浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

COVID-19:鳥の目、虫の目、魚の目、心の目

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(15)

※ 当ブログのCOVID-19関連記事リンク集 → https://shoyo3.hatenablog.com/entry/2021/05/06/210000

(COVID-19にのみ注目する)一点集中ではわからないことがある。今回のコロナ騒動でそのことを痛感する。

■正しく恐れる

■冷静な頭脳と温かい心

 

私はかって別のところで、

■鳥の目、虫の目、魚の目、心の目

という記事を書いたのだが、いまそれを思い出した。(それぞれの目がどういう意味かは、ネット検索すれば出てくる)

以下のような内容である。

  • 鳥の目:全体像をしっかりと見渡す能力。全体を俯瞰する力。
  • 虫の目:細部まできちんと見極める能力。部分に注力して見る力。
  • 魚の目:時間の流れの中で、今の位置とこれからのことを見通す能力。時流の変化を見る力。
  • 心の目:やり遂げようとする意志の力。

判断は鳥の目で、決断は魚の目でする。虫の目は判断する目ではなく、判断をするための道具である。判断は鳥の目がなければできない。いつも全体的な観点から問題を認識し、虫の目で調べた情報をもとに判断する。

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今回のCOVID-19 に関しては、(偉そうなことは言えないのだが)鳥の目、虫の目、魚の目が、いずれも曇っていたよう思う。私の目の曇りは、何も実害はないのでいいのだが、影響力のある人たちの目の曇りは大きな実害をもたらす。政治家、メディア、科学者の目がそれである。

 

既に大きな実害が生じている。この頃ようやく沈静化しつつあるようだが、今後第2波・第3波がくるとか、無症状感染者の早期発見のためにPCR検査を拡大せよとか、中国・韓国で再び集団感染が発生したとか、今後も「社会的距離」を保てとか、……「騒ぎすぎ」であるのみならず、「どこか狂っている」と感じる。前回の記事(2020/5/11)で、COVID-19パンデミックは、人災であり、インフォデミックであると書いたので繰り返さない。

 

COVID-19に関連した「鳥の目」とは何か。まずは、COVID-19を呼吸器系疾患の一つ、感染症の一つとして把握することである。更には、COVID-19死者数をすべての死因の一つとして把握することである。

ここでは、交通事故による死傷者数を見てみる。

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https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/r01kou_haku/pdf/zenbun/1-1-1.pdf

 

平成30年の数字は、死者数(30日以内):4,166人、負傷者数:525,846人、重傷者数:34,558人、事故発生件数:430,601件である。毎年減少してきてはいるが、これだけの死傷者がいるのである。

COVID-19の死者数は668人、重症者は259人である。(厚労省、2020/5/13 0:00現在)

交通事故は、全国どこでも発生している。なぜ、緊急事態宣言を出して、外出自粛を要請しないのか。

メディアは、昨年、高齢者ドライバーだけをクローズアップしていたが、高齢者の歩行中や自転車運転の被害をなぜ取り上げないのか。

私自身は、毎日の通勤に車を使っているので、COVID-19に感染するよりも、交通事故のリスクが非常に高いと思っており、気を付けている。

 

言うまでもなく、COVID-19を軽視して良いと主張しているのではない。日本だけでなく、欧米においても、過去の「感染症」にどれだけ学び、対策を講じてきたのか甚だ疑問である。(■正しく恐れる

世の中には、自然災害や戦争や労災や食中毒や…さまざまなリスクが存在する。それらのすべてに「最悪の事態を想定する」ことなど不可能である。バランス感覚が必要である。

 

冒頭に書いたように、

判断は鳥の目で、決断は魚の目でする。虫の目は判断する目ではなく、判断をするための道具である。

今回の政府対応を見ていると、いずれも目が曇っていたよう思う。