浮動点から世界を見つめる

井蛙には以って海を語るべからず、夏虫には以て冰を語るべからず、曲士には以て道を語るべからず

COVID-19:死者100万人を超える、ハエを殺すのにハンマーを振り下ろす(テグネル)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(37)

世界全体の累計死者数が100万人を超えるのは時間の問題である。マスメディアはどのような報道をすることやら……。

今回は、国別の死者数のデータをみておこう。Our World in Data のサイト

https://ourworldindata.org/grapher/confirmed-covid-19-deaths-total-vs-daily?time=2020-01-22..latest)にあるCOVID-19のさまざまなグラフ表示がなかなかの優れものであるように思う。

 

全体概要といくつかの国をピックアップしたものを、googleスプレッドシート*1に貼り付けておいたので、下記リンクより参照願いたい。(感染者数と死亡者数だけではダメで、年齢別等さまざまな角度からの分析情報が必要なのだが、ここではふれない)

covid-19 Charts - Google ドライブ

 

図1(日別・累計死者数)

  • 横軸は「累計死者数」。縦軸は「7日移動平均の死者数」である。
  • 国は指定できるので、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、中国、日本をとりあげた。
  • 国別に、日々の死者数と累計の死者数とを、同一のグラフで表示するという優れものである。
  • ▲の向きが直近の傾向を表しているようである。
  • 時系列も指定できるので便利である。

 

図2 日別死者数の推移(世界全体)

  • 全体としては横ばいである。毎日、4000~6000人が死んでいる。
  • ここでは表示していないが、インドの増加が大きい。ブラジル、米国はピークを越えたようである*2

 

図3 アメリ

  • 7日移動平均にしてみたら、わかりやすいかもしれない。
  • 気になるニュースがあった。米疾病対策センター(CDC)は今月、新型コロナウイルスによる米国の死者について、このウイルスのみが原因の死者は全体の6%だと発表した、という*3。複合要因で死んだというのが正確なのだろう。(WHOが定めるICD10コーディングが問題?*4

 

図4 スウェーデン

  • 終息しているようだ。もっと注目して良いのではないか。下記(補足)参照。

 

図5 インド

  • インドのニュースはあまり聞かない。欧米はとりあげるが、中南米やインドや中東などは、とりあげるに値しないのだろうか。
  • 異常値があるが、これは何だろうか。

 

図6 日本

  • (上図) 2020/4/23の死者数101が「異常」である。死者の定義の変更や報告タイミングが影響しているのではないかと思うがよくわからない。
  • (下図)7日移動平均の数字である。
  • 100万人あたりなど、いろいろな指定ができて便利である。

 

(補足)

