今回は「色」の話です。「蘇芳色」というのがあります。「蘇芳」を何と読むのかですが、これは「スオウ」と読むそうです。読み方の話は後でするとして、まず「蘇芳色」というのがどういう色なのか見ておきましょう。
「花蘇芳」の写真を見てください。これはフォト蔵にアップされているkumichiさんの作品です。
http://photozou.jp/photo/photo_only/157896/19887959?size=1024#content
植物図鑑に載っているようなものとは、全然ちがいます。この構図、色合い、…いいですね。
蘇芳とは、wikipediaによると
インド・マレー原産のマメ科の染料植物(マレー名sapang・中国読みsufang)を指す。
蘇芳は、この中国読みの当て字でしょうから、日本語としては「ソホウ」と読めばよいように思うのですが、記憶力テストのために「スオウ」と読むようにしているのでしょうかね。なお、「蘇」は、しそ(紫蘇)の「蘇」と同じですね。
蘇芳色(すおういろ)とは黒味を帯びた赤色。蘇方色、蘇枋色とも書く。蘇芳とは染料となる植物の名前で、この色はこれをアルカリ性水溶液で媒染したもの。今昔物語では凝固しかけた血液の表現にも使われている。心材[樹木の材の中心に近い部分]や莢(さや)にブラジリンと言う赤色色素を含み、この色素を用いて明礬(みょうばん)で媒染すると赤色、木灰(きばい/もっかい)などのアルカリ性水溶液だと色見本に似た赤紫、鉄を用いると黒っぽい紫(似紫)に染め上がる。日本には奈良時代頃に渡来し、独立した染料としても、紅や紫根の代用品としても貴族社会で非常に愛好された。伝来して後は、蘇芳花あるいは蘇芳泡と呼ばれる日本画の絵具としても使われており、紅と同じく心材を煎じ詰めたものを陶器などに塗って乾燥させて用いる。
蛇足ですが、
花蘇芳は、マメ科ジャケツイバラ亜科ではあるもののマメ科の中で大きく離れており、あまり近縁ではない。花蘇芳は春先に咲く花を鑑賞する目的で栽培される花木であり、染料は採らない。
上の写真は、2009年4月9日に撮影されています。
この蘇芳色を見ると、「ワインレッド」が思い浮かびます。
色名に、バーガンディー(Burgundy)というのがあります。
色名の一つ。JISの色彩規格では「ごく暗い紫みの赤」としている。バーガンディーはフランス東部の地方ブルゴーニュ(bourgogne)の英名。一般に、ブルゴーニュ産赤ワインのような濃い紫をさす。ワインカラーのなかで最も深い色とされる。ワインレッドはもっと明るい。またボルドー産のワインの色名はボルドーで、こちらもバーガンディーよりわずかに明るい。(色名がわかる辞典)
ブルゴーニュワインは有名ですね。
ボルドーワインが複数種のぶどうをブレンドしてつくるのに対し、白ならシャルドネ種、赤ならピノ・ノワール種というように、基本的に単一のぶどう品種のみでつくる。フルーティーで心地よい酸味のある華やかな味わいが持ち味とされ、「ワインの王」と称される。(飲み物がわかる辞典)
色名に、マルサラ(Marsala)というのもあります。マルサラワインの色です。
マルサラワインとは、イタリア・シチリア島の西部マルサラ市周辺に産する酒精強化ワイン。西洋料理の調味料としても用いる。アルコール度数は15~20度程度。(飲み物がわかる辞典)
http://matome.naver.jp/odai/2142671860264678901
マルサラカラーは、2015年の流行色だったそうです。(深いワイン色を大人っぽく着こなそう!)
私は、ワインに全然詳しくないのですが、「品種によって、熟成によって、産地によって、さまざまな色があり微妙な色の違いがある」そうです。(http://www.akikotomoda.com/lecture/?p=3551)
安全地帯の「ワインレッドの心」