浮動点から世界を見つめる (旧:気の向くままに)

井蛙は以って海を語るべからず、夏虫は以て冰を語るべからず、曲士は以て道を語るべからず

セックスワーカーから繊維工場労働者へ ファストファッションの光と影 エシカル・ファッション

次の動画をご覧ください。エシカルファッション(ethical fashion)の話です。


鎌田安里紗「ベルリンの社会派ファッションショー」 エシカルファッションについて [モーニングCROSS]

 

2013年4月、バングラデシュの首都ダッカのラナ・プラザという縫製工場が倒壊し、死者1,100人以上、負傷者2,500人以上が出たという話を覚えておいてください。

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エシカル・ファッションショー

次に、「世界フェアトレード・デー・なごや2012」でのエシカル・ファッションショーを見てみましょう。

なお、フェアトレードとは、

日本では途上国で生産された日用品や食料品が、驚くほど安い価格で販売されていることがあります。一方、生産国ではその安さを生み出すため、正当な対価が生産者に支払われなかったり、生産性を上げるために必要以上の農薬が使用され環境が破壊されたり、生産する人の健康に害を及ぼしたりといった事態が起こっています

生産者が美味しくて品質の良いものを作り続けていくためには、生産者の労働環境や生活水準が保証され、また自然環境にもやさしい配慮がなされる持続可能な取引のサイクルを作っていくことが重要です。

フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。(詳細は、https://www.fairtrade-jp.org/ を参照ください)


Fair Trade & Ethical Fashion show 2012.05.12

 

今日(2018/11/17)、聖心女子大学で、エシカル・ファッションショーが開かれました。世界子どもの日ユース・フェスティバルのプログラムの一つです。

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エシカル・ファッションショー エシカルペイフォワード × 慶應大学公認学生団体S.A.L.

つくる人、つくられる自然や環境、つかう人、つかわれた後など、時間や空間をこえたつながりを大切にしながら、それぞれの未来を選ぶエシカルファッション。そんな「つながりを想い、これからを選ぶ」服やアクセサリーを、学生や障がい者ミスジャパンやロボットなど、多様な生き方をするモデルが着こなす「誰もとり残さないエシカル・ファッションショー」)(http://hrn.or.jp/youth_festival/

伊藤和子*1は、次のように書いています。

企画のなかで桁違いの盛り上がりを見せているのが、大学生サークルとNPOのコラボ企画、エシカル・ファッションショーです。ファストファッションの陰で起きている環境破壊や人権侵害、搾取等への影響から、エシカル(倫理的)な消費を目指す指向が欧米を中心に広がり、日本も若い世代の間では、例外ではありません。…今回は「誰も取り残さない」ファッションショー(「誰も取り残さない*2は国連が定めたSDGs 持続可能な開発目標のキャッチフレーズです)。

この取り組みを通して思うのは、これまでの世代が、例えば途上国の貧困や労働問題等について勉強するだけ、嘆いたり非難したり、「どうしたないいのかわからない」と無力に感じるだけでありがちだったのが、現実にその先に進んでいる、ファッションショーをやって外にアピールしたり、エシカル商品を販売する、と言った次のステップに進み、小さくても自分から変えようと動き出している、ということがいえるでしょう。ミレ二アル世代など、上の世代が少しずつ始めたことをさらに具体的に進めているのだと感じます。(https://news.yahoo.co.jp/byline/itokazuko/20181116-00104308/

ファストファッションとは、

最新の流行を採り入れながら低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売するファッションブランドやその業態。

手頃な価格でお洒落を楽しめるとされる一方で、中国やベトナムバングラデシュなど、衣類の生産を受け持つ発展途上国の工場や、ショップで働く従業員の人権問題、また、工場を置いている国での環境汚染問題などがたびたびメディアで取り上げられ、悪しき大量消費社会の象徴と批判されたり、世界的な経済格差拡大と貧困層増大で、衣類を買おうと思っても金がなく、安価なファストファッションの衣類しか選択肢がない現状に対する批判なども出始めている。(Wikipedia)

代表的なブランドとしては、売上高世界ランキングの順に、

第1位:ZARA

第2位:H&M

第3位:GAP

第4位:UNIQLO(Wikipedia)

 日本ブランドしては、ユニクロの他、GU、無印良品しまむら、Comme ça Ism、ハニーズが挙げられています。

 

セックスワーカー性労働者、売春婦)から、縫製工場労働者へ


From Sex Worker to Seamstress: The High Cost of Cheap Clothes

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当局は2008年の規制開始以来、風俗産業から大勢の女性を救い、よりよい仕事に就かせたと主張。しかし多くの女性は救出を望んでいなかった。…「警察はNGOのところに行けば人生が変わると言ったけど、あそこは刑務所のようだった。ドアを閉められて、外に出してもらえなかった」。NGOが指導する縫製工場では、50万人が働き、国の輸出額の8割を支える。最初は主力産業での再出発に思えたが、現実は違った。…

彼女は生活のために、毎晩8ドルで体を売っている。世界的に見て、衣料産業が盛んな国は、法の支配が弱く人々が貧しい。彼らはどんな悪条件でも働く。…奴隷や強制労働ではないが、それに近い。ブランドが巨額の富を築き、工場も莫大な利益を上げるが、労働者の生活は貧しい。仕事を求める労働者は、当局の取り締まりを恐れ、長年沈黙を守ってきた。しかし劣悪な環境についに声を上げた。首都ブノンペン郊外に、西欧資本の縫製工場で働く労働者が終結。数百人によるデモは2日目を迎えた。彼女たちは賃上げを要求している。この日の朝、デモ隊が暴漢に殴られた。このため女性の怒りが爆発。一緒に闘おう。我々は工場の見学を求めたが…カンボジアの縫製工場はまさに労働搾取工場だ。集団失神で数百人の女性が入院した工場もある。この工場は、H&MOld Navyベネトンラッセルなどと契約。我々はメーカーに接触したが、撮影の許可は下りなかった。工場の経営者側は責任を認めず、労働環境は良好で最低賃金以上だと主張した。…

