浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

概算要求から予算案提出まで

神野直彦『財政学』(17) https://www.mirasapo.jp/budget/guide/process.html 予算過程は、(1)編成過程(立案過程と決定過程)、(2)執行過程、(3)決算過程に区分される。 予算編成の立案過程について、神野は「転倒する立案過程」と呼んでいる。これは、…

COVID-19:「症状なき感染者」は、「未病」である。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(23) COVID-19を広い視野で考えるために、前回に引き続き「病気」について少し勉強しよう。 ■正しく恐れる ■冷静な頭脳と温かい心 病気の3つのカテゴリー 医師で医学博士の岡本裕は、病気は3つのカテ…

行政機関が規範を定立して良いのか?

浦部法穂『全訂 憲法学教室』(4) 今回は、第7章 国民主権 第4節 国会 1国会の地位と性格 の続き(p.525~)である。 国会は、国権の最高機関であり、唯一の立法機関である 国会は、「国権の最高機関」である。…国会中心主義の統治システムを宣言したも…

COVID-19:「感染者」は「疾病の患者」なのか?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(22) COVID-19とは、Corona-virus disease 2019の略であり、 <2019年に発見されたコロナウイルス(SARS-CoV-2)を原因とした疾病(disease)> である。 以前より落ち着いたとはいえ、日々「感染者数…

リスキー・シフトとコーシャス・シフト

山岸俊男監修『社会心理学』(5) 今回は、第2章 社会心理学の歴史的な実験 のうち、「認知的不協和実験」が順番であるが、第3章で説明があるようなのでパスし、「リスキー・シフト実験」をとりあげる。(リスキー・シフトは、ストーナーが1961年に提唱し…

COVID-19:ユヴァル・ノア・ハラリの論考(3)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(21) 今回は、「新型コロナウイルスで、死に対する私たちの態度は変わるだろうか? 否、じつはその正反対だ」 (2020/4/20 「ガーディアン」紙)(訳:柴田裕之)です。 ハラリは、「新型コロナウイル…

牧野貴の映像作品 2002-2017

牧野貴の作品紹介 Makino Takashi Films 2002-2017 Excerpt (2002) EVE (2006) No is E (2008) still in cosmos (2008) while we are here (2011) Generator (2013) 2012 (2015) Origin of the Dreams (2015) Cinéma Concret (2016) The Picture From Darkne…

COVID-19:制御された状況下での感染は許容する

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(20) 今回は、分子ウイルス学・免疫学研究者である峰宗太郎氏へのインタビュー記事(日経BP、2020年5月29日、「神風は吹かない、でも日本は負けないよ」)を読むことにします。 引用中、(Y)は日経ビジ…

人口減少への対応策

香取照幸『教養としての社会保障』(13) 今回は、第4章 変調する社会・経済 第2節 人口オーナスとライフスタイルの変化 の続きと、第3節 経済縮小と消費縮小 である。 年金制度の社会的意義 人間いつ死ぬか分からないので、長生きすることを前提に蓄え…

COVID-19: ユヴァル・ノア・ハラリの論考(2)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(19) 今回は、新型コロナウイルス後の世界 ― この嵐もやがて去る。だが、今行なう選択が、長年に及ぶ変化を私たちの生活にもたらしうる (2020/3/20 「フィナンシャル・タイムズ」紙)(訳:柴田裕之)…