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COVID-19:ウイルス1個では感染しないよ! - 「PCR検査陽性で隔離する」ということについて(2)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(40)

前回、PCR検査のCT値と増幅曲線について概観した。今回は理解不十分なところをもう少し詳しく見ていこうと思っていたが、それは後回しにして、何故これ(PCR検査-CT値)を問題にするのかを先にメモしておくことにしよう。(誤解があれば指摘してください)

その前に、次の動画を紹介します。

【宮沢孝幸准教授】PCRの重大問題!どーするCt値?Part2

www.youtube.com

 

宮沢は面白い「例え話」をしている。

ウイルス1個では感染しない。集団で感染する。精子と思ったらいい。精子の濃度が薄かったら受精できない。卵細胞のところにバリアーがあって、みんなでわっしょい、わっしょいやって溶かしている。最後ラッキーな奴がぴっと入る。 

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画像:https://www.youtube.com/watch?v=gFuEo2ccTPA より

 

柳ヶ瀬によれば、国立感染研のマニュアル*1では、45サイクルまわす必要があるという。38から39サイクルまわすと、ウイルス1コピーの増幅が確認できる。従い、安全をとって40サイクル。40サイクルで立ち上がりを見るためには、45サイクルまで回さなくてはならない、ということらしい。これは、すなわちウイルス1個を狙っているということである。(サイクル=Ct値)

ウイルス1個では人にうつさないのであるが、いまのPCRはそのようなウイルス1個を狙うような検査であり、45サイクルまわして、閾値を超えていれば、「陽性」と判定しているらしい。

もう一つ「例え話」があった。「鳥取砂丘で、ちっちゃなガラスのひとかけらを見つけて、鳥取砂丘を立入禁止にしているようなものだ」と言う趣旨の話である。(そんなのあっても、靴をはいていれば何も問題は無いだろうに…)

検査機関は統一した基準で検査しているのだろうか。更にこれは「国際基準」なのだろうか。どうも国によってバラバラらしい。仮に「国際基準」であっても、その陽性/陰性判定が「妥当」なのかどうか。

 

いまは、「治療」の話ではなく、「防疫」(感染拡大を防止する)の話をしている。ウイルス1個では人にうつさない。ならば、検査が正しく行われて「陽性」と判定されても意味がないだけでなく、有害である。現状、「陽性者」は「隔離」されなければならない(自宅療養を含む)。公務員や大企業に勤務している者ならいざしらず、中小企業に勤務している者や個人事業主にとっては、大きなリスクが予想される。「隔離させられた」と思うだろう。

 

確たる証拠がないのに、「容疑」(犯罪を犯す可能性がある)だけで、「隔離収容」することが認められることだろうか。これは「赤狩り」やナチズムに通じる思考回路ではないか。

「容疑」の程度が問題である。人の集まる場所で、大声を出して、刃物を振り回している者がいれば、身柄を確保しなければならない。しかし、包丁を持っているだけで、身柄を確保しなければならないのかどうか。どのような場所で、どのような時間に、…などの「状況」により、「容疑」の程度が異なるだろう。

 

ウイルス1個でもあれば陽性判定され、「感染者」にカウントされる。そして感染者が増えた、減ったと騒ぎたてる。あまりに幼稚で、雑な議論ではないか。

ウイルス1個の陽性者は、どれほど危険で「隔離」しなければならないのか。どれほどの容疑がかかっているのか。

ウイルス100個の陽性者ならどうか。ウイルス1000個、ウイルス10000個の陽性者ならどうか。ウイルス量(PCR検査は定量検査である)と人にうつす確率の実証データはないのだろうか。

もちろんウイルス量だけではない。人にうつすかどうかには多くの要因があるだろう。うつされる側の人の要因も多々あるだろう。人とは関係のない「制度」の要因もあるだろう。

 

感染者のCt値、年齢、性別、症状の程度とその変遷、基礎疾患の有無(単なる有無だけでなく、基礎疾患とされる要因の定量データ)、既往歴、服薬状況、職業、制度…などの属性/要因を整理して、実証分析すべきである。それをもとに、隔離(入院)、隔離解除(退院)基準を定めるべきだろう。経験則だけではない基準が望まれる。

旧態依然とした予防策は、この情報化時代にふさわしいものとは思えない。

 

PCR陽性者数のみを見て、第2波だとか、第3波だとか、ロックダウンだとか、マスクだとか…。(素人が言うのもおこがましいが)低レベルな議論や報道はやめたほうがいいだろう。

 

世界各地のCOVID-19の流行状況は、どのように分析されているのか。日本と何が同じで、何が違うのか。(なぜ重症化するのか、なぜ死亡に至るのか、その原因は何なのか?)。

感染症専門家はどのように分析しているのだろうか。中間総括をしているのだろうか。

政治家はどのように分析しているのだろうか。中間総括をしているのだろうか。

感染症専門家や政治家は、(新型コロナとは異なる)来るべき感染症に対する備えを考えているのだろうか。

マスメディアの報道からは、このような点について、何も伝わって来ない。聞こえてくるのは、GO TO ~ばかり。

「官僚」は何を考えているのだろうか。 

*1:

国立感染症研究所「病原体検出マニュアル 2019-nCoV Ver.2.9.1」(R2.3.19)

https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV20200319.pdf