新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(54)
政府は、入院拒否の感染者に刑事罰を科し、また宿泊・自宅療養の義務化を検討しているという。
政府は新型コロナウイルス感染対策強化に向け、感染者が入院勧告を拒否した場合、刑事罰を科す方向で検討に入った。無症状や軽症の感染者に対する宿泊・自宅療養の義務化も視野に入れる。国会内で8日開かれた与野党との連絡協議会で方針を示した。18日召集の通常国会に提出予定の感染症法改正案に盛り込む意向だ。協議会終了後、自民党の後藤茂之政調会長代理は入院勧告を拒まれれば感染拡大は抑えられないと記者団に指摘。「刑事罰で実効性を上げた方がいい」と政府方針に理解を示した。一方、立憲民主党の泉健太政調会長は慎重な対応を政府に要求した。(2021/1/8、共同通信)
また、各地の保健所が感染ルート把握に向けて実施する積極的疫学調査では、プライバシーなどを理由に行動歴などの聞き取りを拒否するケースが指摘されており、入院拒否の場合と同様、拒否した場合の刑事罰を設ける方針だ。…入国者に要請している14日間の待機や空港から待機場所への公共交通機関の不使用などにも、法的根拠を持たせることを検討しているという。(2021/1/8、時事ドットコムニュース)
私は、このニュースを読み、「いよいよ来たか」と思った。
感染症法の改正案を見ていないので、上記記事のみからコメントする。
この入院勧告の対象者は誰か。記事からは、無症状や軽症者を除く中等症以上が対象のようにも思えるが、果たしてどうか。毎日新聞の記事によると、
軽症・無症状者で自治体による宿泊・自宅療養の要請に応じない人に、都道府県知事が入院を勧告できるようにする。入院の勧告や、強制入院させる措置にも従わない場合は罰金を科す。(2021/1/8、毎日新聞)
「軽症・無症状者で自治体による宿泊・自宅療養の要請に応じない人」とは、「自分は<患者>ではないから、外出する」という人(PCR陽性者は<患者>ではないと考える人)である。こういう人は、PCR陽性でもって、強制入院させられる。強制入院とは、隔離収容するということである。
すなわち、自分(政治権力者)と同じ考えを持たない人を隔離収容する法案が提出、可決されようとしている。
もちろん、このような反論は予想されるところで、法案にはこのような反論を封じ込める抽象的な文言が織り込まれるだろう。野党は「付帯決議」を盛り込むことで満足するかもしれないが、付帯決議にどれほどの効果があるのか疑問である。(もっとも、PCR検査を拡充せよと主張してきた野党は、官僚得意の文章にすんなりと同意するかもしれない)
上記記事でふれていないが、東京都・都民ファーストの「PCR検査拒否に罰則」という条例案が思い出される。感染症法改正案に織り込まれることとなるかもしれない。
強制検査→陽性判定(陽性になりやすい判定基準を採用する)→隔離収容
という流れである。(ハイル・ヒトラー!)
地獄への道は、善意で舗装されている
我が子を食らうサトゥルヌス (フランシスコ・デ・ゴヤ作、wikipedia)
意味深な画像ですね。
(注)私は、治療のための検査の一環としてのPCR検査を否定していません。また、さまざまな感染防止策のすべてに罰則を設けることに反対しているわけでもありません。(道路交通法の罰則条文のすべてに反対しているわけではないのと同様です)