浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

M字カーブ(女性の労働力率)を考える

香取照幸『教養としての社会保障』(11) 今回は、第4章 変調する社会・経済 第2節人口オーナスとライフスタイルの変化 の続きである。 人口ボーナス・人口オーナス(「少子高齢化」を言い換えたものと考えてよい)と社会保障の関係については、次図がそ…

「桜を見る会」問題 - 「饅頭」食らって、屍臭を放つ

「桜を見る会」問題(7) 小田嶋隆は、コラム記事で、黒川東京高検検事長の定年延長に関する人事院の松尾恵美子給与局長の答弁をとりあげていた。 10人の部下を持つ人間がウソをつくと、10人のウソつきが誕生する(小田嶋隆) 松尾局長が、「つい言い間違え…

「我々のアイデンティティは、社会的な世界の関数である」は、何を含意するか?

アルフィ・コーン『競争社会をこえて』(10) 今回は、第2章 競争は避けられないものなのだろうか 第6節 不可避性をめぐる心理学の議論(p.65~)である。 コーンは、最初に「フロイト[1856-1939、精神科医]のモデルを受け入れる人は競争が避けがたいも…

「桜を見る会」問題 - ご飯論法、ANAインターコンチネンタルホテル東京の広報

「桜を見る会」問題(6) 法政大学の上西充子教授は、「ご飯論法」の言葉を生むきっかけの指摘をしたことで知られる。*1 Q「朝ごはんは食べなかったんですか」 A「ご飯は食べませんでした(パンは食べましたがそれは黙っておきます)」 Q「何も食べなかった…

生気論とアニミズム 風は生命である(?)

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(18) 今回は、第2章 生物学の成立構造 第2節 「生物学」の登場 の続きで、「生気論」についてである。 前回記事の最後の部分を再掲しよう。 「存在の大いなる連鎖」から「生物学」へ 博物学は、鉱物と…

遺伝子操作技術の功罪

立岩真也『私的所有論』(28) 体調不良で1週間の休みとなりました。新型コロナウィルス感染かと思いましたが、食あたりでした。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 今回は、第4章 他者 第4節 技術について [4]離脱? を予定していたが、立岩の言わんとすることがよく分からな…

「桜を見る会」問題 政治家の資質

「桜を見る会」問題(5) 「桜を見る会」で、何を問題とすべきなのだろうか? 私は、(1)政治家の資質、(2)国家公務員の資質、(3)立法と行政の関係 を問題にすべきではないかと考えている。しかし、これらを本格的に論じるほどの素養がないので、断片的に、…

ジーン・マーク・シュテーレ(Jean Marc Staehle)

YYJT(27) 「意味」を求めることなく、ただ「在る」… 1.Broceliande Jean-Marc Staehle : Brocéliande 2.Le Messager Bienveillant Le Messager Bienveillant - Jean - Marc Staehle 3.Les fees de la Foret Jean-Marc Staehle : Les fées de la Forêt

「正義よりも平和を」の意味

井上達夫『共生の作法-会話としての正義-』(2) 井上は、「正義」に対して嫌悪を抱くような感情の3つの要因を挙げていた。 「正義よりも平和を」というスローガンに要約される発想。諦観的平和主義 正義に関するあらゆる思弁は、その本質において、支配…

「桜を見る会」問題  若手議員(石垣のりこ、山添拓)による質疑応答

「桜を見る会」問題(4) 参議院予算委員会での若手議員2人の質疑応答は、なかなかの見ものでした。 色眼鏡を外して(所属政党による判断をしないで)見て下さい。 1.石垣のりこ 【国会中継】石垣のりこ 2020年1月29日 参議院予算委員会 石垣のりこ…日本…