浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「野蛮な社会」と「すべての人が暮らしやすい社会」

阿部彩『弱者の居場所がない社会-貧困・格差と社会的包摂』(10) 今回は、第5章 包摂政策を考える 第3節 社会のユニバーサル・デザイン化 の続き である。 ベーシック・インカム ベーシック・インカムとは、基本的な生活を保障する一律の給付を、すべ…

ネットワークの構造(1) スケールフリーとは?

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(8) 今回は、第1章 生命科学の急発展と「遺伝子」概念の揺らぎ 第3節 ネットワークとしての生命 第3項 ネットワークの構造 である。山口は、前項「システム生物学の登場」の最後のほうで、生物学研究…

人間中心主義

立岩真也『私的所有論』(18) 今回は、第4章 他者 の注6*1「人間中心主義」である。 人間中心主義Aは、生存のための資源という視点から自然に対する。「道具主義的人間中心主義」と呼んでもよい。だから自然を改変する。しかし、生存のために自然を(…

花見の話題あれこれ

鹿と桜 Tetsushi Kimuraさんの作品 桜と少女 モデルは西野七瀬さん http://toriizaka46.jp/wp-content/uploads/2015/08/maxresdefault2.jpg サクラ〜卒業できなかった君へ/半崎美子 SAKURA/いきものがかり 花衣 ① 桜襲(さくらがさね)の衣。表は白、裏は葡…

エッケ・ホモ(この人を見よ)

神野直彦『財政学』(3) 今回は、第2章 財政と三つのサブシステム の続きである。三つのサブシステムとは、社会システム、政治システム、経済システムである。神野はシステム*1という言葉を多用しているが、これは理解を曖昧にするもののように思えるので…

リアリズム(現実主義)、リベラリズム(自由主義)

久米郁男他『政治学』(18) 第2節の最後に、現代の国際システムは、17,18世紀の国際システムからかなり変容を遂げているとして、国民国家の数の増大、地理的範囲の地球大への拡大、国民国家(主権が国民に帰属)がほとんどを占めること、国際関係に影響…

黒のイメージ

デザイン(5) 1.我々は黒を尊重しなくてはならない。なにものも黒を汚すことはできない。(ルドン) NHK日曜美術館で、「見えないものを見る~オディロン・ルドンのまなざし~」が放送された(2018/4/8)。 「起源」 Ⅱ. おそらく花の中に最初の視覚が試み…