[2013年5月]アジアの多くの工場ははるかに条件が悪い。…縫製工場の労働環境は劣悪を極め、労働者のストライキと当局との衝突が日常化、政府は経済への影響を心配している。

[2014年1月]警察がデモ隊に発砲し、少なくとも4人が死亡、国内情勢が不安定化している。すべては安いTシャツのためだアメリカの量販店に行けば、10ドルでパーカーを買える。なぜそんなに安いのか? 製品を作る人の賃金が雀の涙だからだ。

工場で働くセックスワーカーの多くが不満を口にした。路上で働く方がマシだと言う女性もいた。セックスワーカーを辞めたら縫製工場に戻る? 「もう工場はイヤ。彼らがルールを変えたらまた工場に戻ってもいい」。ここに救出劇の悲しい皮肉がある。研究によると彼女たちの大半は、売春を強制されているわけではない。工場で働くより売春を選んでいる。この現実こそが、カンボジア女性の現実を如実に表している。

 

伊藤和子の記事、「ファッションレボリューションデーに考える。あなたの着る服が少女たちの搾取労働で成り立っていたら・・?」(2015/4/24)から一部引用します。(ぜひ全文読んでみて下さい)

 2013年4月24日、バングラデシュダッカ郊外の縫製工場が立ち並ぶ地区の一角にあったラナ・プラザというビルが倒壊して、その工場で働いていたたくさんの労働者が犠牲になりました。…前の日からビルには大きな亀裂があることがわかり、みんな怖がって出社したくない、と訴えていました。それでも、工場のオーナーの命令で、みんなは働きに行ったのです。そして間もなく、ビルは倒壊し、多くの人が下敷きになり、生き埋めになり……。この痛ましい事故は世界に報道され、バングラデシュの工場労働は「非人道的」と批判を浴びました。しかし、その工場で労働者たちがつくっていたのは、例えば以下のような世界的なブランドの服であることが、わかったのです。…ベネトンや、ウォルマート、プライマーク、マンゴーなどの日本でも知られている有名ブランド。InditexZaraを含むアパレルグループですね。そんなブランドの名前があがったことは、バングラデシュの惨劇と私たちを結びつけました

ビルの下敷きになり、助け出された彼女たちは、今も足に傷跡が残り、神経が切断されて下半身まひなどの状況で治療を受け続けていました。事故の恐怖はいまも忘れられないといいます。…このラナ・プラザ事故の少し前に、タズリーンという縫製工場で火事が発生して多くの労働者が焼け死にました。工場は深夜も操業を続け、外から鍵をかけられてほとんど閉じ込められていたため、多くの労働者は火事が発生しても逃げる事もできずに焼け死んだのです。監禁されて深夜も労働・・・そこでつくられていたのも、有名ブランドの服ばかりでした。そんな過酷な労働環境は、事故後も変わっていない、それが昨年[2014年]バングラデシュに行った時に痛感したことでした。

 ラナ・プラザのような悲劇はどうして起きるのか。どうして労働者たちはいまも苦しい生活なのか。国際ブランドが、人件費の安く、労働法規制も十分でないアジアの途上国に生産拠点を移し、人件費コストを抑制して巨大な利益を得ていること、途上国の工場に「低価格」で「短い納期」の生産を厳しく求めていることが大きな原因なのです。…「もっと価格をあげてほしい」「こんな価格では作れない」というと、ブランドは、「それなら中国やミャンマー、アフリカの工場に発注に切り替えますよ」と言い、実際にそうしてしまうというのです。仕事を失いたくない工場は、文句を言わず、発注を受けるしかないというのです。

 こうしてつくられた製品は、米国、ヨーロッパ、日本などで低価格のファストファッションとして提供され、私たちは低価格競争の恩恵を受けて、安くてスタイリッシュな製品を買うことが出来るわけです。

実は私もニューヨーク留学当時から、ZaraH&Mの大ファンでした。貧乏留学生には、チープファッションはとても嬉しい味方でした。でも、今は、チープファッションを積極的に推奨することはありません。搾取構造がそのまま続いていることを知ったら、なぜこんなに安いのか~それは現場で働く人に支払われるお金が雀の涙程度だからだ、とわかりながら黙って買い続けることでは、搾取構造~その末端は若い女性・少女たち~に加担していることになってしまいます。…ファッションは私たちの生き方やライフスタイル、自分なりのこだわりを示すものです。もし、そのファッションが誰かの犠牲の上に、アジアの女性たちの過酷な労働搾取のうえに成り立っているとしたら、そのまま黙って買って着こなすのは本当におしゃれなのか? 

最近、国際ブランドは事態の改善に努めつつあります。それは、消費者による抗議活動、不買運動、株価の下落などを恐れ、世論やメディアもとても厳しい目をブランドに向けるようになってきたからです。

意識の高い消費者が増えることは、めぐりめぐって、世界を変えることに確実につながります

https://news.yahoo.co.jp/byline/itokazuko/20150424-00045093/

 

私たちがファッション業界をキレイにする方法

 
私たちがファッション業界をキレイにする方法~有名ブランドが環境汚染に配慮

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*1:伊藤和子…弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長。

*2:no one will be left behind…「誰も置き去りにしない」とも訳される。