浮動点から世界を見つめる

井蛙には以って海を語るべからず、夏虫には以て冰を語るべからず、曲士には以て道を語るべからず

「読書ノート」で取り上げた本とその評価

(初出:2016/8/21、最新:2019/12/28

これまで取り上げた本とその評価を書いていきます。

評価(10点満点)といっても、全くの主観的評価です。(言うまでもないですが…)

今回は新しい記事として投稿しましたが、以後は過去日付で更新していきます。

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 http://www.aktivno.net/post/kak-chitat-emocii-lyudej-po-ih-glazam

 

アルフィ・コーン、『競争社会を超えて』(法政大学出版局、1994年)

8点(暫定)…偶然、入手した本である。未だ少ししか読んでいないが、これまでの暫定評価は8点である。ひょっとすると、もっともお薦めの本になるかもしれない。(2019/8/31、追加)

 

阿部彩『弱者の居場所がない社会-貧困・格差と社会的包摂』(現代新書、2011年)

7点…貧困や格差をあげつらうだけでなく、「社会的包摂」をどれだけ説得力をもって主張し得るか。読みやすい文章だが、軽く読み流してはいけないだろう。

 

伊勢田哲治、『哲学思考トレーニング』(ちくま新書、2005年)

9点…つまらないタイトルで、あまり期待していなかったのだが、私にとっては非常に参考になる著作であった。特に、第3章 疑いの泥沼からどう抜け出すか、第4章 「価値観の壁」をどう乗り越えるか、第5章 みんなで考えあう技術 がおもしろい。おすすめである。

 

稲葉振一郎立岩真也、『所有と国家のゆくえ』(NHKブックス、2006年)

8点&2点…立岩の話はおもしろいが、稲葉の話はおもしろくない(立岩8点、稲葉2点)。対話になっていない。所有と国家の根源に迫っているとは思えない。

 

井上達夫、『共生の作法-会話としての正義-』(創文社、1986年)

8点(暫定)…私が最初に井上(1954年生まれ)の著作を読んだのは『普遍の再生』(2003年)であるが、その頃より注目している。(2019/12/28 追加)

 

大岡信、『抽象絵画への招待』(岩波新書、1985年)

9点…詩人大岡信抽象絵画を語る。その評論は素晴らしい。なるほど、絵画はこういうふうに語るものなんだ(真似できないが…)。白黒の絵画は、ネットで検索してカラーのものに置き換えた。

 

岡田暁生、『音楽の聴き方』(中公新書、2009年)

7点…こういう類の本は初めてなので、おもしろく読めた。岡田の主張に賛同できないところもあるが、作曲家・演奏家・聴衆、批評家、プロとアマ、古典と現代音楽等々、論点が多々あり、いろいろ考えさせられた。

 

柏木博、『デザインの教科書』(講談社現代新書、2011年)

4点…いささか期待はずれ。デザインの範囲を広げすぎているような感じがする。デザインの本質は何なのか、デザインはどうあるべきなのか、についての説明が欲しかった。

  

加藤尚武、『現代倫理学入門』(講談社学術文庫、1997年)

6点…入門書としては、必ずしも良書とは思えないが、それでも倫理学が何を問題にしてきたのかはわかる。但し、最近の研究動向はわからない。

 

香取照幸、『教養としての社会保障』(東洋経済新報社、2017年)

7点(暫定)…元厚生官僚の見解は興味深い。香取なる人物については、http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/20160630bunsyun.pdf  参照。(2019/8/31、追加)

 

金杉武司、『心の哲学入門』(勁草書房、2007年)

2点…全く期待外れの本。途中で何度も投げ出そうかと思ったが、「いや待てよ、これから面白くなるかもしれない」と思い直し読み進めたが、最後まで得るものがなかった。本ブログの記事も読むのは無駄かもしれない。すすめられない。

 

北川東子、『ジンメル』(講談社、1997年)

