浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

〇〇の音楽アラカルト

最近聴いた曲です。 1.靴音/川野夏美 www.youtube.com 2.秋止符/アリス www.youtube.com https://s.awa.fm/track/cccc431552d79c660c33 3.大事なものは目蓋の裏/KOKIA www.youtube.com

国士無双

久米郁男他『政治学』(38) 久しぶりに本書を読むことにする。 本人-代理人関係論(プリンシパル・エージェント理論、Principal-Agent Theory) 国会改革-委任の終わりか 日本官僚制論 迷える官僚 国士無双 利害調整 アイヒマン 今回は、第12章 官僚制…

朝の散歩

環境の変化により、このごろ朝の陽光を浴びることがめっきり少なくなった。これは良くない傾向だ。 これからは、「朝の散歩」(ウォーキング)をすることにしようかな。 今朝はたまたま、道路沿いにある畑の草花を眺めながら、そして町中(まちなか)に入っ…

☻ 人生に意味なんてあるわけないでしょ ☹

戸田山和久『哲学入門』(1) 読みたい本は多々あるのだが、本書もその1冊である。 哲学系としては、ジム・ホルト『世界はなぜ「ある」のか』の次にとりあげようかと思っていたのだが、忘れないようにここにメモしておこう。 本書の内容は、次の通りである…

「~は、陰謀論である」とまでは言えない

野矢茂樹『新版 論理トレーニング』(8) 今回から、第Ⅲ部 演繹 である。第7章 否定、第8章 条件構造、第9章 推論の技術 となっている。 冤罪 陰謀論 and の意味 野矢は「演繹」について次のように述べている。 演繹は、論証のための基本技術である。 正し…

輸出取引に係る消費税の処理は不合理ではないか?

神野直彦『財政学』(36) (前々回の続き) 1.輸出取引に係る消費税の処理 2.「消費税」再考 3.「輸出取引に係る消費税の処理」再考 4.取引高税の可能性 5.取引高税の逆進性 1.輸出取引に係る消費税の処理 今回は「輸出取引に係る消費税の処…

インボイス制度 → 個人事業主の受難(続)

神野直彦『財政学』(35) (前回の続き) 免税点制度 1.「消費税」と「売上税」と「付加価値税」 2.「消費税」という言葉の誤用 3.国税庁による「消費税」の説明は正しいか? 免税事業者の大部分は個人事業者や自営業者であり、一部小規模企業が含…

インボイス制度 → 個人事業主の受難

神野直彦『財政学』(34) 「インボイス制度」の導入(2023/10)が話題になっている(※)。今回は、第14章 生産物市場税の仕組みと実態 の続き(p.202~)であるが、インボイス制度にも言及がある。 (※)課税事業者が消費税を算定するにあたり、仕入控除…

「マイナンバー」考

マイナンバーカードと健康保険証の一体化(現行保険証は2024年秋に廃止)方針(更には運転免許証との一体化)が話題になっているが、ここでは「マイナンバー制度」の基本から理解することにしよう。 マイナンバー制度の目的 マイナンバー制度とは何であり、…

砂山くずし

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(38) 今回は、第4章 機械としての生命 第4節 さまざまな力学系モデル の続き「自己組織化臨界」(p.202~)である。 カウフマンは、「生物圏の共構築を支配する法則の候補」を、「カオスの縁」や「自…

青春の光と影

1.Musician of the Night/Zade Dirani www.youtube.com 2.아득히 먼 곳8/양혜승 www.youtube.com 3.Together/Giovanni Marradi www.youtube.com 4.Light And Shadow/Judyesther www.youtube.com

価値判断/規範を結論とする論証

野矢茂樹『新版 論理トレーニング』(7) https://classy-online.jp/fashion/176426/ 1.マスクをすべきである/マスクをする必要はない。(規範) 2.マスクを外しても美人である/美人ではない。(価値判断) この主張の根拠は何であるか? そして説得力は…

普遍化可能性の原理は、当為言明に妥当するのか?

井上達夫『共生の作法-会話としての正義-』(22) 「正義の理念が含意する禁止」、「集団的エゴイズム」の概念を念頭に、下の写真を見てみよう。 8日、キーウ(キエフ)の街角に飾られた「クリミア橋」爆破を描いたアート作品を前に記念撮影するウクラ…

「3歳児神話」と経済成長

香取照幸『教養としての社会保障』(31) 今回は、第9章【改革の方向性】「安心」を取り戻すために、どう改革を進めるべきか 第2節 持続可能な社会をつくる である。 香取は、次のようなことを述べている。 経済成長を遂げて日本社会と社会保障を維持する…

行動の原因帰属(個人の特性か環境か)と帰属バイアス

山岸俊男監修『社会心理学』(22) 前回は、第3章 社会の中の個人 のうち、「内発的動機付け」であった。次に「自己効力感*1」、「セルフ・モニタリング*2」と続くが、これは面白くないので省略する。 次は、第4章 対人認知と行動 である。最初に「対人認…

