浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

COVID-19:世界各国の高齢化率と死者数の関係(2)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(86)

※ 当ブログのCOVID-19関連記事リンク集 → https://shoyo3.hatenablog.com/entry/2021/05/06/210000

世界各国の高齢化率とCOVID-19死者数は関係があるだろうということで、先月(2021/7/18)、札幌医大の<人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移【世界・国別】>のグラフより、7/16現在のものを掲載した*1が、これを最新のもの(8/9現在)で見てみよう。

ただし今回は、これをただ掲載するだけでなく、2020/11/20現在のものと比較し、この間の推移を見ることにしたい。

その前に、世界全体の百万人当り死者数の推移を見ておく。

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この波をどう見るかは人それぞれだろうが、参考に、2020/8/17のピークのレベル、2021/1/26ピークと2021/4/29ピークを結ぶ補助線を引いてみた。直近2021/8/9の数値は 1.22(100万人あたり1.22人の死亡)であるが、これが先ほどの補助線を超えるか否かがポイントだろう。また、2021/3/13ボトムと2021/6/4ボトムを結ぶ補助線を下回るか否かをポイントとみる見かたもあるだろう。。

 

さて、世界各国の「高齢化率」と「感染者数」「死者数」のグラフであるが、2020/11/24現在のものと2021/8/9現在のものを掲載すると、次のとおりである。(縦軸の最大値を3,500人に固定した)

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https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/bubble.html?a=1&ls=12&max=3500&min=0&l=303

 

なぜ2020/11/24を指定したかというと、上位グループが横並びになる時点が2020/11/24近辺だったからである。この時点では、高齢化率と死亡数には関係ないように見える。

これが2021/8/9時点になると、大きく変化している。

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https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/bubble.html?a=1&ls=12&max=3500&min=0&l=565

 

この間の推移は、スライドボタンを動かすことで、見てとれる。横軸は高齢化率なので固定されており、推移は、累積感染者数の増とともに円グラフが大きくなり、累計死者数の増とともに円が上方移動することにより、示される。あまり報道されない中南米の増大ぶりが目を引く。

ウイルは国を選ぶことはなく、COVID-19がパンデミック(世界的大流行)であるというなら、なぜ世界全体に目を向けず、国内(しかも東京中心)の動向にのみ注目するのだろうか。

細分化の基準は、国だけではない。地域、人種、年齢、所得階層、衛生環境、高齢化率など多々あるはずである。なぜこれらのデータ分析をしようとしないのだろうか。

 

(補足)本記事は「COVID-19は、どれほど危険な病気なのか?」という問題意識から取り上げているものである。