2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧
ラマチャンドラン,ブレイクスリー『脳のなかの幽霊』(31) ラマチャンドランは、「自己を特徴づける特性」について、ポスドクの研究生ウィリアム・ハ―スタインと、以下のようなリストを作った。今回は、6.警戒の自己と7.概念の自己と社会的自己である。(…
末永照和(監修)『20世紀の美術』(4) 今回は、第3章 抽象と構成 である。本章に出てくる絵画で魅力的なものはほとんどないので、スルーしようかと思ったが、いくつかの用語については、知っておいても悪くはないだろうと思い直し、採りあげることにし…
伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』(5) 科学と疑似科学の間の線を引く「線引き問題」(demarcation problem、境界設定問題)と呼ばれる問題は、哲学の中でも科学哲学という分野において長らく論争の的になってきた。これが科学哲学の主要問題だったのは…
平野・亀本・服部『法哲学』(23) 個人の尊厳と自己所有 平野は、リバタリアニズム(自由至上主義)は、論者によりいくつかの点で違いがあるが、次の3点に一致がみられると言っていた。(自由(1)リバタリアニズム 参照) ① 個人的自由の擁護 ② 拡大国…
稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(8) 前回、立岩は次のようなことを述べていた。(不平等論(2)効用の個人間比較を考える 参照) (1) とりあえずミニマル…基本は「自由放任」、但し、競争に負けても、飢え死にしない程度の水と食料は与えよ…
岡田暁生『音楽の聴き方』(13) 指揮者のアーノンクールは、19世紀に入って生じた音楽のパラダイム転換を、次のように定式化しているという。 「単純かつやや大まかではあるが、私は「1800年以前の音楽は話し、それ以後の音楽は描く」と言いたい。前者…
加藤尚武『現代倫理学入門』(18) 今回は、第8章「正義の原理は、純粋な形式で決まるのか、共同の利益で決まるのか」の続きである。正義の具体的内容について論ずるものではない。前回述べたように、「倫理的な命題に関しても、体系的な思考、演繹的な思…
塚越健司『ハクティビズムとは何か』(2) コンピュータの可能性に魅了された人々はハッカーとなり、生きがいを与えられた。彼らはコンピュータに自分を委ね、コンピュータに自分を投影する。それは1957年にソ連によって打ち上げられた世界初の人工衛星スプ…
ラマチャンドラン,ブレイクスリー『脳のなかの幽霊』(30) ラマチャンドランは、「自己を特徴づける特性」について、ポスドクの研究生ウィリアム・ハ―スタインと、以下のようなリストを作った。今回は、4.記憶の自己~5. 統合された自己である。 体現化さ…
末永照和(監修)『20世紀の美術』(3) 今回は、第2章 空間と時間の分析=総合 である。西洋美術史を辿ろうという気はないが、キュビスムや未来派がどういうものか位は知っておきたい。 第1次大戦前の数年間に2つの前衛的な芸術運動が展開された。ス…
伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』(4) 今回は、第2章「科学」だってこわくない-科学と疑似科学のクリティカルシンキング である。 伊勢田は、①権威からの議論、②対人論法 について述べている。 ものごとを鵜呑みにしない、というクリティカルシンキン…
平野・亀本・服部『法哲学』(22) 今回は、リベラリズム(liberalism、自由主義)ではなく、リバタリアニズム(libertarianism、自由至上主義)の話であるが、その前に「自由」について簡単な説明がある。 私たちは特定の信仰を持つことを強要されない[…
稲葉振一郎・立岩真也『所有と国家のゆくえ』(7) 立岩 今の話で言うと、リソースと呼ぶかはともかくとして、それ[モノ・情報、身体的・精神的能力]は、結局何らかの形で人に使用され利用されるから意味があると考えるわけでしょ。これは要するに手段な…