神野直彦『財政学』(38)
今回は、第15章 要素市場税の仕組みと実態 の続き(p.215~)を読む順序であり、次のような内容からなる。
本章の最後に神野はこう述べている。
……こうして法人税は、課税の根拠を明確にすることができないまま、揺れているとい
うのが現状である。
私は最初、法人擬制説と法人実在説にふれて、配当の二重課税問題を概観しようかと思っていたが、どうにもすっきりしないので、これは別途とすることにしたい。
法人税を考えるにあたっては、
- 法人税の根拠は何であるのか。
- そもそも法人とは何であるのか。
- 「法人」と、「団体」、「組織体」、「共同体」等は、どう異なるのか。
- 協働組合、NPO法人、宗教団体、学校法人、同好会、後援会、町内会、家族等は、どういう存在なのか。
- 「グローバル企業」は、どういう存在なのか。
以上のようなことを明確にする必要がある。(一国内の株式会社に限定して、法人税を考えるべきではない。「要素市場」に拘る必要もないように思われる)。
「租税」とは、「団体/組織体/共同体」の活動を可能ならしめる拠出金のようなものではないかと思うのだが、上記を明確にした上で、拠出金をどのように算定すべきかを考える必要があるだろう。
「協同労働」実現する労働者協同組合法が成立 多様な雇用機会の創出に期待(2020/12/5、東京新聞)