浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「黙考」の絵画 - ロバート・マザ-ウェル

大岡信『抽象絵画への招待』(7)。 ロバート・マザ-ウェルは、スペイン内戦をテーマにした「スペイン共和国への哀歌(エレジー)」の連作が有名である。スペイン内戦とは、どんな戦争であったか? マザ-ウェルは、あるとき「最もすぐれた絵画においては…

「見たくない現実を無視する」のは、病気であるか?(1)

ラマチャンドラン『脳のなかの幽霊』(8)。 疾病失認のロイト流の見解と神経学的な見解。 精神分析における「防衛機制」について。 右脳と左脳。脳の情報処理メカニズム。

法とは何か(1) 法は強制秩序なのか?(1)

平野・亀本・服部『法哲学』(1) 私たちは、いろいろなルールの下に生活している、これらのルールは、いついかなる時にも、絶対守らなければならないのだろうか。また、ある事柄に関しては、全くルールがない(自由、野放図)であるが、果たしてこれでよい…

浴衣と団扇

下の写真は、今月より始まったフジテレビのドラマ「恋仲」のオフィシャルサイトから。…浴衣と団扇に注目してみましょう。 浴衣と言えば、夏の風物詩、花火大会に盆踊り。浴衣デートというのは、なかなか粋ですね。(九鬼周造の『いきの構造』が積読になって…

富裕層はリベラルアーツを学ぶ (3) カネまみれのリベラルアーツ

アメリカの政府高官や大学関係者は、専門知識の習得だけに専念させても、イノベーションは起きないことに気付き始めました。無数の学問に触れながら、自分の人生にとって重要なものを生み出すプロセスが重要であると考え始めたのです。 アメリカン・ドリーム…

複数性と公共性(1) 現れの空間

齊藤純一『公共性』(5)。アーレントの公共性概念には2つあって、1つは「現れの空間」であり、もう1つは「共通世界」(次回取り上げる)であるという。「現れの空間」とは、人びとが行為と言論によって互いに関係しあうところに創出される空間、「私が…

セクシー・ストリング・カルテット BOND

ボンド(bond)とは、オーストラリア人とイギリス人の女性4人からなるストリング・カルテット。アンドレ・リュウ(André Rieu, 1949-)とは、 オランダの音楽家・指揮者・ヴァイオリニスト。世界中で演奏活動を行い、ヨーロッパやアメリカで爆発的な人気を…

顔の見えない人々とつながる

<カテゴリー> 私はこのブログに何を書くかを大まかに決めています。 <何故ブログを書くのか?> もちろんこのブログは私の独り言ではありません。私の意見・考えを聞いてもらいたいため書いています。誰に? <心構え> ・できるだけ明晰な文章を書くこと…

クオリア(1)

金杉武司『心の哲学入門』(4) 物的一元論批判のための準備。 クオリアとは何か。

V-POP (ベトナム戦争終結から40年)

ベトナム戦争終結(1975/4/30サイゴン陥落)から40年。とっくに「戦争を知らない子供たち」の時代です。 V-POPの3人の女性歌手を紹介します。これらの曲を聴いていると、もはや「V(ベトナム)」という限定が無意味なようです。(ひょっとすると、…

感覚の社会学

北川東子『ジンメル-生の形式』(9) 社会学的なまなざし 北川は、ジンメルの社会学の構想について、次のように書いている。 時代の「新しい感じ方と新しい願望」が、理論的な認識のありかたを決定的にする、というジンメルの主張は、制度化され自己目的化…

クライン、フランシス(真悟)、ロスコ

大岡信『抽象絵画への招待』(6)。 サム・フランシス、彼は、自分の絵の新しい変化の予感を語りながら、「原型的なもの」への関心を注意深く口にした。 息子のフランシス真悟(1969-)の作品。《Veil (magenta)》2011年。

なぜわれわれは援助しないのか?

児玉聡『功利主義入門』(8) ルワンダの虐殺を扱った映画「ホテル・ルワンダ」 心理的麻痺。共感に訴える力。 共感と反感の原理。 苦難に対する援助は、苦難が生じてくる原因を究明し、それに対応した予防対策を講ずる施策に対してなされるべきである。