長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(19)
今回は、第11章 知覚 のうち、「動きの知覚」である。専門用語の説明は、問題意識なく聞いても、右から左に抜けていくものだが、ちょっとだけ引用しておこう。
運動知覚
対象の動きの知覚、対象の位置の連続的な移動の知覚をいい、視覚的運動、触覚的運動、聴覚的運動などがある。もっとも典型的な知覚は視覚的運動で、運動視ともいわれ、(1)実際運動、(2)運動残像、(3)仮現運動、(4)自動運動、(5)誘導運動に分類される。
- 実際運動…刺激対象の動きが直接に運動として知覚される場合である。対象があまりに遅く動いたり、あまりに速すぎたりすると、運動は知覚されず、静止してみられる。
- 運動残像…視野の中で広い部分を占める一定方向へ移動する対象を持続して観察したあとで、静止した対象へ目を向けると、観察した運動とは反対方向に緩やかに動く残像をみることができる。
- 仮現運動…見かけの運動ともいう。二つの静止対象を短い時間間隔で続けて異なる場所に提示すると、一方の対象から他方の対象へ実際に運動しているかのようにみえる現象である。
- 自動運動…暗室内で静止した小光点を凝視すると、光点は静止しているのにもかかわらず、さまざまな方向へ動き出してみえる現象のこと。
- 誘導運動…流れる雲に月が囲まれると、雲が止まって月が逆向きに動いてみえる現象。…空間的枠組みとしての役割を担っているものが静止し、その内部に位置づけられているものが動いてみえやすくなる。(今井省吾、日本大百科全書)
運動視の錯視
「北岡明佳の錯視のページ」という興味深いWebサイトがある。ぜひ参照してみて下さい。(http://www.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/index-j.html)
この中の「運動視の錯視」から3つとりあげよう。
「凧」(動く錯視の作品集 29)
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/motion29.html
「二重螺旋」(拡大・縮小錯視15)
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/expcont15.html
「どんぐらこっこ」(波の錯視 8)
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/wave8.html
運動知覚のビデオ
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