浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

正義論-僕たちは世界を変えることができない?

井上達夫『共生の作法-会話としての正義-』(1) 積読本の中から1冊抜き出したところで山は崩れないのだが、それでも駆け足で斜め読みすることはなく、ゆっくりと読んでいこう。 映画『僕たちは世界を変えることができない。 But we wanna build a schoo…

桜を見る会 予算の移用と流用

神野直彦『財政学』(13) 前回は、一般会計のみではなく、特別会計も見ておく必要があるという話しであった。しかし他に、政府関係機関(いまは組織の変遷等があり、規模は大幅減少しているようだが)もあり、それぞれの予算の間で財源の繰入・繰出がある…

議院内閣制 - 権力集中と権力分散

久米郁男他『政治学』(27) 前回は、本書を読む前に、権力分立について概観し、「日本では、立法・行政・司法(三権)は分立していなくて、癒着しているのではないか?」 との疑問を提出しておいた。そこではあえて「癒着」という言葉を用いた。 今回は、…

傍観者効果(見て見ぬふり)

山岸俊男監修『社会心理学』(1) 本書の構成は、次のとおりである。 第1章 社会心理学とは? 第2章 社会心理学の歴史的な実験 第3章 社会の中の個人 第4章 対人認知と行動 第5章 集団の中の人間 第6章 文化と人間の心理 第7章 社会現象・社会問題の…

ラピスラズリ(星のきらめく天空の破片)

ラピスラズリ(lapis lazuli)…金色の斑点が輝く群青の石。 古代ローマの博物学者プリニウスは、ラピスラズリを「星のきらめく天空の破片」と表現したという。 ラピスラズリのラピス(Lapis)はラテン語で「石」、ラズリ(Lazuli)は「青」や「空」を意味す…

人口ピラミッドを登る

香取照幸『教養としての社会保障』(9) 今回は、第4章 変調する社会・経済-人口減少、少子化、高齢化 第2節人口オーナスとライフスタイルの変化 である。 日本の将来人口を、年少人口(~14歳)・生産年齢人口(15~64歳)・老年人口(65歳以上)に区分…

「未開人」に学ぶ

アルフィ・コーン『競争社会をこえて』(8) 今回は、第2章 競争は避けられないものなのだろうか 第5節 異文化における生活(p.56~) である。 http://labaq.com/archives/51757732.html 非競争的な文化のいくつかについて、『未開人における協力と競争』…

植物と動物の中間

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(16) 今回は、第2章 生物学の成立構造 第2節 「生物学」の登場 の続き 「博物学」についてである。 博物学とは、「およそこの世界にある森羅万象を知り得る限り列挙して記述しようとする学問」(本書…

脳の改変 欲望の空虚

立岩真也『私的所有論』(26) 今回は、第4章 他者 第4節 技術について [1]技術、[2]「私」 である。*1 *2 ここで言う技術とは、人体に対する操作技術を意味するだろう。 この人体に心を含めるかどうか。人体に脳を含めると心が問題になってくる。 この…

ブログの表現スタイルを変更します

1 私は、このブログの「読書ノート」については、これまで(ほとんど)「引用とコメント」というスタイルで書いてきました。しかし今月からは、「要約と私見」というスタイルで書いていきたいと思っています(引用をなくすわけではありません)。 これまで…

私の「紅白歌合戦」(歌謡曲)です

紅組 1 藤井香愛(東京ルージュ) 2 MACO(Kiss) 3 川野夏美(満ち潮) 白組 1 中澤卓也(彼岸花の咲く頃) 2 吉田ひろき(石段) 3 林部智史(あいたい) 下の画像は、林部智史(あいたい)の動画よりキャプチャーしたものです。 東京ルージュ/藤井香愛 …

母屋(一般会計)と離れ座敷(特別会計)

神野直彦『財政学』(12) 今回は、第8章 予算制度の構造と機能 の続き である。 私たちの税金(や保険料)がどのように使われているのかを把握するためには、予算制度をしっかりと理解しておくことが必要だろう。さもないと……。 今回は、本書ではなく、…