新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(31)
何度も同じような数表をのせているが、下表は2020/8/19現在のものである。(厚労省の「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向」の「年齢階級別死亡数」のグラフ数字から作成)
年齢階級別死者数(週別・新規)
(死亡率=年齢階級別にみた死亡者数の検査陽性者数に対する割合)
死者全体の94%が60歳以上である。死亡率は、高齢になればなるほど大きくなっている。(欧米でも同様らしいが、マスメディアによる報道がない)
この表を見ていて、COVID-19には、「風が吹けば桶屋が儲かる*1」というのと同じ論理が働いているのではないかという疑問を抱いた。
葛飾北斎作の富嶽三十六景「尾州不二見原」、桶を製作する江戸時代の職人(Wikipedia)
このブラックボックスに何が入るかは、脚注1を参照。
欧州、米国と続いた感染爆発時は、次のようなイメージであった。
図1
しかし、第1波(?)が過ぎて、現時点の日本(マスメディアの(一部)報道や、都道府県・市町村の首長のレベル)では、次のように変わってきていると思う。
図2
7月以降、感染者や重症者・死者数が増えていると騒いでいる(数字の分析情報がない)。コロナウイルスに感染すると、無症状であっても、高齢者に感染させる危険があるので、「PCR検査を、無症状者にまで拡大することによって、感染者をあぶりだし(隔離し)、高齢者が重症化し死ぬことのないようにしよう」というのである。
テレビは、ようやく重症者や死者数を報告するようになってきたが、極めて重要な「年齢階級別重症者・死亡者数」を報道しようとしない。(厚労省データもわかりにくいところにグラフ表示されているだけである)。
「無症状者」が高齢者に感染させると言いながら、では実際にどれ位の数の感染があったのかの報道もない。
重症者・死者が増えてきたというが、いつ感染したか、いつ発症したかについての報道もない。
今回の記事は、「コロナウイルスに感染すれば、高齢者は重症化し死ぬリスクが高い」という部分について、疑義を呈するものである。
図3
図3に示したように、ブラックボックスがあると思う。
典型的には、肺炎である。重症化し死ぬというとき、人工呼吸器を必要とするような肺炎になって死ぬのである。そして重症肺炎になると、肺機能だけでなく全身のバランスが乱れ、心不全、腎不全、敗血症(感染による炎症に関連する物質が全身に悪影響を与える)、血圧が低下したショック状態、意識障害を合併しやすいといわれる。(https://medley.life/news/5e8a772fec86545030e9fb49/)
私は、医学的知識はないので、ブラックボックスの中身を説明することはできないが、「免疫」、「サイトカインストーム」がポイントなのかなと予想している。自己治癒力(免疫力)低下が最大の要因であると考えるのは自然なことだと思う。だからなぜ自己治癒力(免疫力)が低下するのかという話になるのだが、それは科学で解明できるのか疑問である(言い換えれば、なぜ老化するのか、ということである)。
高齢者が「老化して死ぬ」ということと、「コロナで死ぬ」ということの間にどれほどの差異があるのか?
ブラックボックスの中身が、A→B→Cと表されたとしよう。①高齢者がコロナウイルスに感染(検査陽性)→A、②A→B、③B→C、④C→重症化、⑤重症化→死 という流れで、それぞれの確率はどれ位か。また例えば、Aになる要素にSがあるとしたら、S→Aの確率はどれ位か。それぞれの確率を考慮すれば、①高齢者がコロナウイルスに感染(検査陽性)→⑤重症化→死の確率は、きわめて小さくなるのではないかと考えられる。
高齢者の死のリスクを評価するには、このようなデータが不可欠だと思うのだが…。「高齢者に接触するな」とか、「検査陽性者を隔離せよ」とか、前科学的な対策に思えてしかたがない。
【参考動画】
【新型コロナ】現地日本人医師に聞く「スウェーデン方式の真相」【前編】
【新型コロナ】現地日本人医師に聞く「スウェーデン方式の真相」【後編】
【新型コロナ】そうだったのか!免疫学の基本
*1:
- 風が吹くと土ぼこりがたち、それが目に入ることで盲人が増える。
- 盲人は三味線で生計を立てようとするので三味線の需要が増える。
- 三味線には猫の皮が張られることで猫が減る。
- 猫が減るとねずみが増える。
- ねずみにかじられる桶が増えることから、桶を売る桶屋が儲かる。