浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

黒のイメージ

デザイン(5)

1.我々は黒を尊重しなくてはならない。なにものも黒を汚すことはできない。(ルドン)

NHK日曜美術館で、「見えないものを見る~オディロン・ルドンのまなざし~」が放送された(2018/4/8)。

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「起源」 Ⅱ. おそらく花の中に最初の視覚が試みられた(1883)

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 黒は最も本質的な色彩である。それはパレットやプリズムの美しい色彩よりも遥かに優れた精神の代理人なのである。(ルドン)

ルドンは、見えないものを表現する手段として黒にこだわったという。

ルドンの描く「目」は、誰の目だろうか。見えないものを見つめる目、闇を見つめる目。それはルドンの目なのか、それとも神の目なのか。

ルドンの言葉は面白いのだが、その画には感動するものがない。何故かと考えてみると、それは目が描かれているからだった。自身の目、あるいは神の目を描いて何になるのだろう。「見えないもの」そのものがどれだけ描かれているのだろうか。

ルドンは、植物学者のクラヴォーから影響を受けているという。そして、石版画集「起源」は、当時議論を読んでいたダーウィンの進化論を意識したものらしい。こういう話を聞くと、「見えないもの」とは、肉眼では見えないが、顕微鏡では見えるものらしい。そうだとすると、ますます面白くない。

「物質ではない見えないもの」を描いてこそ、黒(闇)の作者と言いうるだろう。こう考えると、「見えないもの」を描くのに「黒色」である必要はなく、色彩があっても構わない。逆に色彩により、「見えないもの」をよりよく表現できるといえるかもしれない。

 

2.ブラックタイツのデニール

あなたの好きなタイツは?

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冬のマストアイテム!美脚度を左右する黒タイツのデニールの選び方?  https://matome.naver.jp/odai/2144608731396579701

 

糸の種類、使う密度によって透け感は変わります。タイツを買うときに、デニールばかり見てしまいがちですが、デニールはあくまで糸の太さの単位です。質感や、肌触り、繊維の美しさは、その他の要素になります。(https://tabio.com/jp/corporate/news/hidden/4488

透け感(セクシーさ)は、かなり重要な要素であるようだ。

女性誌・「anan」が、男子600人を対象に実施した『セクシーだと思うタイツ』アンケートでは意外(?)な順位に。結果は以下の通り。

1位 黒タイツ(透けあり)

2位 二―ハイソックス

3位 網タイツ

4位 肌色ストッキング

5位 黒タイツ(透けなし)

6位 柄入りストッキング

1位の「黒タイツ(透けあり)」はやはりといったところ。…(以下、略)

https://www.mamatenna.jp/article/44885/

 脳はどのように質感を知覚するのだろうか。

人間は光沢感や透明感、柔らかさなど表面の質感を瞬時に感じとることができます。人間はどのようにして質感を知覚することができるのでしょうか? 物理的には、質感とは表面の反射特性のことです。複雑な凹凸を持つ表面の映像からこの反射特性を推定するのは、非常に難しい問題だと言われてきました。つまり、脳は非常に高度な情報処理のメカニズムを駆使して、質感を判断していると考えられていました。NTT研究所では、人間は映像の中の単純な統計的性質を利用して、質感を知覚しているということを明らかにしました。…(以下、略)

http://www.ntt.co.jp/RD/OFIS/active/2008pdf/pdf/h_ct06.pdf

ならば、男性脳は、上記1位と2位をどのように区別しているのか? 女性は? 有意差はあるのか?

 

3.アイルランドの貧民の子供たちが両親及び国の負担となることを防ぎ、国家社会の有益なる存在たらしめるための穏健なる提案(スウィフト)

スウィフトは、膨大な数の貧民が数多くの子供を抱えて飢えるアイルランドの窮状を見かねて、彼らに経済的な救済をもたらすと同時に人口抑制にも役立つ解決策を提案した。その提案とは、貧民の赤子を1歳になるまで養育し、アイルランドの富裕層に美味な食料として提供することである。…健康な幼児の肉は極めて美味とされていることから、貴族富豪の美食の宴席に供することもできる。この方策によって貧民は所得を得ることができ、子供が間引かれるので養育費の重い負担もなくなる。食われる当の赤子も、堕胎や口減らしのための嬰児殺害の犠牲とならずにすみ、またどのみち生涯全体にわたり貧困や飢餓によって不幸な人生を送るのであるから、たとえ食われるためであっても1歳まで充分な養育を受けるので幸福であろう。国や教区にとっては貧民対策の負担という損失がなくなり、国家の財産が増大する。そして堕胎を禁じているため多産種のカトリック教徒の数を減らすこともでき、八方めでたしである。(wilipedia)

人肉が美味であるか否かを、食べてみる前から判断してはならない。おそらく調理法によって、美味に仕上げることができるだろう。功利主義を信奉する者は、この「穏健なる提案」を支持するだろう。大衆の「嫌悪感」は、「穏健なる法制化」と「穏健なる教育」によって、払拭されるだろう。

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【凡人には理解できない】富裕層は毎月100万円分の肉を食べる!いったいなぜ??

(http://kimublog.net/archives/121240)

 

こんな記事があった。

昨年[2017年]12月には、世界で初めて人肉を提供するレストランが東京にオープンした、という情報が世界を駆け巡った。日本政府や関係者は、完全なフェイクニュースだと否定した。

一方、2017年にはロシア南部クラスノダール地方で、少なくとも30人を殺害し人肉を食べていた疑いで実在の夫婦が逮捕されている。英紙メトロによれば、ナタリア・バクシェーエフとドミトリー・バクシェーエフは、人肉ミートパイを作って、地元の飲食店経営者に試食させようとしていたという。士官学校の寄宿舎で生活していた夫婦の家からは、塩漬けされた人肉や袋詰めされた遺体の頭部が、台所の冷凍庫からは人体の一部が見つかった。ナタリアから人肉ミートパイを買った士官学校の学生もいた、とする記事もあった。

https://plaza.rakuten.co.jp/happymomoneko/diary/201811080001/

 生物界には、カニバリズム(共食い)があると聞く。人肉食が病気を引き起こすかもしれないが(クールー病)、それは部位や調理法によるだろう*1。…健康に問題なく、社会全体として「幸福」になれば、「妖精肉」として供されることになるだろう。

*1:(関連参照)人肉食が予防した不治の病(Newsweek日本版)https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/06/post-3694.php