浮動点から世界を見つめる (旧:気の向くままに)

井蛙は以って海を語るべからず、夏虫は以て冰を語るべからず、曲士は以て道を語るべからず

「生命」とは何か? バイオインフォマティクス

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(6) 今回は、第1章 生命科学の急発展と「遺伝子」概念の揺らぎ 第3節 ネットワークとしての生命 第1項 バイオインフォマティクス である。 私たちは「生命」について何を知っているのか? タンパク質の…

ダンス、ダンス、ダンス (2)

3種類のダンスを紹介します。好みは人それぞれですね。 1.KーPOP ダンス 1.1 BBoom BBoom/MOMOLAND www.youtube.com 1.2 BOOMBAYAH/BLACKPINK www.youtube.com 米テレビ番組『ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』(The Late Show with…

私と他者(2)

立岩真也『私的所有論』(16) 今回は、第4章 他者 第1節 他者という存在 第3項 他者である私 である。本項は1頁ちょっとの分量しかないが、なかなか手強くてよく分からないい。(私のコメントはどうでもよいので、引用した立岩の文章をよく読んでみて…

財政とは何か? 量入制出の原則 量出制入の原則 大英博物館

神野直彦『財政学』(1) 今回は、第1部 財政学のパースペクティブ 第1章 財政学への旅立ち である。 神野は述べている。 学問の世界を旅する者は、謙虚に先達の知恵に学ばなければならない。先達の知恵に学ぶことは、人間の能力の可能性を信じることでもあ…

主権国家システムの形成

久米郁男他『政治学』(16) 今回は、第7章 国内社会と国際関係 第2節 国民国家システムの形成と拡大 である。 本書における「国家」の定義とは、 近代ヨーロッパが生みだした近代主権国家に限定した場合の近代国家を次のように定義する。 第1に、国境と…

『ダークエロス』の写真家より 村上キヨ ジンナ・チャン(Jingna Zhang)

1.村上キヨ 以上いずれもhttps://www.kiyomurakami.com/ より。 これらの写真には、バッハの「トッカータとフーガ ニ短調」がぴったりくるように感じられる。 トッカータとフーガ ニ短調 Toccata and Fugue d-moll 塚谷水無子 Minako Tsukatani.wmv 2.ジ…

ワーキングメモリは、メインメモリである。

長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(21) 今回は、第12章 記憶 のうち、ワーキングメモリをとりあげる。 ワーキングメモリに関する研究成果は、自閉症や注意欠陥多動障害(ADHD)*1理解を深め、指導方法を改善に導くのに有用であるとされてい…

遺伝子と肥満・アルツハイマー病・身長・自閉症などとの関係 遺伝子型と表現型

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(5) 今回は、第1章 生命科学の急発展と「遺伝子」概念の揺らぎ 第2節「遺伝子」概念の揺らぎ の続きである。 山口は、ゲノム科学の劇的な進歩の中で、分子生物学の大前提の一つである「遺伝子」という…

国際語としての「積読=Tsundoku」、「読書ノート」で取り上げた本とその評価

私の「読書ノート」は、「積読本」から適当に抜き出して、メモとコメントを書いているものです。 本の購入は極力抑えているにもかかわらず、読書スピードが遅いので、積み上がるいっぽうです。 速読術を推奨する人や、読書冊数を自慢する人は、例えば次のよ…

リスクの偏在と社会保障

阿部彩『弱者の居場所がない社会-貧困・格差と社会的包摂』(5)*1 今回は、第5章 包摂政策を考える 第2節 これまでの社会保障を考える をとりあげる。阿部は、「現状の社会保障制度では、現代の貧困や社会的排除のリスクに対応することは難しい」という…

林英哲(海の豊饒、宴) 天野正道(シネマ・シメリック) 喜多郎(太鼓 MATSURI)

https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/what-we-do/support/program/1683/ 1.海の豊饒/林英哲 2.シネマ・シメリック/天野正道 3. 太鼓 MATSURII/喜多郎 4.宴/林英哲 林英哲は述べている。(https://www.sotokoto.net/jp/interview/?id=59) 太鼓…

私と他者

立岩真也『私的所有論』(15) 今回は、第4章 他者 第1節 他者という存在 第2項 私でないのは私達ではない である。 前項(制御しないという思想)においては、他者や世界は、「私が制御しないもの」、「私ではないもの」として在ると述べられていた。…

現代社会の規範問題

平野・亀本・服部『法哲学』(55) 第6章 法哲学の現代的課題 第3節 現代法の新たな課題 である。本節は、現代社会において特に大きな規範問題を生んでいると思われる「医療技術の進歩」、「環境保護の必要」、「情報社会の進展」をとりあげている(本書…

秩序ある世界(平和な世界)はいかにして形成されるのか?

