2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧
岡田暁生『音楽の聴き方』(24) アマチュアの領分(続き) 岡田は、アドルノ(1903-1969、ドイツの哲学者、社会学者、音楽評論家、作曲家)の連弾(1台の鍵盤楽器を複数人で同時に演奏すること)についてのエッセイ(「四手で、もう一度」)を引いた後、…
伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』(20) 前回、「事実関係をはっきりさせることが難しい政策決定一般にかかわる問題」として、次の3点があげられていた。 不確実な状況における推論の問題 立場の違いに起因する問題 クリティカルシンキングそのものの…
平野・亀本・服部『法哲学』(37) 今回は、第4章 法と正義の基本問題 第6節 議論 である。 ものごとを決めるにあたり、話し合い(議論)が重要だということは誰もが知っているだろう。しかし、この話し合い(議論)がどうあるべきか、ということを、ま…
稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(22) 今回も、第4章 国家論の禁じ手を破る 第2節 国家の存在理由 の続きである。 稲葉 ところで、不平等とか格差という現象の主要な発生原因の一つは当然、搾取・収奪、持っていたものを奪われる、横取りさ…
末永照和(監修)『20世紀の美術』(18) 今回は、第10章 視覚と認識の変革 のうち、「アースワーク」をとりあげる。 アースワーク 既存の芸術や社会体制から自由になろうとする欲求からパフォーマンスが生まれたのと相まって、「アースワーク」あるい…
長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(1) 第1章は、心理学とは-歴史と方法 なので省略し、第2章 心の進化-動物としての人間 から見ていくことにします。(なお、以下の引用は、「です、ます調」から「である調」に変更します。) 動物にも…
塚越健司『ハクティビズムとは何か』(17) 今回より、第4章 仮面の集団アニニマス である。アノニマスとはどういう集団であるか、ここでは次の解説を参照しよう。 インターネット上の匿名性や情報発信の自由を守ることを旗印に掲げ、これに制限や規制を加…
経産省 次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家」(4) まず、次の文章を読んでみて下さい。 父が、実家のリビングで母と私にこう言った。「あと1年持つかな……。たぶん、死んじゃっているよ。とにかく歩くのが容易じゃない。このごろ、トイ…
木下清一郎『心の起源』(15) 今回は、第2章 心の原点をたずねる 第6節 負の記憶・空白の記憶・正の記憶 である。これまでの「まとめ」でもある。 本節を読んで、木下の言わんとすることがようやく少し分かってきたような気がする。(以下に述べること…
Lara Fabian - Adagio www.youtube.com Lara Fabianのアダージョの一番人気は、おそらく https://www.youtube.com/watch?v=NAWQxIq-9-Q でしょう。(再生回数:450万回超) アダージョ(ゆったり、ゆるやか)とは、ちょっと違うような感じだが、それでもこの…
伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』(19) 今回から、第5章 みんなで考え合う技術 である。 合意に達しようとみんなで考えあう際には、少ない情報で判断を下さねばならないことが多い。さらに、事実についてのCT(クリティカルシンキング)と価値につ…
平野・亀本・服部『法哲学』(36) 第4章 法と正義の基本問題 第5節 共同体と関係性 の続きである。 前回は、「自由主義と共同体主義の主張のまとめ」のその1.「秩序原理」についてみた。今回は、2.人格概念~4.思想基盤についてみてみよう。 自由…
稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(21) 今回は、第4章 国家論の禁じ手を破る 第2節 国家の存在理由 の続きである。 稲葉は、相変わらず(学識を示したいのかどうか知らないが)ルーマンやらケルゼンやらシュミットやらの名前を出して何か話…