浮動点から世界を見つめる

井蛙には以って海を語るべからず、夏虫には以て冰を語るべからず、曲士には以て道を語るべからず

COVID-19:メディアが不安を煽っている 報道災害か?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(10)

今回のタイトルは、「メディアが不安を煽っている 報道災害か」です。医療危機と経済危機は、メディアが不安を煽った結果としての「報道災害」(と報道に影響された政策対応の誤り)ではないか? というものです。もちろん、これは素人意見ですので大いに批判して下さい。

 ■正しく恐れる

 ■冷静な頭脳と温かい心

私は、以前、コロナを「怖がらなさ過ぎる人」が1割、「怖がり過ぎる人」が1割で、残り8割は「中間」である、彼らはマスコミ報道に流される、と書いた。(2020/03/31 COVID-19:「正しく恐れる」ことの難しさ 参照)。

現在は、「怖がらなさ過ぎる人」が1割、「怖がり過ぎる人」が7割で、残り2割は「中間」である、と感じている。これは、緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されたことと、メディアの過剰報道に起因するものである。

私自身は、「怖がらなさ過ぎる人」から、「怖がり過ぎる人に近い中間」にぶれてしまったように思う。それは、イタリア、スペイン、アメリカの死者数の急増、医療崩壊の危機が迫っているとの連日の報道からである。マスコミのエキセントリックな報道に惑わされないようにしようとしているのだが、「無知」(井蛙、夏虫、曲士)ゆえについ流されてしまう。今回の記事はその反動であり、「無知」なる者の記事になるかもしれないが、それでも書き留めておこう。

 

インフルエンザによる死亡数

3/31の記事で、「日本の死因別死亡者数」と「感染症の死亡数」をみたが、ここでは同じ統計*1から「呼吸器系疾患の死亡数」をみておこう。

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*1 「平成 30 年(2018) 人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚労省

 

インフルエンザの死亡数は、平成29年(2018年):2569人、平成30年(2018年):3323人である。ワクチン接種が普及しているはずなのに、これだけの人が死亡している。

なお、COVID-19は、当初「新型コロナウイルス肺炎」呼ばれており、また重症化すると、肺炎を発症し、呼吸困難の状態に陥ることがあるそうなので、上表の肺炎にも注目である。(人工呼吸器とECMOが話題になっている)

日本のCOVID-19死亡数は、161人(2020/4/19、12時時点)なので、人口10万人当り0.1人である。上表のインフルエンザ死亡数とよく比較してみよう。COVID-19がこれだけ騒がれて、インフルエンザがなぜ騒がれないのだろうか。インフルエンザの感染者累計や死亡数がマスコミで報道されないのは何故だろうか。インフルエンザも感染症であるはずなのに、この違いはいったい何なんだろうか。世界ではどうなんだろうか。

 

インフルエンザの死亡数の年別推移はどうなっているか。

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2015年から死亡者数が増加している。何故か?  メディアや政府はこれを問題視しただろうか。2018年の死亡数は、COVID-19死亡数(2020/4/19現在)の20倍である。既知のウイルスであれば、何人死のうが問題ではないということか。ワクチンがあるのに何故これだけの死亡があるのか。COVID-19を騒いでいる人には、これを説明して欲しいものである。

2019年の死亡者数はどうなっているか。

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上図によれば、2018/12:95人、2019/1:1685人、2019/2:1107人、2019/3:258人、2019/4:96人である。

COVID-19死亡数は、2020/2:4人、2020/3:52人、2020/4:105人、計161人(4/19まで)である。

交通事故死者や自殺者との比較はどうかと思うが、同じ病死で、しかもウイルスによる感染症であるインフルエンザとの比較である。何故こちらを騒がないのか。

 

アメリカはどうか。

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2018年61千人、2019年34千人である。アメリカでもCOVID-19で大騒ぎしているが、インフルエンザでこれだけの死者が出ているのである。

以上3つの図は、なんと1日50人以上「インフル死者」が日本で急増する不気味(2020/2/18、本川裕、PRESIDENT Online)からの転載である。

なお、全世界では毎年20~50万人が死亡、関連死を含めると100万人を越える(感染者数は14億~21億人)そうである。(2020/3/15、Gelate、2019年のインフルエンザ死者数は3000人を超えている 参照)

 

インフルエンザの感染者数・死亡数が、COVID-19よりはるかに多いにもかかわらず、何故、医療危機も経済危機も発生しなかったのだろうか? 言い換えれば、COVID-19は、何故、医療危機や経済危機を引き起こすような事態になったのか?

COVID-19のウイルスは「未知のウイルスだから」危機に陥った(陥っている)という単純な話ではない。

これには様々な要因が複雑にからみあっているだろう。今後「有識者」が詳しく分析してくれるだろうが、私が素人なりに思いついたことをあげておこう。(参考:上記引用記事)

  • メディアが、感染者と死者数の累計のみ(特に感染者数)を連日大々的に報道し、不安を煽った。
  • 分析的な情報がほとんどない。診察数、発症から診察までの日数、風邪やインフル等と判定した数、PCR等検査数、陰性数、陽性数、軽症・中等症・重症別、治癒数、年齢別、基礎疾患有無別、治療の程度別、他の感染症(特にインフルエンザ)との比較、等々。
  • 新型コロナウイルス」と特定された時点で、風邪やインフルエンザと似た初期症状を示す呼吸器系疾患とわかったのだから、検査や隔離の医療体制がどうあるべきか、不備があるならばどう整備すべきかが、感染症専門家ならわかったはずであり、政策対応が必要ならそのような要求を「政治家」「政府」に要求すべきであっただろう。(特にPCR検査の考え方)
  • メディアは、そのような専門家(異なった意見もある)の知見を積極的に報道すべきだろう。不安を煽り、政府を批判しているだけでは、事態は良くならない。
  • 欧米の状況を反面教師として分析しているのだろうか。私は、COVID-19ではなく、医療体制の不備で死亡した人が多いのではないかと予想している。

 

Gelateの記事によると、

  • WHOはインフォデミックと表現し、メディアやSNSによって情報が氾濫している現状に警笛を鳴らしている。ウイルスではなく、情報によって世界が混乱している
  • マスコミが騒いで不安を増大させることでパニックが起き、医療崩壊を引き起こす。考えることなく情報を鵜呑みにする人が過剰な行動に出てしまい、さらに間違った情報が拡散される。今起きているのは人災である。

政治家や官僚が、「考えることなく情報を鵜呑みにして、過剰な行動に出ている」のではないかと危惧する。