浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

COVID-19:災難にあう時節には災難にあうがよく候。死ぬる時節には死ぬがよく候。これは災難をのがるる妙法にて候(良寛)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(14)

そろそろ「総括」を始めてもよい時期かもしれない。「有識者」により、すぐれた論考が出てくるだろう。

■正しく恐れる

■冷静な頭脳と温かい心

 

現時点で、今後のために考えておかなければならないと思うことは以下の点である(あまり考えていない思いつきだが…)。

  • COVID-19パンデミックは、人災である。リーマンショック以来と言われる不況は人災である。
  • COVID-19パンデミックは、メディアが不安を煽っている「インフォデミック」である。
  • メディアは、イタリア、スペイン、フランス、イギリス、アメリカの状況を、不安を煽るようなかたちではなく、分析的な情報を報道すべきである。なぜ、欧米先進国とされている国で流行したのか。
  • 日本ではなぜ人口当り死者数が少ないのか。説得力のある分析的な情報は出ているのだろうか。(現時点での結果論なのだが、これまでの対策は、問題は多々あるが、概ね成功してきたと言えるかもしれない)。
  • PCR検査のデメリットを考慮しない素朴な「PCR拡大論」を唱えるメディア・政治家・一部科学者は、医療統計の基礎を理解せず、不安を煽っている。
  • メディアは、感染症専門家の意見を正しく報道すべきである。(一枚岩ではないかもしれないが、共通理解と異なる部分を正確に報道すべき。科学の議論であり、政治的思惑は排除すること)。
  • PCR検査するかどうかを医師の判断に委ねるというのは基本的に正しいだろうが、過剰な検査になる可能性がある。検査をしたところで、重症者を治療できない。死ぬときは死ぬ。(対症療法は治療ではない。治療法が確立しているわけではない)。このことを冷静に受け止めておくべきである。

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http://www.plinst.jp/musouan/26.html

 

  • 偽陰性」は、外出自粛や社会的距離を保つことを要請するが、これは行き過ぎの感がある。インフルエンザで外出自粛や社会的距離を保つことを要請するのだろうか。風邪なら外出しない、少し熱や咳が出たところで医者にはかからない。こんなことは当たり前のことである。
  • 特に「社会的距離」云々で、1~2メートルあけよとか、テレワークとか、大いに疑問である。「まともな行動ができない非常識な者」(熱や咳が出たら休む、長引いたり、風邪とちょっと違うかなと思えば医者にかかる、というのは「常識」)にどう対処するのかを考えなければならない。
  • COVID-19を、さまざまな感染症の中に位置づけるべきである。他の感染症の場合は、どういう流行の経過をたどるのか。感染者はどの位で、死者数はどれ位か。三大感染症と呼ばれるエイズ結核マラリアの現在の状況はどうなっているか。COVID-19に近い風邪(普通感冒)、インフルエンザ(流行性感冒)、肺炎の状況はどうなっているか。COVID-19のみ、大々的にとりあげる理由は何か
  • エイズ結核マラリア、インフルエンザ(流行性感冒)、肺炎の流行には、緊急事態宣言を出さずに、なぜCOVID-19は緊急事態宣言なのか。
  • 検査の前の検疫・防疫体制はあまり言及されることがないが、感染症予防の最も基本となるところではないか。海外(空港、港)からの流入だけでなく、例えば国内の牧場における防疫体制。粛々と対策を講じること。
  • 検疫・防疫体制をくぐり抜けてきた感染者とその接触者の行動規制のありかた。
  • ウイルスのグローバル拡大は、国家単位ではなく、グローバルな対策を要請する。しかるに国家単位の対策に狂奔する。WHOの機能強化の話が聞こえてこない。
  • ウイルスは「敵」ではない。ウイルス対策は、「敵と戦う」ことではない。ウイルスとの「共生」の可能性を探るべきである。野生動物とウイルスの関係はどうなっているのか。人間と動物との関わり方に問題はないのか。自然環境はどうなっているのか。