浮動点から世界を見つめる (旧:気の向くままに)

井蛙は以って海を語るべからず、夏虫は以て冰を語るべからず、曲士は以て道を語るべからず

私たち

地域コミュニティ 明るい農村 ひるのいこい

格差社会(11) 今回は、阿部彩『弱者の居場所がない社会-貧困・格差と社会的包摂』の第4章 本当はこわい格差の話 第3節 格差とコミュニティ をとりあげる。 地域コミュニティ 阪神淡路大震災後に、仮設住宅で多くの孤独死が起きてしまった反省もあって…

私の臓器や性は、根本的なもので、譲渡してはならないものなのか?

立岩真也『私的所有論』(13) 今回は、第3章 批判はどこまで行けているか 第3節 交換と贈与について である。 贈与と売買の差異および共通性 臓器の売買を認めている国は無い。代理母契約についても大勢としては認められていない。 では、善意の提供は認…

民主制と人権 市民的自由とは?

平野・亀本・服部『法哲学』(53) 第6章 法哲学の現代的課題 第1節 デモクラシーとは何か の続きである。 投票制度としての民主制 経済学者の一部は、社会的選択理論と呼ばれる分野で、民主制を純粋な投票集計制度とみなして精緻な分析を展開している。……

人権とは何でしょうか? 谷川俊太郎訳の「世界人権宣言」

一昨日の記事(2018/11/17、セックスワーカーから繊維工場労働者へ ファストファッションの光と影 エシカル・ファッション)は、今回の「人権」の記事のイントロとして書いたものである。 ファストファッションの陰で起きている環境破壊や人権侵害、搾取。 …

セックスワーカーから繊維工場労働者へ ファストファッションの光と影 エシカル・ファッション

次の動画をご覧ください。エシカルファッション(ethical fashion)の話です。 鎌田安里紗「ベルリンの社会派ファッションショー」 エシカルファッションについて [モーニングCROSS] 2013年4月、バングラデシュの首都ダッカのラナ・プラザという縫製工場が倒…

市民社会の多義性 市民団体の可能性

久米郁男他『政治学』(13) 今回は、第6章 市民社会と国民国家 第2節 市民社会 である。本書を読む前に、植村邦彦*1に対するインタビュー記事<日本に「市民社会」は存在しないのか?>(2018/1/12) を参照しよう。 civil societyという言葉は、当初は…

社会の仕組みが、人々をより孤立へ、排除へ、貧困へ、追い込んでいるのではないだろうか?

格差社会(10) 今回は、阿部彩『弱者の居場所がない社会-貧困・格差と社会的包摂』の第4章 本当はこわい格差の話 第1節 排除と格差、第2節 格差と人間関係 をとりあげる。 社会的排除とは、社会の中で「居場所」がなく、「役割」がなく、他者との「つな…

人工授精・体外受精等の生殖技術は、富裕層のためのものなのか? From Russia With Love

立岩真也『私的所有論』(12) 第3章 批判はどこまで行けているか は、人工授精・体外受精等の生殖技術への批判の言説を検討している。今回は、第2節 公平という視点 である。本章は、「人工授精・体外受精等の生殖技術」について議論しているが、これは…

自由主義とブルジョアジー(城壁の中の住民)

平野・亀本・服部『法哲学』(52) 現在、第6章 法哲学の現代的課題 第1節 デモクラシーとは何か を読んでいるところだが、今回は、本書を離れて、「自由主義(liberalism)」について、「ブリタニカ国際大百科事典」(以下B)と「日本大百科全書」(以下…

自由と民主主義

平野・亀本・服部『法哲学』(51) 今回は、第6章 法哲学の現代的課題 第1節 デモクラシーとは何か の続きである。 亀本(本節担当)は、自由とデモクラシーとの関係を以下のように述べている。 デモクラシーと自由 民主制は、支配者と被支配者の同一性と…

28歳テイラー・スウィフトの政治的影響力

今回は、第6章 市民社会と国民国家 第1節 「公」と「私」 である。…最初の二つは内容が無いので、そこを飛ばして、フェミニズムの項だけ見てもらっても構わない。トランプ大統領、テイラー・スウィフト、安倍首相、綾瀬はるか、石原さとみ

私の居場所がない 社会的排除と包摂

格差社会(9) 阿部彩『弱者の居場所がない社会-貧困・格差と社会的包摂』の第3章 「つながり」「役割」「居場所」をとりあげよう。 社会的排除 人の生には、金銭的・物質的な指標では測れない、「質の問題」があることも事実である。ある程度の水準の金銭…

<「Aとも言えるが Bとも言える」は、何も考えていないだけ>なのだろうか?

たまたま、<「Aとも言えるが Bとも言える」は、何も考えていないだけ。>という記事が目に入ったので、これについて少し考えてみよう。 ブロガーの「ちきりん」さん(以下、Yと呼ぶ*1)が、こんなことを言っているらしい。検索してみたら、<「Aともいえる…

生殖医療技術と生命倫理 夫のものではない精子、妻のものではない卵子を使って子どもを持ちますか?

立岩真也『私的所有論』(11) 第3章 批判はどこまで行けているか は、人工授精・体外受精等の生殖技術への批判の言説を検討している。前回は、その内容をみる前の予備知識の収集で終わった。立岩は、このテーマを「私的所有・自己決定、市場への境界設定…

デモクラシーとは何か?

