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COVID-19:ワクチンを打つか、打たないか、それが問題だ。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメモ(79)

※ 当ブログのCOVID-19関連記事リンク集 → https://shoyo3.hatenablog.com/entry/2021/05/06/210000

ワクチンを打つか、打たないか、それが問題だ*1

今回は、ワクチンの安全性の話題である。私は「科学者」ではないので、科学的な議論をすることができない。それでもワクチンを接種するか否かの選択を迫られるので、どう考えたらよいのかについて私見を述べることとしたい。

 

多数ある記事から、次の記事を参考にする。

A 新型コロナワクチンの長期的な安全性の懸念は?(忽那賢志)

B ワクチン接種するか悩んでいる人に知ってほしい「打つ・打たない」決めるポイント(西村秀一)

C 新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~(日本小児科学会)

D ワクチンを打つと不妊になる、流産するって本当? 専門家が解説(内田舞)

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https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210621-00243916/ (写真:ロイター/アフロ)

 

ワクチン接種に関しては、若い世代を中心にかなり不安があるようだ。(高齢者でも、ネットニュース等をよく見ている人の一部には不安があるようだ)。また、若い世代のワクチン接種不要論もある。

1.ワクチン接種の「長期的な安全性」は不明である

アナフィラキシー等の短期的な副反応に関しては、想定の範囲内であり特に問題なさそうである。

問題は「長期的な安全性」である。忽那賢志は、Aの記事で、次のように述べている。

  • 生きたウイルスはワクチンの中には入っておらず、また遺伝情報を体内に接種すると言っても、mRNAはヒトの細胞の核に入ることができず、そのためヒトの遺伝子の情報に変化が加わることはありません
  • またmRNAは接種後数日以内に分解され、作られるスパイク蛋白も接種後2週間でなくなると言われています。こうしたmRNAワクチンの機序からは、接種後1年以上が経ってからの副反応は想定されていません。
  • mRNAワクチンそのものは長期的なデータがある。…これらの何十年にもわたるmRNAの研究では、長期的な副作用は認められていません。
  • ワクチンが男性不妊・女性不妊の原因となる懸念も現時点ではない。…現時点ではワクチン接種によって男性不妊精子減少)になるという懸念はありません。女性不妊になる根拠はないと河野大臣も述べられていますし*2、mRNAワクチンを接種した約4000人の妊婦さんの安全性に関する報告では、特に先天奇形や早産・流産が増えるといったこともなさそうです。
  • 以上のことから、mRNAワクチンの長期的な安全性についても特段の懸念はないと考えられていますが、もちろん100%安全と言い切れるものではありません。…予想されていなかった副反応が起こる可能性も排除できないことから、ワクチン接種後も長期的に調査・監視を実施し、その結果をオープンに公開する体制が必要です。とはいえ、「ぱねえ効果」[半端でない効果]を持つmRNAワクチンです。現時点で長期的な安全性が懸念される根拠があるわけではない以上、それを理由に過度に恐れて接種する機会を逃すことはご自身にとって不利益となるかもしれません
  • ご自身にとってのワクチン接種のメリットとデメリットを正しく吟味した上で、接種についてご検討ください。

西村秀一は、Bの記事で、次のように述べている。

  • 直後に現れる副反応については、これまで想定されていなかったメカニズムによる副反応があるかどうかや、何年も経ってから体の中で悪さをしないかどうかなどは、今の時点ではどんな専門家にも明言できません大きな健康被害になる可能性が、あるともないとも断言できないのです。
  • ほかにも今の段階でよく分かっていないこととしては、(1)接種したらどのくらい抗体が続くのか、(2)ウイルスの変異があったらどうなるのか、(3)ワクチンを接種すれば、マスクなしで社会生活を続けられるのか、といったことがあります。

「想定外の副反応が起こる可能性を排除できない」、「100%安全とは言い切れない」というのは当然だろう。

不妊、先天奇形、早産・流産のリスク、子どもに接種した場合の副反応については、データ不足のように感じられる。

長期的な安全性に関しては不明ではあるが、「現時点で長期的な安全性が懸念される根拠があるわけではない以上、それを理由に過度に恐れて接種する機会を逃すことはご自身にとって不利益となるかもしれません」という発言をすることは、ワクチン接種を推進したいという対場からのものであろう。

 

2.若者世代は、ワクチン接種の必要が無い

新型コロナで、重症化し死亡する者は、圧倒的に高齢者世代(基礎疾患のある者を含む)である。ワクチンが重症化・死亡リスクを低減するものであるなら、高齢者世代にワクチン接種が行き渡れば、今後重症化・死亡する者は激減する。たとえ感染したとしても、無症状や軽症であれば、通常医療の範囲内である。

これは若者世代がワクチンを接種しなくても、特段の問題は生じないということを意味する。このような考え方もあり得るだろう。

 

