浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

COVID-19:国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(63)-「指定感染症」から「新型インフルエンザ等感染症」へ(3) ※ 当ブログのCOVID-19関連記事リンク集 → https://shoyo3.hatenablog.com/entry/2021/05/06/210000 新型コロナウイルス感染症は、「…

アイヒマン実験(2)- 社会的勢力(social power)

山岸俊男監修『社会心理学』(11) 今回は、第2章 社会心理学の歴史的な実験 のうち「アイヒマン実験」の続きである。 アイヒマン実験(=ミルグラムの「服従実験」:被験者の65%が、危険=過激なショック をさらに超えた強さの450ボルトまでスイッチを入…

人形芝居 ― カスバ、イスタンブール、五番街、マラケシュ

藤圭子 アルジェのカスバ 庄野真代 イスタンブール 五番街のマリー マラケシュ 1.カスバの女/藤圭子 www.youtube.com 2.飛んでイスタンブール/庄野真代 www.youtube.com 3.五番街のマリーへ/あさみちゆき www.youtube.com 4.マラケシュの人形芝居…

「医療・福祉」産業の就業者数は、1000万人近い!

香取照幸『教養としての社会保障』(19) 今回は、第5章 社会保障はGDPの5分の1を占める巨大市場 第2節 経済を支える社会保障 の続きと第3節貯蓄から消費へ である。 経済を支える社会保障 香取は、2002年から2011年までの「主な産業別就業者数の推移」…

COVID-19:感染症法と検疫法における具体的な措置

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(62)-「指定感染症」から「新型インフルエンザ等感染症」へ(2) ※ 当ブログのCOVID-19関連記事リンク集 → https://shoyo3.hatenablog.com/entry/2021/05/06/210000 新型コロナウイルス感染症は、「…

疫病と「融通念仏縁起絵巻」

日曜美術館「疫病をこえて 人は何を描いてきたか」(2020/4/19)で、「融通念仏縁起絵巻」が紹介されていた。これは、天然痘の蔓延の様子を描いたもので、「仏の加護により押し寄せた疫病を払いのける事ができた」という物語であるそうだ。 融通念仏縁起絵巻*1…

原因、結果、文脈などが等閑視されている

アルフィ・コーン『競争社会をこえて』(18) 今回は、第3章 競争はより生産的なものなのだろうか-協働の報酬 第3節 生産性-個人主義的な発想をこえて(p.108~)である。 コーンは問う。 ここに2人の飢えた人間がおり、1人分の食事があるとしよう。こ…

自己増殖オートマトン

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(26) 今回も、第3章 二つの遺伝子 第2節 分子生物学における遺伝子概念の展開 の続き(p.136~)である。 自己増殖のパラドックス 自己増殖というのは、論理的にはちょっとしたパラドックスである、…

COVID-19:「指定感染症」制定前の状況

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(61)-「指定感染症」から「新型インフルエンザ等感染症」へ(1) ※ 当ブログのCOVID-19関連記事リンク集 → https://shoyo3.hatenablog.com/entry/2021/05/06/210000 新型コロナウイルス感染症を、「…

なぜ何もないのではなく、何かがあるのか?

ジム・ホルト『世界はなぜ「ある」のか』(1) 最近(といっても、1~2年前)、BOOK-OFFでウロウロして、目についたのがこの本である。ジム・ホルトという名前は知らなかったが、タイトルにひかれた。本のタイトルは大事です。 ジム・ホルトはアメリカの…

いったん中断

立岩真也『私的所有論』 本書をまだ半分も読んでいないのだが、いったん中断する。 第6章 個体への政治 第7章 代わりの道と行き止まり 第8章 能力主義を否定する能力主義の肯定 第9章 正しい優生学とつきあう いずれも興味をそそるタイトルであるが、「気分…

等しきものは等しく、不等なるものは不等に扱わるべし

井上達夫『共生の作法-会話としての正義-』(10) 今回は、第2章 エゴイズム 第2節 形式的正義の「内容」の続きである。 正義の理念を定式化する最も有名な命題は「等しきものは等しく、不等なるものは不等に扱わるべし」である。この命題は、何が等し…