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COVID-19:PCR検査のCt値というのは「新型コロナを勉強しだした素人さんがよく飛びつきやすいネタ」なのか?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(50) Q&A(8)

Q&A[素人の自問自答]の8回目です。今回は、「PCR検査」について取り上げます。言うまでもないことですが、私は素人ですので、誤解があればもちろん訂正します。

 

Q18:ダイヤモンドプリンセス号で有名になった岩田健太郎(神戸大大学教授)によれば、PCR検査のCt値というのは「新型コロナを勉強しだした素人さんがよく飛びつきやすいネタ」だそうですが、どう思いますか?

A18-1:2020年12月11日の「情報ライブ ミヤネ屋」で、PCR検査のCt値の問題が取り上げられていたそうですので、YouTubeにアップされていたものを見ました。Ct値を問題にしているのは、宮沢孝幸(京都大学准教授)ですので、宮沢批判になっています。私は、異論を述べるのは建設的なことだと思っていますが、この言葉遣いは、学者らしからぬ「悪意あるコメント」ですね(宮沢を知らないはずはないでしょう)。宮沢を素人呼ばわりして、その言葉が自分に跳ね返ってくる可能性を考えもしないのでしょうか。(但し、岩田は「PCR原理主義者」ではないようです)。

A18-2:PCR検査のCt値(ウイルス量)を問題にするのは、防疫(感染拡大を防止する)目的からです。(治療目的でのPCR検査を問題にしていません)。Ct値が高ければ、即ちウイルス量が少なければ、感染力はないと考えられるのに、これを「陽性」と判定し、「隔離」することが問題だと言っているわけです。「隔離」は、余裕のある暇人身分保障された人ならともかく、そうでなければ多大なる(物質的・精神的)悪影響を及ぼすでしょう(場合によっては、生活破壊、自殺。…想像です)。実際にこれまで「隔離」された人たちの生活がどう変化したかの報道が一切ありません(恐らく調査もされていないのでしょう)。感染症専門家(と称する人たち)や医師会などは、「隔離」された人たちの生活・気持ちに思いを致すことができているとは思えません。PCR検査を受けたくないと思っている人たちは、もし「隔離」されたら生活が成り立たなくなる可能性を考慮しているでしょう。

 

Q19:ウイルス量がある一定量以内であれば「感染力なし」として陰性判定し、「隔離必要なし」とすることで問題はないのでしょうか。

A19-1:検体採取の時期が問題になるでしょう。今日「感染力なし」で陰性判定したとしても、明日検査すれば「感染力あり」で陽性判定になるかもしれません。その意味では「陰性証明」にはなりえません。「誰でも、どこでも、何度でも」検査(世田谷モデル)で、「ウイルスは存在しない」として陰性になったとしても、その時点限りであって、証明有効期限が永久であることを保証しないのと同様です。

A19-2:Ct値(ウイルス量)を問題にする人は、最初から「世田谷モデル」など相手にしていません。少なくとも「疑いのある人」が検査対象です。そういう人のCt値をもって、「隔離」判定の一助としようとするものです。念のために付言しておくならば、以上の話は「治療」のための「入院」の判定ではありません。

 

Q20:「隔離」は「人権侵害」という考えですか?

A20-1:ハンセン病という感染症があります。以前は、癩病(らいびょう)と呼ばれました。参考になります。どういう病気かと言うと、

癩菌(らいきん)の感染によって起こる慢性細菌感染症。感染力は弱く、潜伏期は3年から20年にも及ぶため、かつては遺伝性と誤解されたこともあった。主に末梢神経が冒され、知覚麻痺・神経痛や皮膚症状のほか、脱毛、顔面や手指の変形などもみられる。(デジタル大辞泉

感染力は極めて弱いが、国は1907年に法律を制定して患者の隔離を開始患者は全国の国立療養所に強制収容され、堕胎や断種も強いられた。戦後、治療薬の普及で完治する病気になった後も、隔離政策は1996年の「らい予防法」廃止まで続き、差別を恐れた多くの入所者はその後も療養所で生涯を過ごした。(朝日新聞「キーワード」)

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ハンセン病 https://es.slideshare.net/JulioVega10/lepra-o-enfermedad-de-hansen-35149409

 

日本財団ハンセン病に関する記事*1ハンセン病と差別」という項目の内容を引用します。

ハンセン病に罹患した人びとは遠く離れた島や、隔離された施設へ追いやられ、自由を奪われ「leper」という差別的な呼ばれ方で、社会から疎外された状態で生涯を過ごすことを余儀なくされました。

ハンセン病はもはや完治する病気であり、ハンセン病回復者や治療中の患者さえからも感染する可能性は皆無です。にも拘わらず、社会の無知、誤解、無関心、または根拠のない恐れから、何千万人もの回復者およびその家族までもが、ハンセン病に対する偏見に今なお苦しんでおり、こうした状況を是正する社会の取り組みは遅れをとっています。あらゆる時代、あらゆる場所で、国、地域社会、学校、企業、病院、あるいは宗教団体も含めた組織がハンセン病患者とその家族に対して行ってきたことは、まさに重大な人権侵害であり、彼らの尊厳を傷つけてきました。生涯にわたる強制隔離、社会サービスの制限、労働市場における差別は、ハンセン病患者に対する人権侵害のほんの一部にすぎません。教育、結婚、あるいは住む場所を見つけることにすら、かれらの前には壁が立ちはだかっています。 

A20-2:もちろん、COVID-19がハンセン病と同じとは言いません。しかし、上記引用で赤字にしたところをよく読んでみてください。「社会の無知、誤解、無関心、または根拠のない恐れ」そして「いわれなき差別」……。この意味では、私たちは未だハンセン病を克服したとはいえないでしょう。