浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

土地は誰のものか?

あなたはどんな家に住んでいますか。…持家? 親の家に同居? マンション? 賃貸住宅?

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自分で家を建てようと思ったら、土地の購入から考えねばならない。そんな時、土地を持っているか持っていないかは不平等の象徴であるように感じられませんか。土地を持たざる者は、土地を持つものに対して、妬み・憤り・怨恨の感情を抱く。なぜなら、土地を持つ者は親から相続したか、親からの資金援助で手に入れたものが多く、また仮に独力で購入したのだとしても、それは一流大企業のサラリーマンか公務員だろう。(写真の建物は、土地代込みで 6000~8000万円位か? 年収の何倍になるだろう。)

そもそも土地は、人類生誕以前から存在しているのであり、その土地が誰のものなのかは決まっているわけではなかった。たまたま誰も住んでいないところに住みはじめたか、あるいは先住民を殺害したり追い出したりして(侵略して)そこを占拠したに過ぎない。そして地球が狭くなるにつれ、また埋蔵資源もからみ、流血の歴史が繰り返されてきた。今日ある程度落ち着いているのは、「返り血を浴びて立つ勝者」が定めた法によって、その私有財産が保護されているからであろう。

あなたが買おうとしている土地の相手が、殺人・詐欺によって得た土地を売ろうとしているのだとしても、そんなことは関係ないとして買いますか。相手が殺人・詐欺を犯していなくても、相手の相手がそうだとしたらどうしますか。どこまで遡りますか。…途中に相続や贈与がからんでくるが、最終的には、未開地の占有や侵略による占拠に至るだろう。

ところで、月や火星の土地は誰のものか。ある人(国)が、「月の土地は俺のものだ、それを認めない奴は殺す」と宣言し、実際に殺し始めたら、その人(国)のものになるのか。地球の土地所有の話も、これに随分と似ていると思いませんか。

なぜ土地を誰かの所有に帰せしめなければならないのか。…何のために土地を所有するのか。農耕地として使用したり、住宅を建ててそこに住んだり、店舗・工場・事務所をたてて企業活動を行ったりであろう。だったら、その使用の面に焦点をあてて法整備をしてもよいのではないか。

「土地は誰のものでもない」ということに同意できれば、個人(法人)の自由な売買や処分はあり得ないということになろう。

土地が誰かのものであるのはそのように取り決めたからであり、そうであるならば逆に、土地は誰のものでもないと取り決めることも可能なはずである。

以上の所論に対する有力な反論も想定されるが、まあ、ゆっくりと考えていきましょう。