浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

スキーマとスキーム

長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(23) 今回は、第12章 記憶 のうち、「知識とスキーマ」をとりあげる 私は「心理学」を試験勉強しているのではなく、人間心理や認知機構に興味があるので、本書の叙述にしたがい、基本用語をとりあげてい…

障害の社会モデル 評価と承認

阿部彩『弱者の居場所がない社会-貧困・格差と社会的包摂』(9) 阿部は、次のように述べていた。 この考え[貧困は自己責任であるという発想]には、彼らの生活困難はそもそも彼らが社会に貢献できるような労働市場における条件整備が出来ていないからで…

生物とは「情報機械」なのか?

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(7) 今回は、第1章 生命科学の急発展と「遺伝子」概念の揺らぎ 第3節 ネットワークとしての生命 第2項 システム生物学の登場 である。 バイオインフォマティクス(生命情報学) 金子邦彦は、遺伝子・…

私がブログを継続している理由 井蛙、夏虫、曲士

先日、久しぶりに、大型書店に出かけた。本のタイトルや中身をパラパラと見るのだが、そこでいつも「私は、井蛙であり、夏虫であり、曲士である」ことを思い知らされる。 私のブログの副題は、「井蛙には以って海を語るべからず、夏虫には以て冰を語るべから…

音楽と絵画のコラボレーション(邦楽)

YYJT(19) 音楽と絵画のコラボレーションの邦楽版です。(洋楽版は、音楽と絵画のコラボレーション(洋楽)を参照ください。) 私の好みで、曲&画像のすぐれていると思われるものをピックアップしてみました。 1.南かなこ『雨のミッドナイトステーション』…

私が制御しないもの、「自然」があることにおいて、私たちは生を享受している?

立岩真也『私的所有論』(17) 今回は、第4章 他者 第1節 他者という存在 第4項 「自然」である。 「操作しない」という主張は、操作することに対する恐れ、畏れのようなものとして表出されることもある。これまで幾度もそうであったように、短期的・部…

人間性回復の経済学

神野直彦『財政学』(2) 今回は、第1編 財政学のパースペクティブ 第2章 財政と三つのサブシステム である。 人間性回復の経済学 神野は、財政学を「人間性回復の経済学」と言っている。何故かというと、経済学は 人間を、苦楽を一瞬のうちに計算する「機…

主権国家と国民国家 クラズナーの主権概念

久米郁男他『政治学』(17) 今回は、第7章 国内社会と国際関係 第2節 国民国家システムの形成と拡大 の続きである。 前回、「主権国家システムの形成」について説明があったが、復習しておこう。 ウェストファリア条約(1648年)を契機として、諸国家は…

夜霧のハウスマヌカン ブラックマネキン

デザイン(4) かつて、『夜霧のハウスマヌカン』という歌がヒットした。 やや 「夜霧のハウスマヌカン」 「ハウスマヌカン」というのは今では死語になっているかもしれないが、英 house+仏 mannequin の造語である。ブティックやアパレルショップで、その…