浮動点から世界を見つめる

井蛙には以って海を語るべからず、夏虫には以て冰を語るべからず、曲士には以て道を語るべからず

私たち

COVID-19:「都市封鎖」の可能性は?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(7) 今回は、「緊急経済対策」(生活保障、営業自粛要請と休業補償等)について書く予定でしたが、順序を変更して、私の勤務先の取引先(以下、A社と呼ぶ)が実施しているコロナ対策の一部を紹介します…

非競争的な文化

アルフィ・コーン『競争社会をこえて』(11) 今回は、第2章 競争は避けられないものなのだろうか 第6節 不可避性をめぐる心理学の議論 の続き(p.69~)である。 ジェローム・ケーガンは次のように述べている。…「とうもろこし畑で、8歳の息子にトウモ…

COVID-19:「行動監視」か「セキュリティソフト」か?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(6) 「COVID-19」に関する過去記事のタイトル変更でモレがありましたので追加します。 2020/03/06 COVID-19:マスクが品薄にならない方法 ←(COVID-19予防)マスクが品薄にならない方法 あわせて、サブ…

COVID-19:「正しく恐れる」ことの難しさ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(5) 「COVID-19」に関する過去記事のタイトルを、以下のように変更します。 2020/3/13 COVID-19:特措法、東京オリンピック他 ← 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ 2020/3/21 COVID-19…

COVID-19:首都封鎖、配給制度と行動監視

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(4) 今回は「首都封鎖」に関連して、「配給制度」と「行動監視」について、少し考えてみたい。 1.配給制度 配給制度とは、前回紹介したように shoyo3.hatenablog.com 太平洋戦争が開戦する直前の1941(…

生殖医療技術を概観する

立岩真也『私的所有論』(29) 今回は、第4章 他者 第5節 生殖技術について である。 私の関心は、倫理・社会問題としての生殖技術(生命操作、遺伝子操作)であるが、それを議論する前に、生殖技術に関する基礎知識が必要である。 これまでの生殖技術に…

COVID-19:自由と統制、自助・共助・公助

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(3) 新型コロナウイルス感染症(Coronavirus Disease 2019)に関するメモ(その2)です。 提言でも何でもなく、今後こういうことを検討しなければならないのかなという(素人の)メモです。 1.自由と…

「ルサンチマン」と評論しない

井上達夫『共生の作法-会話としての正義-』(3) 井上は、「正義」に対して嫌悪を抱くような感情の3つの要因を挙げていた。 「正義よりも平和を」というスローガンに要約される発想。 正義に関するあらゆる思弁は、その本質において、支配階級のそれを代…

「官僚主導」から「官邸主導」の予算編成へ

神野直彦『財政学』(15) 今回は、第9章 予算過程の論理と実態 の続きである。本書は、予算過程を、(1)編成過程(立案過程と決定過程)、(2)執行過程、(3)決算過程に区分している。 予算編成過程については、サイト「ミラサポ」の「予算編成のプロセス」…

COVID-19:特措法、東京オリンピック他

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(2) このところ、新型コロナウイルス感染症(Coronavirus Disease 2019)が話題にならない日はない。 論点は多々あるだろうが、私が気になった点をメモしておく(順不同…重要度の順番ではない)。詳論は…

国会 - 事務方の猿芝居

「桜を見る会」問題(8) 本ブログでは、「桜を見る会」問題をきっかけに、(1)政治家の資質、(2)国家公務員の資質、(3)立法と行政の関係を考えようとしている*1。従い、「桜を見る会」問題とは異なる話題を取り上げることもある。 まず、次の動画を見て下さ…

討論の広場-議会と議員の活動原則

浦部法穂『全訂 憲法学教室』(2) 今回は、第7章 国民主権 第4節 国会 1国会の地位と性格 の続きの予定でしたが、関連の話題として、「議会と議員の活動原則」についてとりあげることにします。 国会の他、各種組織において、会議や打合せ等による「意思…

COVID-19:マスクが品薄にならない方法

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(1) いささか騒ぎ過ぎではないかとも思うのだが*1、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の話題ばかりである。 どこのドラッグストアに行っても、マスクは売り切れで、入荷は未定だという。 WHOは、マ…

印象形成の連続体モデル

山岸俊男監修『社会心理学』(3) 今回は、第2章 社会心理学の歴史的な実験 のうち、「印象形成実験」である。(「ホーソン実験」は、つまらないのでパスする)。 印象形成とは、「容姿・身振り・声・風評など、他者に関する部分的な情報を手掛かりにして…

M字カーブ(女性の労働力率)を考える

香取照幸『教養としての社会保障』(11) 今回は、第4章 変調する社会・経済 第2節人口オーナスとライフスタイルの変化 の続きである。 人口ボーナス・人口オーナス(「少子高齢化」を言い換えたものと考えてよい)と社会保障の関係については、次図がそ…

「桜を見る会」問題 - 「饅頭」食らって、屍臭を放つ

「桜を見る会」問題(7) 小田嶋隆は、コラム記事で、黒川東京高検検事長の定年延長に関する人事院の松尾恵美子給与局長の答弁をとりあげていた。 10人の部下を持つ人間がウソをつくと、10人のウソつきが誕生する(小田嶋隆) 松尾局長が、「つい言い間違え…

「我々のアイデンティティは、社会的な世界の関数である」は、何を含意するか?