久米郁男他『政治学』(15) 今回は、第7章 国内社会と国際関係 第1節 国際関係の特質 である。 古城(第7章担当)は、「国際関係の構造は、アナーキーであるとみなされている」と述べている。「構造」とか「アナーキー」という言葉の使い方が適切とは思…

色々

デザイン(3) 世界は無数の色に満たされている。一体どれくらいの数の色があるのだろうか?という素朴な疑問がある。答えは、「定義の数だけある」である。 「連続量と離散量」について聞いたことがあるかと思う。 データには、「人数」のように1人2人と数…

記憶の過程

長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(20) 第11章 知覚 の最後に、「知覚の恒常性」という話題があるが、あまり興味が持てないので、備忘としてメモしておくにとどめる。 ある特定の事物を知覚する場合,そこから感覚器官に送られる刺激作用…

新春コンサート

1.Quiet Music,Quiet Scenery,Quiet Mind,静かな音楽,静かな風景,静かな心 https://www.youtube.com/watch?v=iID5SjrrOFg 2.Brian Crain | relax piano music | Красивая инструментальная музыка https://www.youtube.com/watch?v=t-nPYuN2Ark

マタイ効果:持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまで取り上げられるであろう。(マタイ福音書13章12節)

阿部彩『弱者の居場所がない社会-貧困・格差と社会的包摂』(6) 今回は、第4章 本当はこわい格差の話 第5節 格差の増幅 のうち、「マタイ効果」をとりあげよう。 「マタイ効果」とは、「格差は自ら増長する傾向があり、最初の小さい格差は、次の格差を…

美女遺伝子 ミス・キャンパス DNA婚活 イモ掘り婚活

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(4) 今回は、第1章 生命科学の急発展と「遺伝子」概念の揺らぎ 第2節「遺伝子」概念の揺らぎ の続きである。 本書ではふれていないが、まず「美女遺伝子」の話題から。次の画像を見て下さい。 https://…

音楽と絵画のコラボレーション

YYJT(18) 1.Cayetano ~ Fairy Tales/DJ Ravin https://www.youtube.com/watch?v=o-KKwO5l33w&index=8&list=PLHc28rl_dPr_INsm9j6PEB31VvNbCFNj0 Ivan Slavinsky (1) http://www.soseul.pe.kr/xe/index.php?mid=Aura&document_srl=130842&listStyle=viewer&p…

良識ある人間は、「他者性の破壊を抑制しようとする感覚」を持ち合わせているだろう。

立岩真也『私的所有論』(14) 今回は、第4章 他者 第1節 他者という存在 第1項 制御しないという思想 である。 先に見た私的所有を正当化しようとする言説は、あるものがある人が作り出し制御するものであることによって、そのものがその人のものである…

28歳ローラの政治的影響力

インスタグラムで520万人のフォロワーを持つローラ(タレント、モデル)が、辺野古基地反対署名*1を呼びかけ話題を呼んでいる。この署名には、沖縄出身のタレント・りゅうちぇるをはじめ、ウーマンラッシュアワーの村本大輔、ミュージシャンであるASIAN KUNG…

フェミニズムと多文化主義 問われる自由主義的な法秩序構成

平野・亀本・服部『法哲学』(54) 第6章 法哲学の現代的課題 第2節 同一性と差異 である。 人は、同じ人間であっても、性別、民族、人種、国籍、宗教、思想信条、年齢、健康、障害、能力、職業、趣味などの差異がある。そこには、同じ「人間」であるこ…

世界の中心で「君が代」を歌う

久米郁男他『政治学』(14) 今回は、第6章 市民社会と国民国家 第3節 ナショナリズムとコスモポリタニズム のうち、ナショナリズムをとりあげようと思ったのだが、どうも気分が乗らないのでやめにする。話題としては、ベネディクト・アンダーソンの『想…

世界はうつくしい

…… 風の匂いはうつくしい 渓谷の 石を伝わってゆく流れはうつくしい 午後の草に落ちている雲の影はうつくしい 遠くの低い山並みの静けさはうつくしい きらめく川辺の光はうつくしい おおきな樹のある街の通りはうつくしい 行き交いの なにげない挨拶はうつく…

運動知覚 運動視の錯視 アート

長谷川寿一他『はじめて出会う心理学(改訂版)』(19) 今回は、第11章 知覚 のうち、「動きの知覚」である。専門用語の説明は、問題意識なく聞いても、右から左に抜けていくものだが、ちょっとだけ引用しておこう。 運動知覚 対象の動きの知覚、対象の位…

地域コミュニティ 明るい農村 ひるのいこい

阿部彩『弱者の居場所がない社会-貧困・格差と社会的包摂』(5) 今回は、第4章 本当はこわい格差の話 第3節 格差とコミュニティ をとりあげる。 地域コミュニティ 阪神淡路大震災後に、仮設住宅で多くの孤独死が起きてしまった反省もあって、東日本大震…

気の向くままに → 浮動点から世界を見つめる

私はブログを始めたとき、次のような文章を書きたかった。 梢の隙間を洩れて来る日光が、径のそこここや杉の幹へ、蠟燭で照らしたやうな弱い日なたを作つてゐた。歩いてゆく私の頭の影や肩先の影がそんななかへ現はれては消えた。なかには「まさかこれまでが…

遺伝子概念の揺らぎ

山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(3) 今回は、第1章 生命科学の急発展と「遺伝子」概念の揺らぎ 第2節「遺伝子」概念の揺らぎ である。イントロとして、「遺伝子操作ベビー」と「美女遺伝子」について触れようかとも思ったのだが、本節…

私の臓器や性は、根本的なもので、譲渡してはならないものなのか?

立岩真也『私的所有論』(13) 今回は、第3章 批判はどこまで行けているか 第3節 交換と贈与について である。 贈与と売買の差異および共通性 臓器の売買を認めている国は無い。代理母契約についても大勢としては認められていない。 では、善意の提供は認…