浮動点から世界を見つめる

井蛙には以って海を語るべからず、夏虫には以て冰を語るべからず、曲士には以て道を語るべからず

COVID-19:「敗血症」(感染症の一種)による死者は、毎年1万人以上である

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(32)

今回もまずは、死者数の推移をみておこう。(厚労省の「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向」の「年齢階級別死亡数」のグラフ数字から作成)

 

年齢階級別死者数(週別・新規)

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7月中旬から、増えてきているが、これをどう解釈するか。詳細が分からないので、70代以上(特に80代以上)が増えているとだけしか言えない。ニュースでは、この「死者数」よりは「重症者数」が増えていることを強調しているようだが…。8/26までの累計では、60代以上が94%を占めている。

 

今回は、感染症の一つである「敗血症」について見ておきたい。(COVID-19も、感染症の一つ)。

以前にもあげたが、下表は死因別の死亡数のうち、「感染症及び寄生虫症」につき、2018年と2019年を並べたものである。(「令和元年年(2019) 人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚労省)より)

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2018年は24,127人、2019年は23,529人が死亡している。このうち「敗血症」の2018年死亡数は10,312人である。これを年齢階級別にみたものを、COVID-19の年齢階級別死者数の数表の横に追記した。

COVID-19の死者数(2020/8/26まで)1,184人に対して、敗血症の死者数(2018年)は10,312人である。60代以上が95%を占めている。

敗血症とは、細菌等の感染を契機(原因)とする臓器障害(臓器不全)であり(詳細は、下記参照)、感染症に分類されている。約1万人が死亡している。(敗血症.comでは、年間約10万人(推定)が死亡していると言っている)

ここで言いたいことは、新型コロナウイルスの感染を原因とするCOVID-19について大騒ぎしている(無症状やただの風邪まで隔離している)のに、なぜ敗血症については何も報道しないのだろうか、ということである。敗血症は感染症に分類される病気であり、年間1万人超が死んでいるのである。日々の患者数の発生状況はもとより、死者数も報道されない。(結核やウイルス性肝炎も同様である)。

 

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敗血症とはどんな病気か?

www.youtube.com

以下は、敗血症.COMの説明より。

  • 敗血症とは、生命を脅かす感染に対する生体反応です。組織障害や臓器障害をきたすため、集中治療室(ICU)での全身管理および治療が必要になります。ショックや著しい臓器障害をきたす場合は死に至る場合もあります。
  • 敗血症はいつ、誰にでも、どんな感染症からも発生し、体のいかなる部位にも影響をあたえることがあります。ちょっとした感染症の後で起こることさえあります。
  • 感染が敗血症の原因です。感染は細菌(病原体)が繁殖したときにおこります。すなわち、体の中に細菌(病原体)は繁殖し、組織や臓器を障害し、敗血症を引き起こします。敗血症はたいてい、肺の感染症肺炎)、尿路感染症(腎臓)、皮膚および腸管の感染と関係しています。ブドウ球菌大腸菌、いくつかの連鎖球菌が敗血症を引き起こす主な細菌です
  • 発熱や呼吸困難などの敗血症の症状の多くは他の病気と同じであるため、敗血症を早期に診断することが難しくなります。
  • 敗血症は感染症を契機に発症しますから、感染症の予防が敗血症の予防につながります
  • 免疫力が低下していたり、慢性的な病気(たとえば糖尿病など)を持っている65歳以上で、敗血症は最も起こりやすいとされています。また免疫システムがまだ完成していない1 歳未満の乳幼児も敗血症のリスクが高いと言われています。
  • ガン患者の多くは免疫機能が低下していることが多く、また化学療法などはさらに免疫機能を弱めます。このためがん患者は、正常の人なら防御できる病原体に感染し、敗血症に陥りやすくなります。
  • 抗がん剤はがん細胞を殺すだけでなく、あなたの体の中の病原体と戦う白血球も殺します。

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感染症とはどんな病気か。

  • 感染症とは、環境中[大気、水、土壌、動物(人も含む)など]に存在する病原性の微生物、細菌・ウイルス・真菌(カビ、酵母等)が、人の体内に侵入することで引き起こす疾患です。敗血症とは、生命を脅かす感染に対する過剰な生体反応で、組織障害、臓器障害、そして死に至る致死性の病態です。
  • 肺炎は多くが感染症によるものです。中には、自己免疫性に起こるものや、薬剤の副作用でおこるようなものもあります。
  • 多くの感染症では「潜伏期」と言って、病原体が体内に侵入後、増殖して病気の症状を出すまでの期間があり、自覚症状がないにも関わらず他人には感染させてしまうということがあります。また、体力のある方の場合、病原体によっては自覚症状が現れないまま、体の免疫システムが病原体を排除してしまうこともあります。
  • かぜ(かぜ症候群)とは「上気道(鼻、咽頭喉頭)」の感染です。しかし最近は、上気道の急性炎症のみでなく、下気道(気管、気管支、肺)にまで広がって急性炎症をきたす疾患を総称していわれます。
  • かぜ症状群の原因微生物は、 80 ~ 90% がウイルスといわれています。主な原因ウイルスとしては、ライノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、RS ウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルスなどがあげられます。ウイルス以外では、A 群β溶血性連鎖状球菌(溶連菌)、百日咳菌などの細菌や肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミドフィラなどの非定型病原体があげられます。
  • ウイルス性のかぜ症候群であれば、安静、水分・栄養補給により、自然に治癒します。
  • 炎症反応は、有害な刺激(感染症なら病原体)に対して我々の体の免疫が戦っているときに起こるものです。我々が風邪にかかると、全身のだるさ、熱、筋肉痛や関節痛がでたりしますが、これも炎症反応の結果でてくるものです。通常は病原体をやっつけるための正常な反応ですが、敗血症ではこの炎症反応が暴走して自分自身で制御できなくなった状態になります。

敗血症の定義

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  • 従来の定義…全身炎症を伴う感染症(上図の感染症とSIRSの重なった部分)。SIRS:Systemic Inflammatory Response Syndrome
  • 新しい定義(sepsis3)(2016年)…感染に対する制御不能な生体反応に起因する生命を脅かすような臓器障害(上図の感染症と臓器障害の重なった部分)。