スウェーデンの政策は興味深い。以下は、courrier japanの記事より*5

  • 彼(対策の責任者アンデルス・テグネル)の指揮のもと、スウェーデンは国家主導のロックダウン(都市封鎖)をおこなわず、学校もレストランも国境も開放したままにしておく方針をとった。マスクの着用も義務づけられてはおらず、世界はテグネルを「非常に偏向した人物」と見なした。
  • 一方、スウェーデン国民の大半は、科学を感情の犠牲にしたような施策を各国が断行するなか、我が国の疫学官の対策はきわめて理に叶っていると、テグネルを高く評価している。
  • テグネルが、国家によるロックダウンを否定しているのは間違いない。それは「ハエを殺すのにハンマーを振り下ろすようなものだ」と彼は言う。
  • 彼が考案した対策は何年にもわたり持続可能だし、他の欧州諸国のように変更を重ねて市民社会に打撃を与えたりしない。
  • テグネルは言う。「閉鎖と開放を繰り返すのは非現実的です。学校を開けたり閉めたりすれば、パニックになるだけ。レストランだってそうです。一度や二度ならまだしも、繰り返せば市民は参ってしまいます。経営者側も、完全に閉鎖する以上に疲弊してしまうでしょう」
  • ポピュリスト右派のスウェーデン民主党は、介護施設にいる高齢者のうち数千人が感染した責任で、テグネルの辞任を要求している。スウェーデン国内の人口当たりのコロナ死亡率はヨーロッパで5番目に高く、隣国デンマークの5倍、ノルウェーフィンランドの10倍にもなるのだ。
  • 米紙「ニューヨーク・タイムズ」はスウェーデンを「パーリア国家(国際社会から孤立している国家)」「コロナ禍の世界の反面教師」と呼んだ。
  • (テグネルは言う、8月下旬)「対策に取り組みはじめた当初から、私たちは持続可能かどうかについて重点を置き、拙速な解決策には抵抗してきました。新型コロナは簡単に対処できるものでも、短期間で終息するものではないし、ひとつ対策を打てばすべて解決する類の問題ではありません。長期にわたって付き合っていかねばならない感染症であり、それを見据えたシステムを作る必要があると考えました」
  • スウェーデンのこのゆるいアプローチを牽引したテグネルによれば、ときおり発生する局所的な集団感染を除けば国内の感染は「小さな拡大」になるだろうとのことだ。
  • 集団免疫を獲得する戦略」は、コロナ対策で大きな争点になったもののひとつだ。テグネルは、感染率が低下するまでウイルスを蔓延させ、免疫を獲得させることがスウェーデンのコロナ対策の目的ではないと強調する。それでもやはり、スウェーデン国内の感染者が減少している理由のひとつに集団免疫の獲得があげられるという。*6

  • ヨーロッパで他にロックダウン(都市封鎖)しなかったのは強権国家ベラルーシだけだと私が言うと、彼は神経質そうな笑い声をあげ、「それは比較にならないな」と言った。アメリカのリバタリアンと、イギリスのブレグジット[EU離脱]支持派がスウェーデンの対策を強く支持していることに言及すると、彼は居心地悪そうにひとことだけ返した。「敵の敵は味方、ということなのかね
  • (テグネルは言う)「私は病院で働いているときにインフルエンザの流行も見たし、患者が押し寄せて病院がパンクした現場も経験しました。アフリカでエボラ出血熱の治療もしました。だから病気が社会とシステムにどのような影響を与えるか、よく承知しているんです」
  • いまの自分をかたち作ったのは1995年にコンゴ(旧ザイール)でエボラと戦ったことではなく、その直前にラオスでWHO(世界保健機関)の一員としてワクチン接種プログラムに携わったことだという。
  • 「このとき私は、公衆衛生において幅広い視野を持つことの重要性を痛感しました。私たちは感染症だけを相手にしているわけではありません。公衆衛生全般が私たちの仕事なのです。当時の経験はいまの戦略の一部となっています」
  • たとえば、テグネルにとって学校はウイルスの感染源になりうる場所ではなく、若者の健康を維持するための大切な場所だ。

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ストックホルムの高校。8月撮影 Photo: Martin von Krogh / Getty Images
  • 6月、欧米各国でロックダウンのラッシュが吹き荒れたとき、テグネルは「まるで世界中が狂ってしまったかのようだ」と批判した。いまはやや態度を軟化させてはいるものの、依然として各国の対応に不信感を隠さない。マスクの着用ひとつとっても、「手段というより、スローガンに見えます。コロナという複雑な問題に対し、マスクの着用を解決法とする安直さには深い疑念を感じます」と話す。
  • インタビューの終わりに、テグネルは再び世界の流れに逆らう発言をした。ワクチンついてだ。今後、ワクチンが開発されて流通するようになっても、それは決して「万能薬」にはならないと彼は考えている。
  • 「繰り返しになりますが、複雑な問題に安直な対処法をとるのは好きではないんです。ワクチンさえあれば、以前のような生活に戻れると考えるのもよくないでしょう。それは危険なメッセージです。事態はそんなに単純ではありませんから」