浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

賃金構造基本統計調査 - 大企業の課長の年収はどれくらいか?

格差社会(4) 「格差」の話は、もう少しお預けにして、給与の統計を見ておこう。前回は、国税庁の「(平成28年)民間給与実態統計調査」(H29/9)であったが、今回は、厚労省の「(平成29 年)賃金構造基本統計調査」(H30/2)である。 これはどういう統計…

基本要素としての表象

木下清一郎『心の起源』(24) 本書は漫然と読んでいても面白くない。「人工物(機械、AI)は、心を持てるのか?」、「心の世界は、本当に存在するのか?」というような問いを持っていると面白いのではなかろうか。期待外れになるかもしれないが…。 今回…

おならをして、犬を叱る

あ https://www.pinterest.jp/pin/80642649548888093/?lp=true

展覧会の絵

「展覧会の絵」(Pictures at an Exhibition)は、ロシアの作曲家ムソグルスキー(Mussorgsky、1839-1881)によって作曲されたピアノ組曲である。親友ハルトマン(Hartmann、1834-1873)の遺作展で見た10枚の絵の印象を曲にしたものだという。 1.Alice Sar…

コモンズの悲劇

立岩真也『私的所有論』(6) 第2章 私的所有の無根拠と根拠 第3節 効果による正当化と正当化の不可能性 第3項に、共有地(コモンズ)の悲劇がとりあげられている。「コモンズの悲劇」といっても、ドラマティックな話ではない。しかし、「社会の有りよう」…

杓子定規な考え方を打破する

平野・亀本・服部『法哲学』(45) 今回は、第5章 法的思考 第2節 制定法の適用と解釈 第2項 解釈の技法 である。 この「解釈の技法」の話は、法解釈にとどまらず、円滑なコミュニケーションのためには、非常に有用な技法である。場合によっては、屁理屈…

貧困とセーフティネット 生活保護とスティグマ

久米郁男他『政治学』(6) 今回は、第4章 福祉国家 第1節 福祉国家の政策レパートリー である。 病気、老後の不安、失業、子育て等にどう対処するのかという話である。「そんなもの、関係ない」などと思っていると痛い目に合う。 本書は、福祉国家が提供…

生活を豊かにするデザイン  国立西洋美術館

柏木博『デザインの教科書』(4) 今回は、第3章 心地よさについて である。 生活を豊かにするデザイン…椅子やテーブルや食器などのデザインが暮らしを経済的に豊かにするとは誰も思わない。したがって、この「豊かさ」は、メンタルな豊かさということにな…

心の扉はノブが内側にしか付いてはいない。だから、真正面からの正攻法では、相手は心の扉を開いてはくれません。

長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(9) 今回は、第9章 カウンセリングと心理療法 のうち、「クライエント中心療法」をとりあげよう。最初、本書やwikipediaや脳科学辞典の説明を読んでも、興味を持てないのでパスしようと思ったのだが、まと…

民間給与実態統計調査 - あなたの給与はどのレベル?

格差社会(3)*1 私たちは、社会生活を送るにあたり(世の中で生きていくためには)、それなりの「衣・食・住」を必要とする。必要な衣食住は「お金」を媒介として得られる。その「お金」は、多くの人にとって、会社等で働くことによって得られる。それは「…