浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

生物世界と物質世界とは、連続しているのか? 不連続なのか?

木下清一郎『心の起源』(17) 前回は、世界が開かれるための4条件(世界の始まりを考えるための4つの要請…特異点、基本要素、基本原理、自己展開)を、物質世界にあてはめてみたらどうなるかであった。次に、この4条件を生物世界にあてはめてみたらど…

デュエット曲(それぞれの人生) - 浮気者のために、酔わせてヨコハマ、自由、私をたどる物語、祈り、都会の天使たち

1.Pour un flirt www.youtube.com 2.酔わせてヨコハマ www.youtube.com 3.Լib℮rtà www.youtube.com 4.熊木杏里 X 武田鉄矢(海援隊) 「私をたどる物語」 www.youtube.com 5.The prayer www.youtube.com 6.都会の天使たち www.youtube.com (付…

どのように見えるか どのように見るか

伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』(21) 今回は、第5章 みんなで考え合う技術 第3節 立場の違いに起因する問題 の続きである。 本章は、みんなで考え合うには、どうすれば良いのかの話であるが、みんなで話し合う(議論する)技術と言い換えてもよい…

相互了解と合意の形成

平野・亀本・服部『法哲学』(38) 今回は、第4章 法と正義の基本問題 第6節 議論 の続きである。議論の理論は、民主主義を考える場合の最重要なテーマである。なお、今次衆院選により改憲勢力(自民党、公明党、希望の党、日本維新の会)が、国会発議に…

国家の責任

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(24)*1 稲葉は、「国家には、社会的に不利な状況に落ちた人、社会的弱者に対する責任はない」という。 本当に国家に責任はないのか 立岩 例えば、誰かが脚を折ったとか、その結果これこれがあって、というレ…

イサム・ノグチ モエレ沼公園

末永照和(監修)『20世紀の美術』(19) 今回は、第11章 20世紀後半の彫刻 である。 伝統的な彫刻概念を根本からゆるがすような基本的要素は、第2次大戦前のヨーロッパにおいて既に出そろっていた。キュビスムが先鞭をつけるアサンブラージュ*1は…

愛着障害 スキンシップがないと……

長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(2) 今回は、第3章 心の発達-乳幼児期の心理 のうち、「愛着」をとりあげよう。 あなたのまわりに次のような大人はいませんか? A1 傷つきやすい A2 怒りを感じると建設的な話し合いができない A3 過去…

大盛りねぎだくギョク 繋がりの社会性

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(18) 第4章 仮面の集団アニニマス の続きである。塚越は、ゲームフィケーション*1とスラックティビズム*2について述べているが、詳細は省略し(必要があれば、後で参照する)、次の要約のみ引用しておく。 ゲームフィ…

あなたは自分の親が寝たきりで、一人でものを食べられなくなったら、放置して死なせますか?

経産省 次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家」(5) 1歳11カ月の男児を乗用車内に放置し、熱中症で死なせたとして父親(パチンコをしていたという)が逮捕された、というニュースがあった。では、自分の親が寝たきりになり、一人で食事を…

世界が開かれるための4条件

木下清一郎『心の起源』(16) 今回より、第3章 「世界」とは何か である。木下は、本章冒頭で次のように言う。 議論を先へ進める前に、まずはっきりさせておかねばならぬことがある。物質世界を超えたところに生物世界が開かれ、生物世界を超えたところ…