浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

書を捨てよ、町へ出よう

言葉(5) 「書を捨てよ、町へ出よう」とは、寺山修司による評論集のタイトルですが、私がここでイメージしているものは、それと関係がありません。 https://www.lagroupstudio.com/?lightbox=dataItem-kbyzvd2v4 https://one-scene.com/stories/66 https:/…

個別消費税と一般消費税

神野直彦『財政学』(33) 今回は、第14章 生産物市場税の仕組みと実態 (p.199~)をとりあげる。 生産物市場税 生産物市場税は、関税と内国消費税に分けられる。内国消費税は、個別消費税と一般消費税とに分けられる。 個別消費税は特定の生産物に課税さ…

現象を前にして、どのような理解枠組を設定するか?

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(35) 今回は、第4章 機械としての生命 第3節 自己増殖する機械 の続き(p.187~)である。 科学的知識の創造性 ある分子を「プログラム」として理解すること(あるいは生命を「情報機械」として理解す…

アートとしてのダンス

さきおととい(5/18)のテレビで「優勝賞金1000万円!ダンス日本一決定戦!THE DANCE DAY」が放送されていて、見るとは無しに見ていたのだが、全く私の趣味に合わなかった。藤井創太*1・中村安里組の社交ダンス(競技ダンス)も私の好みではない。社交ダンス…

議論の構造の基本形式

野矢茂樹『新版 論理トレーニング』(3) 今回は、第Ⅰ編 接続の論理 第3章 議論の組み立て である。 接続表現 文章は、既にそれを理解している人と、これからそれを理解しようとしている人とでは、異なった見え方をする。理解した目には、その理解が投影さ…

「正義の原則」による正当化と妥協

井上達夫『共生の作法-会話としての正義-』(20) 今回は、第2章 エゴイズム 第4節 ディケーの弁明 1「正義は最善の政策」か の続き(p.69~)である。(D:正義論者、E:エゴイスト。緑字は傍点の代わり) E:いや見事な議論だった。思わず聞き惚れてし…

データ分析をビジネス戦略や政策形成に生かすための鍵

伊藤公一朗『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』(11) 今回は、第6章 実践編:データ分析をビジネスや政策形成に生かすためには?(p.202~)である。 エビデンスに基づく政策形成 アメリカでは数年前から、オバマ前大統領がエビデンス(証拠)に基づ…

中之条ビエンナーレ2021

中之条ビエンナーレ2021*1の参加アーティスト一覧から、一部を画像検索した結果、ちょっと気になったのが以下の作品です。*2 1.三野 綾子 https://nakanojo-biennale.com/artist/ayaco-mino 2.ホコリ・コンピューティング https://nakanojo-biennale.com…

行政官の心得

香取照幸『教養としての社会保障』(29) 今回は、第8章 【新たな発展モデル】北欧諸国の成功モデルから学べること 第3節 目指すのは「安心と成長の両立」の続きと、第9章 【改革の方向性】「安心」を取り戻すために、どう改革を進めるべきか である。 ま…

公共事業(施設)を、民営化することによって、コスト削減・質の高い公共サービスが可能になるのか?

久米郁男他『政治学』(36) 今回は、第12章 官僚制 第1節 NPMの中の官僚制 の続き(p.235~)である。 NPM(New Public management)の具体例として、①市場化テスト、②エージェンシー、③PFIがあげられていたが、今回は、③PFIを見てみよう。 PFIとは…