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気の向くままに

形而上学・倫理学・法哲学・社会学・自然学・美学・その他諸々について書いてみたい幼稚園児のブログです。まあ、しかし焦らずにゆっくりと、気の向くままにいきましょう。

幻のSTAP細胞2  STAP細胞とは何か?(1)

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受精:この画像は、Introduction to Cellsから切り取ったもの。YouTubeでご覧ください。なかなか良いと思いますよ。https://www.youtube.com/watch?v=gFuEo2ccTPA

www.youtube.com

私はど素人なので、「STAP細胞とは何か」なんて書けない。ただ、現在どのように理解しているかについては書ける。だから解説文ではない。「幻のSTAP細胞1 はじめに」で述べた関心からのSTAP細胞の(引用だらけの)理解である。…「幻のSTAP細胞3 魔女狩り」で述べることの前提知識なので、私のようなど素人の方はぜひ読んでみてください。

 

さてSTAP細胞について理解するためには、まず「幹細胞」についての理解が不可欠であると思う。この「幹細胞」については優れた解説文がある。SKIP(Stemcell Knowledge & Information Portal)による「幹細胞」についての解説である。ES細胞やiPS細胞についてもふれている。https://www.skip.med.keio.ac.jp/stemcell/

素人にもわかりやすい文章である。(原文を読んでもらいたいが)いくつかピックアップしておこう。

私たち人のからだは受精卵というたった一つの細胞から始まっています。

細胞は分裂や分化を繰り返し、皮膚や心臓といった組織や器官となって私たちのからだを構成しています。また、私たちのからだの中では組織や器官を一定に維持するために、常に細胞が新しい細胞を作り出し、古くなった細胞と入れ替わっています。このような私たちのからだの中の再生能力のカギとなる細胞が「幹細胞」と呼ばれるものです。

わたしたちはみな、自分たちのからだのなかに、皮膚や血液のように、ひとつひとつの細胞の寿命が短く、絶えず入れ替わり続ける組織を保つために、失われた細胞を再び生み出して補充する能力を持った細胞を持っています。こうした能力を持つ細胞が「幹細胞」です。

幹細胞と呼ばれるには、次の二つの能力が不可欠です。一つは、皮膚、赤血球、血小板など、わたしたちのからだをつくるさまざまな細胞を作り出す能力(分化能)、もう一つは自分とまったく同じ能力を持った細胞に分裂することができるという能力(自己複製能)です。

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幹細胞は大きく2種類に分けられます。一つは、皮膚や血液のように、きまった組織や臓器で、消えた細胞のかわりを造り続けている幹細胞です。このタイプの幹細胞は「組織幹細胞」と呼ばれています。

もう一つは、ES細胞(胚性幹細胞)のように、わたしたちのからだの細胞であれば、どのような細胞でも作り出すことのできる「多能性幹細胞」(Pluripotent Stem Cell)です。つまり、多能性幹細胞は、わたしたちのからだのなかにある様々な組織幹細胞も作り出すことができるのです

この「多能性」という言葉が、ひとつのキーワードである。

わたしたちのからだは60兆個〜100兆個の細胞からできています。これらの細胞をさかのぼると、みな一つの同じ細胞、受精卵にたどりつきます。わたしたちのからだは、この受精卵が分裂を繰り返すことによって出来上がるのです。

からだを構成する細胞は、生殖細胞と体細胞の2種類に大別されます。生殖細胞卵子精子になる細胞で、親の遺伝子を次世代に伝えるための特別な細胞です。生殖細胞以外の細胞は体細胞と呼ばれ、皮膚や血管、肝臓などの器官や組織を構成しています。

からだを構成する細胞の始まりである受精卵は卵子精子が融合してできる一つの細胞です。

受精が完了すると、発生がはじまります。受精卵は、同じDNA配列を複製しながら分裂を繰り返します。

すべての細胞は1つの受精卵から受け継いだ同じDNA配列を持っていますが、それぞれの細胞で、使われている遺伝子と使われていない遺伝子の組み合わせが異なるため形や機能の異なる細胞になるのです。

受精卵からはじまった細胞が分化していく過程で、遺伝子のオン・オフが固定化されます。この固定化の選択は、細胞が分裂するときも引き継がれていきます。

イモリの足が切断されても再生してくることは聞いたことがあると思うが、眼や心臓も再生できる。

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図:イモリの水晶体再生の過程

このようなイモリの再生は、種々の遺伝子の発現調節で行われています。イモリの組織再生に関わる遺伝子を特定し、わたしたちヒトの遺伝子と比べることが、ヒトの組織の再生への足がかりとなるかもしれません。

興味深い話である。イモリの死と再生は、人間の再生医療の倫理を考えるにあたって参考になるかもしれない。

次に「初期化」の話が出てくる。今回のSTAP細胞を理解するためのキーワードである。

「初期化」とは、細胞がそれまでに継承・蓄積してきた厳重な固定化=エピジェネティックな標識=を消去・再構成し、受精卵並みの分化能を取り戻すことで、「リプログラミング」という言い方もします

山中教授は、体の細胞を初期化するという、将来の医療に大きな変革をもたらす新技術を生み出しただけでなく、「初期化=生命の出発点への巻き戻し」という生物学上の根源的な謎の正体に初めて近づいたのでした。

多能性幹細胞(Pluripotent Stem Cell)にはいくつかの種類がある。ES細胞とntES細胞とiPS細胞であるが、今回話題になったES細胞の説明を引用しよう。

ES細胞(胚性幹細胞:Embryonic Stem Cell):胚は、受精卵が数回分裂し、100個ほどの細胞のかたまりとなったものです。この胚の内側にある細胞を取り出して、培養したものがES細胞です。ES細胞は他人の受精卵から作られた細胞であるため。移植すると拒絶反応がおきてしまう問題があります。また、生命の源である胚をこわして作るという倫理問題を含んでいます。…京都大学の山中教授らがヒトiPS細胞の樹立を発表するまで、再生医療研究のもっとも中心的な存在として注目された細胞がES細胞です。

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図:ES細胞樹立の流れ

ESとは「Embryonic Stem Cell」の略で日本語で「胚性幹細胞」、つまり胚の内部細胞塊を用いてつくられた幹細胞です。そのために「万能細胞」と呼ばれることもあります。1981年にイギリスのエヴァンスがマウスES細胞を樹立したのがそのはじまりです。

ES細胞発生初期の胚の細胞からつくられるため、受精卵に非常に近い能力を持っていて、私たちのからだを構成するあらゆる細胞へと変わることができますES細胞は、適切な環境さえ整えれば半永久的に維持することができるといわれています。この維持培地から、神経や血液などを培養する条件に近い環境へ移すと、その環境に応じてさまざまな細胞に分化していくこともわかりました。