気の向くままに

形而上学・倫理学・法哲学・社会学・自然学・美学・その他諸々について書いてみたい幼稚園児のブログです。まあ、しかし焦らずにゆっくりと、気の向くままにいきましょう。

命の限りに 蝉(セミ)が鳴く

今回は、前半でいささか思考をめぐらし、後半で感傷的な解釈をしましょう。

 

私たちにお馴染みの蝉の種類とその鳴き方は、次の通りです。

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 http://siritai-zatugaku.com/archives/944.html (http://yahuhichi.com/archives/342.html)より

 

ちょっと、理科の知識を、

セミは、卵→幼虫→成虫という不完全変態をする虫である。(幼虫→蛹→成虫と、蛹を経るものを、完全変態という)

成虫期間は1-2週間ほどと言われていたが、これは成虫の飼育が困難ですぐ死んでしまうことからきた俗説で、野外では1ヶ月ほどとも言われている。さらに、幼虫として地下生活する期間は3-17年(アブラゼミは6年)に達し、短命どころか昆虫類でも上位に入る寿命の長さをもつ。

幼虫は太く鎌状に発達した前脚で木の根に沿って穴を掘り、長い口吻を木の根にさしこみ、道管より樹液を吸って成長する。地下といえどもモグラ、ケラ、ゴミムシなどの天敵がいる。

若い幼虫は全身が白く、目も退化しているが、終齢幼虫になると体が褐色になり、大きな白い複眼ができる。

晴れた日の夕方、目の黒い終齢幼虫は羽化をおこなうべく地上に出てきて周囲の樹などに登ってゆく。夕方地上に現れて日没後に羽化を始めるのは、夜の間に羽を伸ばし、敵の現れる朝までには飛翔できる状態にするためである。

羽化後の成虫の性成熟には雄雌共に日数を必要とする。オスはすぐに鳴けるわけではなく、数日間は小さな音しか出すことができない。ミンミンゼミの雌は、交尾直前になると、オスの鳴き声に合わせて腹部を伸縮させるようになる。オス成虫の腹腔内には音を出す発音筋と発音膜、音を大きくする共鳴室、腹弁などの発音器官が発達し、鳴いてメスを呼ぶ。(wikipediaより)

この記述から、次の点に注目したい。

  1. オスは、鳴いてメスを呼ぶ。
  2. 幼虫は、地下生活で、3-17年(アブラゼミは6年)、成虫は、野外で、1ヶ月ほど生きる。

 

まず、第1点目について、ある記事では、オスは自分のいる場所をメスに知らせるための求愛行動だという。これは、「客観的な」記述だろうか。「呼ぶ」とか「知らせる」とか「求愛」とかいう言葉は、オスの「意識的行動」であるかのような印象を与える。しかし、「鳴く」という行動は「無意識的行動」ではないか。「無意識的行動」ではないとすると、「鳴くことができるのだけれども、あえて鳴かない」ことがあるという証拠が必要だが、そういう証拠は見つかっているのだろうか(蝉の研究者に聞かないとわからない)。

蝉は早朝から交尾する。で、メスの交尾は生涯に一回だけ。オスは複数回の交尾が可能。性比は、ほぼ1:1だそうだから、メスに恵まれずHできないオスがいることに・・・さて、どのくらい?。

難しい数式でHできないオスの割合を論じているサイトによると、《 個体数が十分に多いとき、メスに巡り合えないオスのセミの割合はおよそ37% 》になるという。1/3強がHできない!。こりゃ必死に鳴くはずだ。

http://karintei69.exblog.jp/14307212/

これが事実だとすると、多様な生命の維持機構はなぜそのようになっているのか? との疑問がわく。生命進化の過程でそうなったのだと言われても、「生命進化」がどういう意味で言われているのかが明確になっていないと、質問はいつまでも続く。

 

第2点目について、幼虫時代が6年、成虫時代が1ヶ月とする。人生70年とすると、幼年時代が69年、成年時代が1年となる。子孫を残す最後の1年だけに注目するのはおかしいのではないか。69年の行動を見なくてはならない。彼らは何をしているのか。樹液を吸っている? 何のために? …人間とておなじこと。69年間*1、何のために、何をしている? 樹液を吸っている? セミか!

 

*****

 

科学(理科)の話は、どうにも「野暮」ですね。「風情」がない。「蝉が鳴く」ことの理科的知識(発音器官など)はあっても良いが、「蝉しぐれ」と感じたいですね。交尾の話は、「次の世代に命をつなぐ」話と受け止めたいですね。

 

セミといえば、幼少のころの「セミ捕り」を想い出します。木の下に行くと、ピタリと鳴きやみ、どこにとまっているのか覚らせない。見ているのか、音を察知しているのか、においなのか、いずれにせよ「気配」を感じる能力は素晴らしい。そこでこちらも「気配」を消し、そっと忍び寄る。居た! 素早く、たも*2をふりかざすが、逃げられた! 「おしっこ」をひっかけられて…。

ある日のこと、セミの抜け殻を見つけた。羽化のことは知っていたので、ちょっと感動的だった。(空蝉という言葉を知ったのはずっと後です)

 

空蝉 ebisu240809さんの作品(フォト蔵 

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http://photozou.jp/photo/show/1753608/239596041

 

堀内孝雄『空蝉(うつせみ)の家』

www.youtube.com

 

空蝉は、「時の流れ」を感じさせます。

何か「大事なもの」が失われつつあるように感じます。

「次の世代に命をつなぐ」ことはできるのでしょうか。

先のことを心配せずに「笑い合える」時代はくるのでしょうか。

 

*1:交尾の時間を除いて、計算してみてください

*2:魚や虫取り用の網のこと