平野・亀本・服部『法哲学』(50) 今回は、第6章 法哲学の現代的課題 第1節 デモクラシーとは何か である。 「デモクラシー」という言葉の原義は、「民衆による支配」である。デモクラシーという言葉は、その制度面に着目するときは「民主制」と訳され、…

目に見えない権力 パノプティコン

久米郁男他『政治学』(11) 今回は、第5章 国家と権力 第3節 権力をめぐる諸理論 である。*1 どのような国家観をとるにせよ、政治の問題を考える上で、権力の問題は、議論の中心的な位置を占めざるを得ない。しかしながら、権力とは何か、ということを巡…

いくらお金があれば、「健康で文化的な最低限度の生活」を送れるのか?

格差社会(8) 前回の記事(ケンカツ(健康で文化的な最低限度の生活)、「ふつうの生活」)の続きです。 「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する生活保護の基準が、来年2019年度より見直される。生活保護の中核となる「生活扶助」*1が、67%の世帯で…

不妊治療 生命倫理

立岩真也『私的所有論』(10) 今回は、第3章 批判はどこまで行けているか 第1節 自己決定の条件 である。本章のタイトルにある「批判」とは、「生殖技術(特に代理出産)に対する(倫理的)批判」である。第1節は、この批判を「自己決定」の観点から検…

法と経済学 コースの定理

平野・亀本・服部『法哲学』(49) 今回は、第5章 法的思考 第3節 法的思考と経済学的思考 である。 「法と経済学」または「法の経済分析」と呼ばれる法アプローチは、法と経済のかかわりを説くというよりも、法学の内部に経済学的思考を導入しようとする…

強行採決で成立した法令は遵守する必要がない !?

久米郁男他『政治学』(10) 今回は、第5章 国家と権力 第2節 近代国家とその正統化原理 である。 2013年以降、強行採決が以下の通り行われた。(Wikipedia) 特定秘密保護法(2013年) 安全保障関連法案(2015年) TPP承認案、関連法案(2016年) 介護保険…

におい(匂い、臭い)③ スメルハラスメント(スメハラ)

長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(15) 化粧品会社マンダムの調査によると、職場の「嫌だ」と感じるニオイは、1位は「体臭」で64.9%、続いて「口臭」59.3%、「タバコのニオイ」55.5%である。(2017/5/25、https://www.mandom.co.jp/releas…

入院生活 人の優しさ

先日、腰痛に関する記事を書いて数日後の夜、トイレに行こうと体を動かそうとした瞬間、腰に激痛が走り、全く身動きできないことに気づいた。幸い隣に妻が寝ていたので、救急車を呼んでもらった*1(一人で寝る時は、携帯など外部との連絡手段を確保している…

プラシーボ効果 現代の国民病「腰痛・肩こり」は、治療できません

私は、基本的に自分語りをしない方針なのですが、今回は自分語りから話を始めます。 先日、咳をしたとき、腰を痛めてしまいました(以前、ぎっくり腰になったこともあります)。長年のデスクワーク(姿勢の悪さ)による疲労が閾値を超えたものではないかと思…

ケンカツ(健康で文化的な最低限度の生活)、「ふつうの生活」

格差社会(7) 先週より、生活保護をテーマにしたドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』(フジテレビ系)が始まった。 日本国憲法第25条 第1項 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 第2項 国は、すべての生活部面につい…

私的所有の無根拠と根拠

立岩真也『私的所有論』(9) 本章(第2章)で、立岩が言わんとしていたことは何か。 何がある人のもとにあるものとして、決定できるものとして、取得できるものとして、譲渡できるもの、交換できるものとしてあるのか、またないのか。そしてそれはなぜか。…

法的正当化、解釈の検算、整合性、理性性

平野・亀本・服部『法哲学』(48) 今回は、第5章 法的思考 第2節 制定法の適用と解釈 第3項 解釈技法の使い方 の続きである。 法的正当化に対する制約 法的な正当化には、それを他の種類の正当化から区別する制約がある。第1に、法的正当化において援用…

三つの国家観

久米郁男他『政治学』(9) 今回は、第5章 国家と権力 第1節 三つの国家観である。 近代国家の定義 本書は、近代ヨーロッパが生みだした近代主権国家に限定した場合の近代国家を次のように定義する。 第1に、国境というかたちで明確に区切られた固定的な領…

内破、スプラッタ・イマジネーション(血しぶきの想像力)

Twitterより。(「スレッド」機能を使ったので、表示が重複しているようです。) ①以下は『名門大学の「教養」』(2011年、主婦と生活社)から、高橋敏夫(肩書省略)の発言の引用です。(P268-269)※ なお、このツイートは、「スレッド」機能を使ってみました。…

教養 多様な個性 ダイバーシティー(多様性)

格差社会(6) 前回までの統計数値の検討は一休みして、「企業社会と個性」について考えてみよう。これを「格差社会」の文脈で語ることが適切であるかどうかはわからないが…。 以下は、『名門大学の「教養」』(2011年、主婦と生活社)の早稲田大学編(2008…

Twitterリストによる情報収集

Twitterで何が可能か。もちろん呟いているだけでも良いのですが、私は関心ある事柄に関する「最新情報」を収集するのに役立つのではないかと考えています。 多種多様な人や組織をフォローしようにもタイムラインを読み切れない。そこでTwitterの「リスト機能…