浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

あなたを行動に駆り立てるものは何か?

長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(4) 今回は、第5章 動機づけと情動 にでてくる動機づけをとりあげる。 内発的動機 人間は感覚刺激が適度に変化していないと、正常に生きていけない。…動物は絶えず環境から情報を収集し、環境に働きかけ…

アノニマスは、なぜDDoS攻撃を仕掛けるのか?

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(20) 今回は、第5章 ハクティビズムはどこに向かうのか である。 ソニーの大規模個人情報流出事件 2011年4月のアノニマスによるソニーのプレイステーションネットワークに対するDDoS攻撃*1(これがソニーグループの1…

福井中2自殺 パワハラ教師と教育委員会の責任は? 調査報告書の「再発防止の提言」を読む

ハラスメント(2) https://picapickup.click/wp-content/uploads/2017/10/yakusokusoukan.jpg テレビドラマ「明日の約束」は、低視聴率*1らしいがなかなか面白い。「いじめ」をスクールカウンセラーの目からみた社会派ドラマ(というふれこみ)。私は、「…

自己増殖がかかえる矛盾

木下清一郎『心の起源』(18) 今回は、第3章 「世界」とは何か 第3節 自己増殖がかかえる矛盾 である。 自己触媒と自己複製 考えてみれば、自己触媒の働きとは随分と奇妙なものである。自己触媒とは自らの構造に依存した機能であるのに、その構造を変化…

音楽の中に「場の鼓動」を聴く

岡田暁生『音楽の聴き方』(25) 今回は、第5章 アマチュアの権利 の最後の部分である。 アマチュアは、プロが作り、プロが演奏する音楽を、作曲家自身が書いた解説を拝読しながら、黙々と拝聴するしかなくなる。自分で演奏して楽しむことも、それについ…

「独裁」と「結論を出せない民主主義」をどう調停すればよいのか?

伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』(22) 今回は、第5章 みんなで考え合う技術 第4節 クリティカルシンキングの倫理性 である。 地球温暖化に関して、次のような三段論法がある。 [式5-4] (大前提)温暖化への取り組みが遅れるのは望ましくないこと…

政治家・議員・公務員は、恣意的に権力を行使してはならない

平野・亀本・服部『法哲学』(39) 今回より、第5章 法的思考に入る。第1節は、法的思考とは何か である。 私は、「法」を「私たちが共によりよく生きていくためのルール」だと考えている。したがって、本章の「法的思考」もそのようなルールに関係する話…

貧富の差 成長か分配か?

稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(25) 前回で対談は終わりなのだが、補論がある。一つは稲葉の「経済成長の必要性について」であり、もう一つは立岩の「分配>成長? 稲葉「経済成長の必要性について」の後に」である。ここでは、稲葉の補論…

枡野俊明 セルリアンタワー東急ホテル日本庭園 閑坐庭

末永照和(監修)『20世紀の美術』(20) 本書ではとりあげていないが、前回の「イサム・ノグチ」との関連で、枡野俊明(ますの しゅんみょう、1953 - )をとりあげよう。枡野は、「日本の僧侶、作庭家。曹洞宗徳雄山建功寺住職、日本造園設計代表、多摩…

心の理論 あなたは相手の気持ちが理解できますか?

長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(3) 他者の心の状態を推測する 他者の心の状態(信念や欲求)を推測し、他者の行動を予測したり解釈したりする能力は「心の理論」と呼ばれる。(長谷川、本書) このような心の機能の有無を調べる実験の一…

オキュパイ・ラブ 人類の危機をラブ・ストーリーに変える

塚越健司『ハクティビズムとは何か』(19) 塚越は本章 仮面の集団アノニマス で、オキュパイ・ウォールストリートをとりあげているが、一部のアノニマスもこの運動に参加したという程度のようだ。しかし、このオキュパイ運動*1というのは興味深い。アノニ…

福井中2自殺 教師による「教育(指導)」と言う名の「虐待」

ハラスメント(1) https://www.ktv.jp/yakusoku/index.html (空にいる息子へ) :如月 2017年05月17日 あなたの誕生日に、ロックがかかって開けれなかったスマホが開けられました。 4千回以上のパスワードを入れ続け、やっと見れたスマホには 未送信のメー…