浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

統覚(心の世界を開く特異点)

木下清一郎『心の起源』(23) 今回は、第5章 心の世界を覗きみる 第1節 心をその働きからみる と 第2節特異点としての統覚 である。 心の働く「場」を構成している要素は、どうやら生物世界に属しているらしい。…心とは、その「場」をみる限りでは生物…

ダンス、ダンス、ダンス

平成24年度(2012年)より、中学校の授業で、ダンス(創作ダンス、フォークダンス、現代的なリズムのダンス[ヒップホップ・ロック等])が必修科目(「保健体育」の)になったそうだ。ふーん…… いまどきの中高生は、つぎのような曲が好きなんだろうね。 D…

人間の敗北である単なる事実を正義と言いなす

立岩真也『私的所有論』(5) 立岩は、決定の分散と集権について、次のように述べていた。所有の「初期値」をなぜ問題にしないのか? 参照。 決定の分散が決定の集権化よりも好ましいものだとしても、それはある特定の、例えばこの社会における分散された決…

「法の欠缺」(ルールの不存在)に、どう対処すべきか?

平野・亀本・服部『法哲学』(44) 今回は、第5章 法的思考 第2節 制定法の適用と解釈 第1項 法の解釈とは何か である。*1 ここで「法」を、いろいろな組織、団体、グループの決め事、行動の手順(仮に「ルール」と呼んでおく)と考えれば、ルールの解釈…

リベラリズム ロールズ ハイエク ノージック

久米郁男他『政治学』(5) 今回は、第3章 自由と自由主義 第3節 福祉国家型自由主義とその批判 である。 資本主義経済の発展は何をもたらしたか。 産業革命によってもたらされた本格的な資本主義経済の発展は、子どもや女性にまで及ぶ劣悪な労働条件の強…

デザインの社会性と普遍性

柏木博『デザインの教科書』(3) 柏木は、デザインを考える4つの視点を挙げていた。(1) 心地良さという要因、(2) 環境そして道具や装置を手なづける、(3) 趣味と美意識、(4) 地域・社会 である。 視点4 地域・社会 人々は、生活する地域に特有のデザイン…

うつ病 認知の歪みを正す

長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(8) 今回は、第9章 カウンセリングと心理療法 である。「心理療法」とは、どういう意味だろうか。前章で、「心理病理*1」について、原因からの心理病理の分類がされていた。 ①外因性(器質性)…脳血管性精…

「格差」の指標 「ジニ係数」を考える(2)

格差社会(2) 前回は、「所得格差」を表す代表的な指標とされる「ジニ係数」について、それがどのようにつくられるのかをみてきた。それは、ローレンツ曲線のカップを1つの数字として表現するものであった。日本の2017年度の実質経済成長率(見通し)は、1…

統覚(統合能力)とは

木下清一郎『心の起源』(22) 今回は、第4章 心のはたらく「場」 第3節 統覚なしには心は生まれない である。 統合能力の存在 自己回帰が働くと、瞬間の堆積はやがて時間となり、位置の堆積はやがて空間になると述べた(時空の特性)。また、原因と結果…

歳月は 心に積まれ 山と映り 歳月は 心に流れ 河を描く

1-1 感謝状 ~母へのメッセージ~/平内真矢 www.youtube.com 作詞:星野哲郎、作曲:弦哲也、(オリジナル歌手:島津亜矢) 1-2 山河/平内真矢 www.youtube.com 作詞:小椋佳、作曲:堀内孝雄、(オリジナル歌手:五木ひろし) 2-1 雲母坂~きららざか~/…

「労働→所有」図式 再起動(restart)によりバージョンアップする

立岩真也『私的所有論』(4) 今回は、第2章 私的所有の無根拠と根拠 の(注14)をとりあげる。 第1 この労働→所有の図式に乗った上で、個々の取り分を問題にする主張が大きな勢力としてあった(マルクス主義の搾取の議論)。…本来は自分に帰属すべき自分の…