3.コロナワクチン不妊説、流産・死産説

内田舞は、Cの記事で、次のように述べている。

科学的に検証すると、この不妊説は誤りであるといえます。コロナウイルスの「スパイクたんぱく」と「胎盤たんぱく質」は、塩基配列のごく一部のみが似ているだけで、構造としては全く異なるということがわかっています。つまり、ワクチンが胎盤たんぱく質に悪影響を及ぼしてしまうということはありません。

ワクチンを接種した妊婦の追跡調査によれば、「ワクチンを接種した妊婦の流産・死産率」と「パンデミック前の、一般的な妊婦の流産・死産率」は全く変わらないという結果が出ました。さらに、生まれてきた赤ちゃんに関しても、早産や低出生体重、先天性異常、新生児死亡などは、妊娠中のワクチン接種有無にかかわらず、同じ頻度で起きていました。

「ワクチンを接種しないリスク」についても、忘れてはいけないと思います。 ワクチンを接種していない妊婦さんが、コロナに感染してしまった場合は、重症化リスクが高いと世界的に報告されています。…しかし、毎日いろんな不安や身体的な大変さの中も頑張っていらっしゃる妊婦さんが、さらに無理をしてまでワクチンを接種する必要はないと、私は考えています。妊婦さんとその周囲のみなさんは、感染予防に気を配り、妊婦さんがコロナウイルスに感染しないことを目的に生活していっていただければと思います。

妥当な見解のように思う。

 

4.ワクチン接種後の死亡との因果関係

西村秀一は、Bの記事で、次のように述べている。

大勢の人がワクチンを接種すると、翌日に亡くなる人が必ず出てきます。高齢者の接種が増えればなおさらです。冷静に考えれば、亡くなる人が出ても当たり前だとわかります。なぜなら、ワクチンとは関係なく日本国内では1日に3800人ほどが亡くなっているからです。事故や事件で亡くなる人もいれば、老衰や心筋梗塞脳梗塞、末期癌などなど、原因は人それぞれです。慢性疾患で闘病中の人で直前まで元気でも急に亡くなることがあります。そういった状況の中でワクチン接種が始まると、ワクチンとは無関係でもたまたま接種の直後に亡くなるケースが出てきます。…本当にワクチンのせいなのか、それとも違うのか、その答えを出すのはとても難しい問題です。ただ、もし「ワクチン接種した人が亡くなった」というニュースを耳にしたら、すぐにワクチンが原因と決めつけて怯えるのではなく、冷静に受け止めてほしいと思います。

これは長期の話ではなく短期の話だが、西村の言うように、短絡的に「ワクチンが死亡原因」だと決めつけるべきではないだろう。この論理を認めるなら、新型コロナウイルスPCR検査で陽性反応が出た人の死亡をもって、短絡的に「新型コロナウイルスが死亡原因」だと決めつけるべきではないだろう。

これをどう判別したら良いのか。内田舞の記事の引用中、アンダーラインを引いたところに注目。これは一般に、データ分析における「ランダム化比較試験」の考え方に沿うものであるように思う。*3

 

5.「わからないこと」への対処法(私見

「先のことはわからない」(将来の不確実性)…これは、私たちがさまざまな意思決定の場面で直面している現実である。できるだけ厳密に論理的に考える場合もあるだろうし、えいやっ!で決める場合もあるだろう。

例えば、結婚しようとする場合、どれだけ相手のことがわかっているだろう。DV夫になるかもしれないし、浪費妻になるかもしれないし、不治の病に罹るかもしれない、先天性疾患の子どもが産まれるかもしれないし、自殺を余儀なくされるかもしれない、…将来、何が起こるかわからない。だとすればそのようなリスクを避けるために結婚をしないという選択をすることになるだろうか。はたまた結婚をしないリスクをどう考えるか。

リスクを恐れてワクチン接種をしないか、リスクを覚悟でワクチン接種をするか、自分で決めるしかない。医師にも、感染症専門家にも、学者にも、官僚にも、政治家にも、わからないことはわからない。いま入手し得る情報で判断するしかない。但し、これは暫定的な結論である。

*1:

To be or not to be, that is the question;

Whether ’tis nobler in the mind to suffer

The slings and arrows of outrageous fortune,

Or to take arms against a sea of troubles

And, by opposing, end them.  (Hamlet, Act 3 Scene 1)

このまま生きるか否か、それが問題だ。

どちらがましだ、非道な運命があびせる矢弾[やだま]を

心のうちに耐えしのぶか、

それとも苦難の荒波にまっこうから立ち向かい、

決着をつけるか。(訳:実村文

https://note.com/sala_mimura/n/n47e99785e631

*2:感染症専門家と言われる忽那が、「女性不妊になる根拠はないと河野大臣も述べられていますし…」などと「おべんちゃら」を言うところではないだろう。

*3:今後、勉強したいと思っていることなので、今は、はっきりしたことは言えない。