浮動点から世界を見つめる

「井蛙」には以って海を語るべからず、「夏虫」には以て冰を語るべからず、「曲士」には以て道を語るべからず

COVID-19:そのデータ信用できますか?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(44)-Q&A(3)

Q&A[素人の自問自答]の3回目です。 

Q7:今回の「第3波」では、「高齢者」の感染が増えていると報道されていますが、どう考えますか?

A7-1:高齢者の感染が増えていると言われるが、年齢別の感染状況(データ)の日々の公表がないので、判断できません。

次の表を見てください。

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「公表」とあるのは、下記数表の「国内事例」の数字です。

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https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15047.html

「年代別」とあるのは、新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(2020年11月25日18時時点)(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000698668.pdf)にある数表の合計数値です。なお、今回より、様式及び公表項目が変わっています。(「重症者割合」を重視した変更になっています)

さて、最初の表で「差異」を計算しておきましたが、「死亡者数」が83人も違っています。このような最重要な間違えようもないような項目でこれだけ違うというのは信じられません。

「入院治療等を要する者」、「重症者数」に至っては、滅茶苦茶に違っています。

もちろん、「注記」はあります。新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(2020年11月25日18時時点)の注記にはこうあります。

  • これらの分析は年齢階級や入退院の状況など陽性者の個別の状況について、都道府県から厚生労働省が情報を得られたものを集計しており、総数は現在当省HPで公表されている自治がウェブサイトで公表している数等を積み上げた陽性者数・死亡者数とは一致しない。
  • これらの分析は年齢階級や入退院の状況など陽性者の個別の状況について、都道府県から厚生労働省が情報を得られたものを集計しており、総数は現在当省HPで公表されている自治がウェブサイトで公表している数等を積み上げた重症者数とは一致しない。

「感染者」が増え、「重症者」が増え、「医療崩壊」が危惧されると言いながら、この滅茶苦茶な差異はいったい何なんでしょうか。このようなことで政策判断ができるのでしょうか?*1

A7-2:上述の通り、年代別の数字にはいい加減なところがあるのですが、それでも「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向」のグラフ数字から、60代、70代、80代以上の「死者数」の推移をグラフにしてみましょう。(50代以下は、無視できるほど少ない)

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横軸は「週」、縦軸は1日平均の死者数(1週間の数字を7で割ったもの)です。(毎日公表があれば、7日移動平均をとるのですが、大体の傾向はわかります)。

  • 4月22日以前の数字がありません。
  • 6月24日の数字は「異常値」ですが、遡及して訂正の数字はありません。都道府県はどういう集計をしているのだろうか。厚労省都道府県に何も言わないのだろうか。「第1波」の形がわからず比較障害となる。
  • 日本全国126百万人のうち、1日平均で0~10人の死者数である。これをどう評価するか? 第3波到来で、「医療崩壊」でしょうか?

医療崩壊」の話は、次回にしましょう。(私は、まだ医療崩壊するとも、しないとも言っていません)。