その結果これこれがあって、というレ…

大盛りねぎだくギョク 繋がりの社会性

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(18) 第4章 仮面の集団アニニマス の続きである。塚越は、ゲームフィケーション*1とスラックティビズム*2について述べているが、詳細は省略し(必要があれば、後で参照する)、次の要約のみ引用しておく。 ゲームフィ…

あなたは自分の親が寝たきりで、一人でものを食べられなくなったら、放置して死なせますか?

経産省 次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家」(5) 1歳11カ月の男児を乗用車内に放置し、熱中症で死なせたとして父親(パチンコをしていたという)が逮捕された、というニュースがあった。では、自分の親が寝たきりになり、一人で食事を…

理性的議論の条件 - 理想的発話状況、原理整合性、普遍化可能性

平野・亀本・服部『法哲学』(37) 今回は、第4章 法と正義の基本問題 第6節 議論 である。 ものごとを決めるにあたり、話し合い(議論)が重要だということは誰もが知っているだろう。しかし、この話し合い(議論)がどうあるべきか、ということを、ま…

「損害保険組合としての国家には責任はない」とは、どういう意味か?

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(22) 今回も、第4章 国家論の禁じ手を破る 第2節 国家の存在理由 の続きである。 稲葉 ところで、不平等とか格差という現象の主要な発生原因の一つは当然、搾取・収奪、持っていたものを奪われる、横取りさ…

アノニマス ガイ・フォークスの仮面 オキュパイ運動

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(17) 今回より、第4章 仮面の集団アニニマス である。アノニマスとはどういう集団であるか、ここでは次の解説を参照しよう。 インターネット上の匿名性や情報発信の自由を守ることを旗印に掲げ、これに制限や規制を加…

なぜ「生命を尊び、豊かで安心して暮らすことのできる社会」が実現できないのか?

経産省 次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家」(4) まず、次の文章を読んでみて下さい。 父が、実家のリビングで母と私にこう言った。「あと1年持つかな……。たぶん、死んじゃっているよ。とにかく歩くのが容易じゃない。このごろ、トイ…

「地球温暖化」のウソ?ホント?

伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』(19) 今回から、第5章 みんなで考え合う技術 である。 合意に達しようとみんなで考えあう際には、少ない情報で判断を下さねばならないことが多い。さらに、事実についてのCT(クリティカルシンキング)と価値につ…

自由主義、共同体主義、民主主義

平野・亀本・服部『法哲学』(36) 第4章 法と正義の基本問題 第5節 共同体と関係性 の続きである。 前回は、「自由主義と共同体主義の主張のまとめ」のその1.「秩序原理」についてみた。今回は、2.人格概念~4.思想基盤についてみてみよう。 自由…

民主主義を抑制する?

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(21) 今回は、第4章 国家論の禁じ手を破る 第2節 国家の存在理由 の続きである。 稲葉は、相変わらず(学識を示したいのかどうか知らないが)ルーマンやらケルゼンやらシュミットやらの名前を出して何か話…

科学と人間 見るものすべてが花であり、思うところすべてが月のように美しい

加藤尚武『現代倫理学入門』(33) 今回は、第15章 科学の発達に限界を定めることができるか の続きである。 科学は中立的か これに対する反論は、「科学・技術は、善悪どちらにでも使えるもので価値中立的であるから、巨大技術を含めて科学研究・技術開…

Zマシンは核実験装置か? 科学批判の思想

加藤尚武『現代倫理学入門』(32) 今回は、第15章 科学の発達に限界を定めることができるか である。 ながらく人間の文化には、科学や技術の目的の倫理性と道程の安全性についてチェックするシステムが存在しなかった。科学技術から生まれた自然破壊な…

安倍内閣の支持率 55か月連続100%で推移の快挙(内閣府調査)

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(16) ウィキリークスとハクティビズム ウィキリークスが情報技術を用いて可能にしたこと、それは、世界中に不正の「潜在的暴露可能性」を叩きつけたことであり、リークによって社会を「ハック」したことである。不正…

「不安な個人、立ちすくむ国家」…総会議事概要を読む。総会は何をするところなのか?

経産省 次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家」(3) 経産省 次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家」の審議がされた第20回産業構造審議会総会(2017/5/18)の「議事要旨」が、2017/8/15にアップされた*1。総会開催後のお…

各人は自由に自らの幸福を追求できる ???

平野・亀本・服部『法哲学』(35) いま読んでいる箇所は、第4章 法と正義の基本問題 第5節 共同体と関係性 である。 平野は、共同体論者の言う「自由社会の病弊」を紹介した後、次のように書いていた。 このような自由社会の病弊は、共同体論によれば、…

「国家」を主語にするということは…… (軍事大国への道)

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(20) 今回は、第4章 国家論の禁じ手を破る 第2節 国家の存在理由 である。 なぜ国家があるのか 例の如く、稲葉の話はわけが分からないので、省略しようかとも思ったのだが、「わけの分からなさ」を書きとめ…

相対主義

加藤尚武『現代倫理学入門』(31) 今回は、第14章 正義は時代によって変わるか である。加藤は、価値基準が場所や時代によって変わるとして、ヘロドトス等から色々な例を簡単に紹介しているが、あまり面白くないので、これは省略する。 加藤は、相対主…

ウィキリークス(3) 内部告発は、情報漏洩の犯罪なのか?

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(14) ウィキリークス関連で、内部告発と公益通報についてみておこう。ウィキリークスは、内部告発や公益通報とどう違うのかを認識しておく必要がある。(私は前回、ウィキリークスとは「不正告発サイト」であるとした…

シルバー民主主義 老人駆除法(少子高齢化の抜本的解決)

経産省 次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家」(2) 本資料は、「シルバー民主主義」について、次のように述べている。 「シルバー民主主義」を背景に、大胆な改革は困難と思い込み、誰もが本質的な課題から逃げているのではないか。(P49)…

無知のヴェール 負荷なき自我

平野・亀本・服部『法哲学』(34) いま読んでいる箇所は、第4章 法と正義の基本問題 第5節 共同性と関係性 である。今回は、そのうち「負荷なき自我」をとりあげよう。平野は次のように書いている。 共同体論によれば、自由主義的な正義の理論は、何も…

ビッグブラザーがあなたを監視している 1984年より、2+2=5 である

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(19) 第4章 国家論の禁じ手を破る の続きである。 立岩は、「フーコーは、近代社会がどういう仕掛けでできているのか、どういうふうに仕組まれているかをよく記述している、権力と主体の関係についても、こ…

世代間倫理 恩返し 核廃棄物

加藤尚武『現代倫理学入門』(30) 第13章 現在の人間には未来の人間に対する義務があるか の続きである。 だから世代間倫理が成り立つための困難は、共通の価値観が不在だという点にあるのではない。利害関係があって、共通の価値観もあるはずである。…