浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

COVID-19:超過死亡(概観)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(74)

※ 当ブログのCOVID-19関連記事リンク集 → https://shoyo3.hatenablog.com/entry/2021/05/06/210000

※ 今回の記事は、2021/5/24、「COVID-19:超過死亡/過少死亡について」後半の「Our World in Dataのグラフ」の更新版です。(縦軸の死亡者数は「絶対数」であり、100万人当りの死者数ではないので注意)。更新:2021/8/15

 

下記グラフは、日本の「月別」の「超過死亡」のグラフである。

「超過死亡」といっても、Farringtonアルゴリズム(米国CDC)やFluMOMOモデル(欧州EuroMOMO)を用いて超過死亡の推定を行っているものではなく*1、新型コロナ前の過去5年(2015年~2019年)の月別(&平均)死亡者数と新型コロナ後の2020年以降の死亡者数をグラフにしたものである。

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https://ourworldindata.org/grapher/excess-mortality-raw-death-count?country=~JPN

現在、2021/5月までのデータしかない。人口動態統計(速報)の公表が遅いからであろう。

 (2021/8/15追記)5月は乖離が目立つ。コロナの影響だろうか。5月は 118,634人である(グラフの数字)。厚労省オープンデータによると、5月のコロナ死者数は 2,818人である。従い、コロナ以外の死者数は、115,816人である。新型コロナの影響はどれほどであろうか。感染研の「超過および過少死亡数」の分析の「主要な死因別の情報」は、2020年12月時点までしか更新されていないので、詳細はわからない。

 

アメリカの超過死亡

f:id:shoyo3:20210815150729j:plain

https://ourworldindata.org/grapher/excess-mortality-raw-death-count

こちらは「週別」の数字である(6/21の週まで)。(日本は、月別で5月まで)

2021年3月以降に平年並みの死亡者数となっている。(紫色が2021年)

2020年は一見して、平年より大幅に増加している。

 

イギリスの超過死亡

f:id:shoyo3:20210815150847j:plain

https://ourworldindata.org/grapher/excess-mortality-raw-death-count?country=~GBR

こちらも「週別」の数字である(7/19の週まで)。(日本は、月別で5月まで)

2021年に入ってから平年並みの死亡者数となっている。(紫色が2021年)

2020年は、春と冬の大幅増加が目立つ。

 

私見

アメリカとフランスのみ掲載したが、2020年の欧米の「超過死亡」はほぼ間違いないように思う。そしてこれはCOVID-19によるものだと推定される。

日本の2020年の「超過死亡」はなく、むしろ「過少死亡」であったと考えられる。(今後の数字がどうなるか分からないが…)。COVID-19がどのように影響したのかよくわからない

なお、死者数(合計)の数字は死因とは関係ない数字なので、COVID-19の疑問のある「死因」により歪められているとは考えられない。(2021/8/15、わかりやすい表現に変更)

従い、「死因」の疑問が解消されたわけではない。このあたりは後日また。

*1:感染研の超過死亡の分析を参照。(COVID-19:超過死亡/過少死亡について(2)でとりあげた)