アルフィ・コーン『競争社会をこえて』(10) 今回は、第2章 競争は避けられないものなのだろうか 第6節 不可避性をめぐる心理学の議論(p.65~)である。 コーンは、最初に「フロイト[1856-1939、精神科医]のモデルを受け入れる人は競争が避けがたいも…

「桜を見る会」問題 - ご飯論法、ANAインターコンチネンタルホテル東京の広報

「桜を見る会」問題(6) 法政大学の上西充子教授は、「ご飯論法」の言葉を生むきっかけの指摘をしたことで知られる。*1 Q「朝ごはんは食べなかったんですか」 A「ご飯は食べませんでした(パンは食べましたがそれは黙っておきます)」 Q「何も食べなかった…

遺伝子操作技術の功罪

立岩真也『私的所有論』(28) 体調不良で1週間の休みとなりました。新型コロナウィルス感染かと思いましたが、食あたりでした。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 今回は、第4章 他者 第4節 技術について [4]離脱? を予定していたが、立岩の言わんとすることがよく分からな…

「桜を見る会」問題 政治家の資質

「桜を見る会」問題(5) 「桜を見る会」で、何を問題とすべきなのだろうか? 私は、(1)政治家の資質、(2)国家公務員の資質、(3)立法と行政の関係 を問題にすべきではないかと考えている。しかし、これらを本格的に論じるほどの素養がないので、断片的に、…

「正義よりも平和を」の意味

井上達夫『共生の作法-会話としての正義-』(2) 井上は、「正義」に対して嫌悪を抱くような感情の3つの要因を挙げていた。 「正義よりも平和を」というスローガンに要約される発想。諦観的平和主義 正義に関するあらゆる思弁は、その本質において、支配…

「桜を見る会」問題  若手議員(石垣のりこ、山添拓)による質疑応答

「桜を見る会」問題(4) 参議院予算委員会での若手議員2人の質疑応答は、なかなかの見ものでした。 色眼鏡を外して(所属政党による判断をしないで)見て下さい。 1.石垣のりこ 【国会中継】石垣のりこ 2020年1月29日 参議院予算委員会 石垣のりこ…日本…

議員は法律案を提出できるのに、なぜ予算案を提出できないのか?

神野直彦『財政学』(14) 今回は、第9章 予算過程の論理と実態 である。予算過程は、以下のように区分される。 立案過程…行政府が予算を準備する。 決定過程…議会で予算を審議し、成立させる。 執行過程…予算に基いて、行政府が財政を運営していく。 決…

「桜を見る会」問題 ログについて(2) 黒塗りの「功績功労者」は誰?

「桜を見る会」問題(3) 2020年1月27日、菅義偉官房長官は、サーバーのログ(「招待者名簿」ファイルの削除のログ)を開示しない理由として、「同じシステムを国家安全保障局も利用しており(記録を確認すると)国家機密漏えいの危険が増す。確認は不正侵…

「桜を見る会」問題 サーバーのログについて

「桜を見る会」問題(2) 2020年1月24日、「桜を見る会」追及本部の第30回ヒアリングが行われた。相変わらず、サーバーのログ提出を拒否している。(2020/01/21 「桜を見る会」問題-「忖度官僚」-「知る権利」の侵害 参照) 公文書である「招待者名簿」の…

国会議員は、特定階層や特定地域の代表者なのか?

久米郁男他『政治学』(28)、浦部法穂『全訂 憲法学教室』(1) 今回は、第10章 議会 第1節 議会の比較 の続きと、第2節 日本の国会 の予定だったが、ここで述べられていることを要約/引用する気になれない(一本筋の通った記述とは感じられない)の…

「桜を見る会」問題-「忖度官僚」-「知る権利」の侵害

「桜を見る会」問題(1) 昨年来問題になっている「桜を見る会」の内閣府の対応は、三権分立とりわけ立法・行政(官僚)の関係に関する格好の教材ではないかと思う。歴代の人事課長6人に対する「厳重注意」の処分だけでは何も変わらないだろう。 「桜を見…

社会的促進と社会的抑制-得意なことはより得意に、苦手なことはもっと苦手に

山岸俊男監修『社会心理学』(2) 今回は、第2章 社会心理学の歴史的な実験 のうち、「社会的促進実験」*1である(p.24~)。 他者が近くにいる[見ている]ことで、慣れている作業や単純な課題の遂行が促進されることを、社会的促進と言う。 反対に、他者…

年齢区分別の将来人口推計(少子高齢化)

香取照幸『教養としての社会保障』(10) 今回は、第4章 変調する社会・経済-人口減少、少子化、高齢化 第2節人口オーナスとライフスタイルの変化 の続きである。 人口構成の変化が経済にとってプラスに作用する状態を「人口ボーナス」、マイナスに作用…

「協力」は、「資源にゆとりがあるときにのみ許される贅沢」なのか?

アルフィ・コーン『競争社会をこえて』(9) 今回は、第2章 競争は避けられないものなのだろうか 第5節 異文化における生活 の続き(p.60~)である。 マーガレット・ミード(1901-78、文化人類学者)の言葉を再掲しておく。 この調査から得られる最も基本…