5点…ところどころ面白い部分はあるが、全体として可もなく不可もなし。

 

木下清一郎、『心の起源』(中公新書、2002年)

6点…「生物学」の視点から、「こころ」に迫ろうとするのかと思っていたが、どうもそうではなさそうだ。特異点、基本要素、基本原理、自己展開という枠組みを設け、無理にそれにあてはめようとしているように感じる。特異点とは、「よく分からないが、そうなった」といった程度の意味か。

 

久米郁男・川出良枝・古城佳子・田中愛治・真渕勝、『政治学』(有斐閣、2003年)

5点(暫定)…期待外れかもしれない。なお本書は2011年補訂版ではない。

 

児玉聡、『功利主義入門』(ちくま新書、2012年)

8点…「功利主義」に対して、予断をもたずに読んでみると良い。入門書なので、専門的な論点の解説はないが、それでもいろいろ話題が豊富なので面白い。おすすめである。

 

齊藤純一、『公共性』(岩波書店、2000年)

7点…やや難解である。それでもゆっくりとwikiなどを頼りに読み進めていけば、なかなか面白い。ちらっとみて、いけそうだと思えば、買ってみてもよいだろう。

 

神野直彦、『財政学』(改訂版)(有斐閣、2007年)

7点(暫定)…まだ評価できない。神野は、『人間回復の経済学』とか、『「分かち合い」の経済学』とかの著者であり、かねてより注目している。(2019/8/31、追加)

 

末永照和(監修)、『20世紀の美術』(美術出版社、2000年)

7点…20世紀の美術を通覧するのに適した本。

 

立岩真也、『私的所有論』(勁草書房、1997年)

8点(暫定)…稲葉振一郎立岩真也、『所有と国家のゆくえ』を読み、立岩の話がおもしろかったので、もうすこし突っ込んだ話を聞きたいと思った。

 

塚越健司、『ハクティビズムとは何か』(ソフトバンク新書、2012年)

7点…ハッカー=犯罪者のイメージを払拭する本。世にはびこる「不正」にどう対処すればよいのか。

 

長谷川寿一・東條正城、大島尚・丹野義彦・廣中直行、『はじめて出会う心理学 改訂版』(有斐閣、2008年)

4点…入門書としてはこんなものなのかとも思う。心理学に関する「お題」頂戴の感覚で、本書を読んだ。(2019/12/4 更新)

 

平野仁彦・亀本洋・服部高宏、『法哲学』(有斐閣、2002年)

8点。法律の勉強が、「既存の法律の解釈」だけでは全然面白くない。比較的大型の書店に出かけても、「法哲学」の本を見たことがない。「法解釈」と同時に、こういう本こそ読まれるべきだと思うのだが…。「法令遵守」一辺倒ではなく、誰がそのような「法令」を作ったのか、問題はないのか、と問うこと。

 

山口裕之、『ひとは生命をどのように理解してきたか』(講談社選書メチエ、2011年)

7点(暫定)…目次を見る限りは面白そう。「生命論」は、かねてより私の関心あるテーマである。

 

山岸俊男監修、『(徹底図解)社会心理学』(新星出版社、2011年)

評点未…心理学の一分野としての「社会心理学」は、かねてより関心があったのだが、ようやく取り上げることになった。積読本から引っ張り出してきた1冊。(2019/12/20 追加)

 

吉成真由美、『知の逆転』(NHK新書、2012年)

6点…サイエンスライター吉成真由美の「学問の常識を覆した叡智6人」(キャッチコピー)に対するインタビュー集。「学問の常識に挑戦している若手」に対してもインタビューを試みて欲しいもの。

 

ラマチャンドラン、『脳の中の幽霊』(角川書店、1999年)

9点…予想以上におもしろい。専門的な話題をユーモアたっぷりに紹介すると同時に、ラマチャンドラン自身の見解が述べられている。おすすめである。