浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

アローの不可能性定理 多数決 民主主義

加藤尚武『現代倫理学入門』(22) 前回の「囚人のジレンマ」に続き、「アローの不可能性定理」が取り上げられているので、これを理解しようと思ったのだが、なかなか難しい。今後ゆっくりと勉強することにして、思いついたことをメモしておこう。 アロー…

ストールマンのコピーレフト 著作物は「より優れたもの」にならなければならない

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(6) 塚越は、「コピーレフト」の概念について説明している。これはソフトウェアに限らない応用範囲の広い概念ではないかと思う。塚越の説明だけではちょっと分かりにくいので、今回は、wikipediaの説明を先にみておこ…

遺伝子 プログラム 天からの手紙

木下清一郎『心の起源』(3) 今回は、第1章 第2節「心が生まれてくるまでの道のり」の後半、「個体の誕生」、「心の誕生」、「利己的遺伝子」を取り上げよう。 個体の誕生 生命が誕生して長い時間が経つと、多くの細胞が集まった個体が現れてくる。多細…

サウンドの世界

岡田暁生『音楽の聴き方』(16) 岡田は、「構造的聴取」について次のように述べていた。(ジョン・ケージとサウンドスケープ(音風景)参照) (構造的聴取においては)個々の音は、それこそ言語と同じように、意味の担い手である。音による言語的/建築…

論理的推論 ウェイソンの「4枚カード問題」

伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』(8) ※ 「4枚カード問題」については、4枚カード問題(ウェイソン選択課題) 確証バイアス でもとりあげています。(2019/5/30) ※ 紛らわしい部分があり変更しました(前提P→前提R)。(2017/1/20) 今回の記事のメイン…

市場(3) 外部経済、外部不経済を考える

平野・亀本・服部『法哲学』(25) 前回、市場の失敗として、①独占・寡占、②外部性(外部経済、外部不経済)、③情報の非対称性、④公共財についてふれたが、今回はこのうち②の外部性について、もう少し詳しく見ておこう。 まず、外部経済・外部不経済とは、…

不平等論(6) 誤った二分法 乱暴に考えないこと

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(11) 何をするか、しないかを考える 立岩 第1点。何をするか、しないかを考えること。…人がスタートラインにつくときに自分が持ってる自分の身体以外の手持ちの部分をわりとフラットにしよう、そしたら結構…

バウハウス(建築の家)の芸術家たち

末永照和(監修)『20世紀の美術』(6) 1919年に、ドイツの建築家ヴァルター・グロピウスは、ワイマールにバウハウス(建築の家)と呼ぶ国立の美術工芸学校を創設した。バウハウスは、…産業と芸術との融和と協同を図り、生活に応用する道を探った。…多く…

「囚人のジレンマ」と「安全保障」(部族間の縄張り争い)

加藤尚武『現代倫理学入門』(21) 第10章は、「正直者が損をすることはどうしたら防げるか」で、「囚人のジレンマ」と「アローの不可能性定理」が扱われている。今回は、そのうち「囚人のジレンマ」を取り上げる。 本書の「囚人のジレンマ」は、全然面…

監視国家とジマーマンのPGP

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(5) 暗号技術をネットに放流-PGP暗号 暗号と戦争の長きにわたる歴史が証明するように、暗号は政治的に重要な位置を占めている。とすれば、暗号技術の独占は軍事力のバランスを非対称にし、強者による弱者の支配に直結…

生命はいかにして誕生したのか?

木下清一郎『心の起源』(2) 今回は、「心が生まれてくるまでの道のり」で、「核酸の出現」、「細胞の誕生」をとりあげる。以降、「個体の誕生」、「心の誕生」、「利己的遺伝子」と話が続く。 本書の記述に従い(生物学の専門的なことに立ち入らないで)…

Happy new age concert

ヤニー(Yanni、1954-)は、ギリシャ出身のシンセサイザー奏者、ピアニスト。ジャンルは、new age。 http://www.yanni.com/photos?ga=14 For All Seasons youtu.be Band Charlie Adams (USA) -- drums Victor Espinola (Paraguay) -- harp, vocals Pedro Eu…