浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

内閣官房、内閣府は、何をしているところか?

浦部法穂『全訂 憲法学教室』(11)

今回は、第7章 国民主権 第5節 内閣 の続き 「内閣の組織」と「内閣の機能と責任」についてである。

(今回で本書を終了し、次回より、久米郁男他『政治学』に戻る)。

 

浦部は、概略次のように述べている。

  • 内閣は、首長たる内閣総理大臣とその他の国務大臣で構成される合議体であり、内閣総理大臣およびその他の国務大臣過半数は国会議員でなければならない。
  • 内閣総理大臣は、内閣の首長であるとともに、内閣府の長として重要事項の企画立案・総合調整のほか、一定の行政事務を分担管理する。また国務大臣は、内閣の構成員であると同時に、それぞれ各省の長として行政事務を分担管理する「主任の大臣」(各省大臣)となるのが普通であるが、行政事務を分担管理しない大臣(いわゆる無任所大臣)も認められる。
  • 内閣総理大臣には、憲法上、内閣を代表して議案を国会に提出したり、行政各部を指揮監督するなどの権能や、国務大臣の任免権が認められており、また法律・政令には主任の大臣の署名と同時に内閣総理大臣の連所が必要であるとされているのも、内閣の首長としての総理大臣の地位に基づくものである。
  • 内閣総理大臣その他の国務大臣はすべて「文民」でなければならず、「文民」とは、自衛隊が現に存在することを踏まえて言えば、現在軍人(自衛官)でない者およびかつて軍人であったことのない者をいうと解すべきである。
  • 閣議の議決方法については、内閣の自律的判断に委ねられていると解される。(閣議の議事手続や議決方法については、憲法にも内閣法にも特に規定はない)。
  • 内閣は、衆議院で内閣不信任の議決がなされたとき、衆議院議員総選挙後の新国会召集のとき、および内閣総理大臣が欠けたときには、総辞職しなければならない。
  • 内閣は、一般行政事務のほか、憲法73条各号に定められた事務を行う。内閣は、原則として一切の行政事務を行うが、本条は特に重要な行政事務を例示的に列挙して定めたものである。
  • 内閣は、国民代表機関である国会に対して連帯して責任を負うが、この責任は「政治責任」である。

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行政事務を担当する機関を「行政機関」という。府、省、庁、行政委員会などである。

一般的には、国家行政組織法において「日本の行政機関」と定める省とそれらの外局(庁、行政委員会)、および、内閣府設置法に定める内閣府とその外局(庁、行政委員会)を指す。

日本の行政機関は原則として内閣に属しているが、会計検査院は内閣に属さない唯一の日本の行政機関である。(Wikipedia、日本の行政機関)

国家行政組織法上、「内閣の統轄の下における行政機関で内閣府以外のもの」を「国の行政機関」とし(同法1条)、同法により組織の基準が定められる。内閣の統轄下にありながら同法の適用を受けない内閣府人事院などは、同法にいう「国の行政機関」ではないものの、公の「行政機関」と位置付けられるものである。(Wikipedia、行政機関)

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このような説明を聞いても、(よほどの問題意識を持っていなければ)眠たくなるだけだろう。

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https://goo.gl/maps/KJecYWF4p8KpJ7Gu5

 

内閣/行政機関は何をしているのか?

ここは詳細を論ずる場ではないので、イメージ図をあげておこう。

docs.google.com

・シート1…行政機構図(2020.8現在)*1

・シート2…わが国の統治機構*2は、どのようなものであるか?

・シート3…内閣官房*3はどのような組織で何をしているのか?

・シート4…内閣府*4はどのような組織で何をしているのか?

・シート5…各行政機関の所掌事務*5はどのようなものであるか?

特に、シート1「わが国の統治機構」により、全体を概観しておきたい。詳細は、行政機構図の項目より検索すればよいだろう。

※ このGoogleスプレッッドシートには画像を貼り付けた。Google chromeでは表示されるが、Microsoft edgeでは表示されない。興味ある方は、上記リンクから元のサイトを参照ください。