浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

幻のSTAP細胞3 魔女狩り(1)

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http://www.huffingtonpost.com/suchitra-vijayan/taming-of-the-vamp_b_4624469.html

小保方は、2014/4/9の記者会見で「STAP細胞はあります。私自身STAP細胞は200回以上作製に成功しています」と発言し、その後何度も放映された。理研の「研究論文の疑義に関する調査委員会」が、小保方に研究不正行為があったと結論づけた後の記者会見であっただけに大きな注目を集めた。

私は、小保方のこの発言が何を意味するのか、ずっとわからないままであったが、このブログ記事を書くにあたり、そもそもSTAP細胞とは何かを勉強してはじめてわかった。結論を言えば、「私自身STAP細胞は200回以上作製に成功しています」に嘘偽りはない、と考えるのが妥当であるというものである。それまでは、小保方の「思い込み」だろうと考えていた。(真実はわからない)

 

小保方が緑色に発光する細胞を見たということは間違いないだろう。そしてその緑色に発光した細胞をSTAP細胞と名付けた。

2014/4からの検証実験の結果が2014/12/19に報告されたが(中身が良く理解できなくて、ほとんど読んでいないのだが)、小保方自身の検証結果において、「GFP 陽性細胞を含む細胞塊(STAP 様細胞塊)」が、出現頻度が少ないながらも確認されたとある。ここに「GFP 陽性細胞」とは、「緑色に発光する細胞」であって、これこそ、小保方がSTAP細胞と名付けたものではなかったか。

またこの検証実験において、「多能性細胞特異的分子マーカーによる多能性誘導の検証」というのがあるが、これは小保方が多能性判別に用いたものとは別のものであり、別の角度から多能性を検証したものであるから、小保方がSTAP細胞と名付けたものとは関係ない。従ってこれは小保方発言を嘘だという証拠にはならない。しかもこの検証において、わずかながら「多能性細胞特異的分子マーカーの遺伝子が発現しているSTAP 様細胞塊も確認された」というのは注目される。

なお、ここまでの話は、小保方の言うSTAP細胞が、「本当に」多能性のある細胞かどうかということとは関係ない

「小保方は論文を捏造した。実験ノートもいい加減で、データ管理も杜撰だ。研究者にあるまじき不正を働いた。涙の会見は演技だ。」というような意見の人が増えるきっかけとなったのは、理研の外部有識者を含む「研究論文の疑義に関する調査委員会」の報告(2014/3/31)であったと思う。委員会報告に対しては、小保方弁護側から不服申立がなされたが、再調査不要と判断されてしまった(2014/5/7不服申立てに関する審査の結果の報告)ことも大きい。

私のような素人が、この審査結果報告書を読めば、よく理解できないまま恐らく正しいのだろうと思ってしまう。そこには、外部有識者を含む調査委員会というものは、公正な調査をするだろうという先入観がある。さらに不正疑惑でやめた石井前委員長の代わりに、渡辺弁護士が委員長となっての審査結果報告だからなおさらである。(なお、2014/9/19に不正疑惑でやめた石井前委員長の予備調査の結果が発表されたが、不正なしとされた。その理由と小保方が不正とされた理由を比べてみるのも有益ではないかと思う。)

これで流れが決定的になった。小保方は、束の間の「リケジョ」の星から魔女になったのである。マスコミ、評論家、科学者、さらには分子生物学会、日本学術会議までが小保方バッシングに走った。魔女狩りである。