浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

日本では、立法・行政・司法(三権)は分立していなくて、癒着しているのではないか?

久米郁男他『政治学』(26) 今回から、第2部 統治の効率-代理人の設計 第10章 議会 に入るが、本書を読む前に、権力分立について概観しておきたい。 おそらく教科書的な解説は、次のようなものであろう。 権力の濫用を防止し、国民の政治的自由を保障す…

「ウィーン地下鉄の改札口」が意味するものとは?

長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(33) 前回の「認知症」は病気なのか? の続きを書こうと思っていたのだが、これは別記事とし、本書に戻る。 残りは、第17章 社会のなかの人、第18章 心と社会 であり、これは「社会心理学」のカテゴリー…

レリーフと壁

レリーフ(浮彫り)とは、 元来は、丸彫りや透(すかし)彫りに対応する彫刻の形式あるいはその技術の意であるが、転じて事物を際だたせて表現することの意味にも用いられる。 図柄部分を盛り上げる通常の浮彫りを陽刻とよぶのに対し、彫り込んで窪(くぼ)ませ…

人口減少、少子化、高齢化の衝撃

香取照幸『教養としての社会保障』(8) 第4章 変調する社会・経済-人口減少、少子化、高齢化で「安心」が揺らぎ始めた の目次は、次の通りである。 (1) 人口減少、少子化、高齢化の衝撃 (2) 人口オーナスとライフスタイルの変化 (3) 経済縮小と消費縮小…

「競争」は教え込まれたものではないか?

アルフィ・コーン『競争社会をこえて』(7) 今回は、第2章 競争は避けられないものなのだろうか 第4節 競争から学習するのか、それとも協力から学習するのか(p.40~) である。 本節のタイトルは意味不明である。「学習する」というが何を学習するのだ…

微生物マットはいかなる機械であるか?

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(15) 今回は、第2章 生物学の成立構造 第2節 「生物学」の登場 である。山口は、前節(「物質と生命」という区分)では、生命をめぐる諸概念の成立構造を検討してきたが、本節では生命理解の歴史的な…

自己決定と過剰医療

立岩真也『私的所有論』(25) 今回は、第4章 他者 第3節 自己決定 の第6項 「条件を問題にするということ」である。(テーマは「自己決定」であり、第1項から第5項の議論*1を思い起こそう。) 最初の部分は省略して、「医療の場」を例に議論を進めて…

サックスの楽曲8選

YYJT(26) 下の写真は、アルトサックスとテナーサックスですが、どちらがどちらでしょうか。 (答えは、こちら→)https://www.nonaka.com/saxophone/family.jsp あれこれ言わずに*1、サクソフォン(サックス)の曲を聴いてみましょう。 この画像は、下の動画…

原則と例外 どちらが重要か?

神野直彦『財政学』(11) 今回は、第8章 予算制度の構造と機能 の続きである。 財政法では、予算の内容を、①予算総則、②歳入歳出予算、③継続費、④繰越明許費、⑤国庫債務負担行為、という5つに規定しているのだったが、今回は③以降をみる。 本書の説明を…