浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

幻のSTAP細胞2  STAP細胞とは何か?(2)

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さて、これだけの予備知識をもっていれば、理研STAP細胞の解説資料「体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理を発見-細胞外刺激による細胞ストレスが高効率に万能細胞を誘導」(2014/1/29)をある程度理解することができると思われる。ところで現在理研のホームページではこの資料は削除されているので読むことができない。STAP細胞問題を理解するためには非常によくできた資料だと思うのだが…。しかし幸いなことに、このネット時代にはこの資料を読むことができる。

http://uu-life.com/Essay/photo-2/STAP_Riken-HP.pdf

http://megalodon.jp/2014-0305-2241-49/www.riken.jp/pr/press/2014/20140130_1/ 魚拓

なお、この発表資料を分かりやすく解説した「60秒でわかるプレスリリース」は、見つからなかった。

 

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資料では、次のような説明がある。(詳しく紹介しようと思ったが、煩雑になるのでやめた。興味ある方は、直接あたってみてください。ごく一部だけ引用します)

分化したリンパ球のみを分離した上、酸性溶液で刺激することで、2日以内に初期化が開始し、多能性マーカー(Oct4::GFP)の発現が認められた。7日後にはそれらの細胞は、細胞塊を形成した。

小保方研究ユニットリーダーは、このような細胞外刺激による体細胞からの多能性細胞への初期化現象を刺激惹起性多能性獲得(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency; STAPと略する)、生じた多能性細胞をSTAP細胞と名付けました。

 ここで多能性マーカー(Oct4::GFP)の発現(陽性)があると、緑色に発光するようにしてある(上図の2日目と3日目)。この緑色に発光する細胞(塊)が、小保方の名付けたSTAP細胞である。なお、STAP幹細胞については、次のように述べられている。(増殖能は、自己複製能と同じ意味)

 試験管内の培養ではSTAP細胞の増殖能が低いが、ACTH(副腎皮質刺激

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ホルモン)を含む培養液で数日間培養することで、増殖能の高い幹細胞(STAP幹細胞)へ転換される。

 最後の方に、研究成果のまとめと今後の展望があげられている。