人生は夢の中

Mapa De Soledad/Jacob Gurevitsch www.youtube.com Dance Me to the End of Love/Leonard Cohen www.youtube.com Vision Intérieure/Michel Pépé www.youtube.com

ハッピー・リタイアメント ― 敬老の日の妄想

総務省は、「敬老の日」(2022/9/19)にちなんで、統計からみた高齢者の状況(人口及び就業状況)を公表した。 www.stat.go.jp 2022年の高齢者(65歳以上)の人口推計は、 ・総人口が減少する中で、高齢者人口は3627万人と過去最多 ・総人口(12471万人)に…

出版バイアス、介入の「波及効果」分析

伊藤公一朗『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』(13) 今回は、第7章 上級編:データ分析の不完全性や限界を知る の続き(p.249~)である。 外的妥当性[一般化可能性]の問題と関連して、「出版バイアス」と「パートナーシップ・バイアス」の問題…

『なぜ? どうして?』という謎に答えるには

野矢茂樹『新版 論理トレーニング』(6) 今回は、第Ⅱ部 論証 第5章 演繹と推測(p.71~)である。 演繹と推測はどう違うのだろうか? 演繹も推測も、ある事柄を根拠として何らかの結論を導くものである。 演繹と推測は、その使われる目的が全く異なってい…

競争から共創へ

アルフィ・コーン『競争社会をこえて』(30) 今回は、第5章 競争が人格をかたちづくるのだろうかー心理学的な考察 第2節 勝利、敗北、自尊心である。 コーンは、次のように述べている。(p.179) ①アメリカ社会のような競争社会においては、ふつう協力に…

秋晴れ

ブログ再開します。 これまでは、3日に1回を目処にブログ更新してきましたが、これはやめ「不定期」とします。 この頃、私事多忙なため、更新頻度は落ちます。 ********** 朝夕涼しくなってきました。 秋晴れの日に、公園に出かけるのもいいですね。 「日常…

夏休み

夏休みです。 ブログ更新を、今月いっぱい休みます。 Sweet Moments of Life www.youtube.com https://www.youtube.com/watch?v=NP9jT0zClD8 stef2012bg Paintings - Aleksander Averin Sweet moments of life - Arseniy Yakshiyants

ジュディエスター(Judyesther)(3)

カテゴリー「アート」は、「リアリティ」と「私たち」の間にあります。 各カテゴリーは、以下の内容を扱います。*1 ジュディエスター(Judyesther)の曲は、カテゴリー「アート」にふさわしいもののように思われます。 1.Those Beautiful Days www.youtube.c…

セル・オートマトン

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(37) 今回は、第4章 機械としての生命 第4節 さまざまな力学系モデル の続き(p.196~)である。 本節では、生命現象の「力学系モデル」として論じられてきた様々な古典的な理論(反応拡散系、散逸構…

秩序と無秩序、自己組織化

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(36) 今回は、第4章 機械としての生命 第4節 さまざまな力学系モデル(p.192~)である。 本節では、生命現象の「力学系モデル」として論じられてきた様々な古典的な理論の概略が説明されている。 シ…

異なる道の可能性、「あえて反論する」という方法

野矢茂樹『新版 論理トレーニング』(5) 今回は、第Ⅱ部 論証 第4章 論証の構造と評価 の続き(p.64~)である。 根拠となる主張の (1)意味規定、(2)事実認識については前回みたので、今回は (3)価値評価である。 (3)価値評価 価値評価に関わる主張には、…

根拠となるその主張は適切なのか?

野矢茂樹『新版 論理トレーニング』(4) 今回は、第Ⅱ部 論証 第4章 論証の構造と評価 である。 ここで「論証」とは、「なぜ」の問いかけに対して「なぜなら」と答えていく、日常的に為されるそうしたやり取りのことである。(p.56) 論証の構造 論証とは…

そのリンゴは赤くない ー「普遍化可能性」の議論

井上達夫『共生の作法-会話としての正義-』(21) 今回は、第2章 エゴイズム 第4節 ディケーの弁明 2 普遍化可能性(p.71~)である。(D:正義論者、E:エゴイスト。緑字は傍点の代わり) 正義理念の正当化の問題について、D(ディケー)は一つの例から…

QUATRO PHOTO DESIGN のWebサイトより

QUATRO PHOTO DESIGN のWebサイト(https://quatro-photodesign.com/)に、多くの作品が掲載されていますが、その中で私が「気に入った」ものの一部です。 太田好治 https://www.yoshiharuota.com/portfolio/ 関口史彦 http://fumihikosekiguchi.com/ 伊藤之…

André RieuとSchiller

最近聴いた曲の続きです。(「読書ノート」は休憩中) 1.Ballade pour Adeline/André Rieu www.youtube.com 2.Ein schöner Tag/Schiller www.youtube.com 3.The Second Waltz (official video 2020)/ André Rieu www.youtube.com 4.Ruhe/Schiller…